小笠原空>小笠原>「航空路を考える会 信天翁」(長文)
情報提供者 : 小笠原の航空路を考える会
提供日付 : 1995/10/30
登録経由地 : 自然環境フォーラム プレスリリース01 #553
注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した
情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向
けにのみ提供された情報が含まれています。
また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ
のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている
場合があります。
・・・・・・・・・・信天翁・・・・・・・・・・
○総会のお知らせ
大変遅くなりましたが、下記の要領で総会を開催いたします。万障お繰り合
わせの上御参集下さい。
・日時 9月26日(火) 午後7時
・場所 村民会館
・議題
1.'94年度経過報告
2.'94年度会計報告
3.'95年度活動方針
4.役員改選
5.その他
以上
・会費 ¥1000
・ソフトドリンク お菓子
*信天翁も長い間発行できなくて会員の皆様には申し訳なく思って居ります
(会員は何方でも記事を載せることができますので、どしどし原稿をお寄せく
ださい)。
○5月30日小笠原振興審議会は大略次の様でした。
国土庁の小笠原諸島振興開発審議会は5月30日午後開かれ、今年度の振興開
発事業計画(内容は今年度予算と事実上同じもの)を審議、可決したあと、東京
都当局の小笠原空港に関する経過報告を聞き、質疑応答をおこなった。空港の
経過報告は東京都からの申し出により、東京都が既に各委員に送付した空港に
関する資料に即して説明するとの前置きで、東京都の地域振興担当部長がおこ
なった。東京都が説明と質疑への答弁で明らかにした内容の一端をあげれば、
次のとおりである。
*青島知事には小笠原空港の経過と今後の方針を説明し、了承を得た。
*小笠原村民1954人の署名した空港建設の要望書を受け取った。
*兄島空港案にたいして小笠原自然環境研究会、京都大学の加藤先生、国立
環境研究所の冨山さん、日本自然保護協会から文書で質問を受け、文書で回答
した。再質問は来ていない。
*島民の団体からは何も文書が来なかった。
*運輸省から出された三つの課題のうち、第一と第二はクリアできると考
え、運輸省および環境庁と協議している。
*環境庁は、第7次空港整備計画について省庁間協議があれば意見を回答す
るが、このような空港計画に是非を答える立場にないと言っている。しかし、
何度か質問をしてきたので、答えた。
*第6次計画での採択を希望しているが、自然保護団体との話し合いが重要
だと思っている。
*父島ー兄島のロープウェイは、風速が毎秒15〜20メートルになれば運転を停止す
る。ただし、卵形のゴンドラにすれば、風速25メートルまで大丈夫だ。
ロープウェイが停止するときは、飛行機も欠航するので、空港に着いたが父島に行
けないという事態は生じない。
質疑では、ロープウェイの安全性と経済性に疑問を呈する質問が複数の委員から
出たほか、工事で発生する残土の処分方法の質問が出た。
運輸省から出された課題をクリアしたかどうかをだれが判断するのかとい
う、都職員の独りよがりを戒めた光る質問もあった。
都総務局は空港建設事業に必要な財源の確保の見通しにはまったく触れなか
った。
なお、この日の審議会に、委員のひとりである青島知事は出席せず、瀬田悌
三郎副知事(総務局担当。前・都総務局長。前副知事鹿谷嵩義氏の後任)が代理
として青島委員の席に着いた。
○青島知事への手紙
各方面から知事宛手紙を出す様に要請され、7月下旬に「かつおどり」及び各
種資料も一緒に郵送しました。また同じものを辺見特別秘書宛にも郵送しまし
た。
<手紙全文>
拝啓
突然のお手紙、お許しください。
私は「小笠原の航空路を考える会」の会長をして居ります、安井隆弥と申す者
です。小笠原村父島に在住しています。
私達の会は島民約100名、都内在住者約150名からなる細やかな団体ですが、
次の主張を持って居ります。(1)兄島は小笠原に残された唯一の亜熱帯乾性低
木林で、小笠原本来の生態系を残す生きた博物館である。この原生林を東京都
そして日本の自然遺産として是非保全したい。(2)小笠原はキャパシティーが
小さいので、中型ジェット機就航を軸とした開発は小笠原の自然を破壊し沖縄
の二の舞になる。航空路は生活路線を主体にした規模の小さなものにしたい。
以上です。
小笠原空港が第6次空整に予定事業として載った経過は省略いたしますが、
運輸省が新規事業に格上げするための3条件のうち、第2番目に「自然環境に
配慮した空港の規模と位置」を検討するよう述べています。鈴木前知事が
1988年に空港予定地は兄島と宣言して以来、総務局地域振興課は、自然保護団
体や学会からの要請に耳を傾けることなく、一貫して兄島に固執しました。私
達もミニ広報誌「かつおどり」の発行その他で意見を発表しました。また都議や
運輸政務次官が御来島の折は、私達の意見の申し出を要請しましたが、悉く断
られました。何が何でも振興課の意向に添わないものは抑えつけ無視されてい
ます。
昨年、日本工営による母、父、兄、弟の4島調査につきましては、その発表
内容は大変作為的です(資料)。また、昨年暮に振興部長他2名が兄島空港説明
会に来島の折、当時、島で行われていた兄島空港賛成の署名集めが、村のボス
支配のもとに恐怖を抱かせる手段で、署名しない者に対し圧力を加えている実
情を訴え、この様な人権に拘わる情況は、都としても期成同盟(振興課の指示
による官制の民間団体)を指導するよう要請しました。ところが逆に火に油を
注ぐように(今までにはなかったことですが)小笠原支庁、小笠原村役場では、
各長より職員に訓令まがいの指示を出し、個人説得までして、乳幼児も含め強
引に集めた署名です。この情況は戦前の翼賛体制の様相を呈し、ムラ社会の醜
い面を曝け出しました。さて、私達は現在次の意見を持って居ります。
(1)現在までに出された自然保護団体、諸学会並びに研究者の意見を都に於い
て検討し、それ等に対する都の公式見解を発表して頂きたい。
(2)昨年の日本工営による4島自然環境調査の全資料を公開し、第三者による
比較検討会議を開催し、再評価して頂きたい。
(3)母島や弟島の候補地は、故意に土工量の多いところになっています。
1993年に振興課から前知事に提出した案では、兄島へのアクセスは船であった
のが、港湾施設工事を含めると700億となり、前知事が認めなかったので、且
て、前知事が提示した300億に合わせるためにロープ・ウェイ案にしたと言わ
れている。これら工事計画変更に係わる資料と経過を公開し、第三者による検
討と再評価をして頂きたい。
(4)現在まで3回程小笠原の空港や自然環境について、父島でシンポジウムが
開催されています。パネラーは常に振興課のボスが選んだ人で、はっきりと反
対意見を持った人は選ばれていません。また、司会は3回とも同一新聞社を使
い、その司会振りや、掲載記事は正にチェックブック・ジャーナリズムに堕し
ているのは有名です。
空港建設は莫大な都民の税金を使うことですから、都内で再度小笠原シンポ
ジウムを都民の前で堂々と開催し、多方面の識者をパネラーとし、現地からは
期成同盟の代表と共に私達の会からも出席させて頂きたい。
以上、長々と述べましたが私達は小笠原の愛すべき自然を後世に残し、小笠
原に相応しい緩やかな発展を望んで居ります。舌足らずの拙文ですが、その意
を御汲み取り下さい。また、別便でお送りします「かつおどり」、研究者の意見
書等の資料も御笑覧いただければ幸いです。
敬具
'95年7月21日 安井隆弥
青島幸男様
硯北
○都議会、都庁の情況
6月30日付の都政新報によれば、都議会新進党の松原仁議員の質問に青島知
事は、空港建設は小笠原の自立・発展に欠くことのできない基幹施設であると
の認識を示した上で、「空港の早期開設をめざして最大限の努力をしていく」と
答えた。そして「小笠原空港建設にかかわる検討委員会」を設置し、空港施設の
建設や自然環境の保護・保全策などの具体的な検討を進める考えを明らかにし
た。
その後この検討委員会が作られたのかどうか不明。
東京都は近頃16年ぶりに財政白書を発表したが、鈴木知事時代の大規模施設
建設のツケが回ってきて、これからは都財政は冬の時代に突入すると予測され
る。今後都税収入3%増・投資的経費の伸びをゼロと仮定しても毎年2600億円
の財源不足がでる。貯金である基金も再来年度には底をつき、借金体質の指数
である公債費負担比率は来年度は2ケタに突入、5年後には18%近くまでにふ
くれ上がる、などの予測が出されている。こんな財政状況の東京都が莫大な財
源を要する小笠原空港建設にどんな答えを出すのだろうか。
○7次空整では8月20日頃小笠原空港が新規(予定)事業として乗るというのが
有力でしたが、日本の拠点空港(クローバル・ハブ空港)の立ち遅れに対する危
機感が一挙に盛り上がり、地方空港に関しては10月以降に延ばされました。
○飛行艇の気運浮上
阪神大震災や海自のUS1事故をきっかけにUS1Aの性能改善と民間機扱
いの気運が持ち上がってきた。また水陸両用機研究会の書上さんはBe200視
察でロシアに招かれ、現在渡露中。
○会員の声
<信天翁川柳会>
兄島の 自然を壊す 滑走路
村づくり 自分を見るのが 第一歩
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