小笠原空>小笠原空港計画に対する要望書
情報提供者 : 小笠原の航空路を考える会
提供日付 : 1995/11/18
登録経由地 : 自然環境フォーラム プレスリリース01 #563
注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した
情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向
けにのみ提供された情報が含まれています。
また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ
のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている
場合があります。
小笠原ネイチャーフォーラム事務局より、小笠原にある「小笠原の航空路を
考える会」の作成した要望書を代理アップします。会長に了解済みです。こ
の要望書は、10月下旬〜11月中旬にかけて、関係各省庁に配られていま
す。
マスコミにも配りたいので、基本的に転載可です。
誤字などの文責はMISS-D。
++++++++++++++++++++++++++ココカラ+++++++++++++++++++++++++++++++
1995 10月25日
小笠原の航空路を考える会
会長 安井隆弥
「小笠原空港計画に対する要望書」
私たち「小笠原の航空路を考える会」は、次のことを要望いたします。
(1)小笠原本来の自然が残っている唯一の島、兄島を飛行場予定地から除
外していただきたい。
既に各自然保護団体および各学会から貴殿宛に要請書が出ておりますよう
に、亜熱帯乾性低木林に特徴づけられる兄島は、島全体が一つの生態系とし
て原生状態を保っていることに大きな意義があり、それゆえ多くの絶滅危惧
生物が自然更新を繰り返しながら共生しています。従って、兄島に滑走路を
つくることは、その本質的価値を壊滅させることにほかなりません。
このかけがえのない兄島の自然遺産を小笠原村民ばかりでなく、都民のそ
して国民の貴重な財産としてぜひとも保全していただきたく、ここに強く要
望いたします。
(2)航空路開設に伴う巨大な地域開発は見合わせていただきたい。
運輸省の求めている航空需要の確保には、膨大な金額と乱開発とを避けて
通れません。「空港はつくって欲しいが乱開発は困る」という多くの村民の
要望と運輸省の求める課題の間には大きな隔たりがあります。
小笠原の島々は面積が小さく、最大の父島ですら伊豆諸島新島とほぼ等大
です。これらの島々に2000m級の飛行場や、需要創出のための開発は小
笠原の環境容量をはるかに超えるであろうことは明白です。
多くの観光客は現状ですら、「これ以上手を加えると小笠原の良さが損な
われ、沖縄の二の舞になるのではないか」と憂慮しております。
私たちは、航空路として、小笠原のキャパシティーに見合った規模で、自
然環境の保全と住民の生活環境に配慮した手法で、先ず生活路線としての航
空路の実現を強く要望致します。
以上の要望実現のため次のような試案を提案申し上げます。
(1)水陸両用機による東京ー父島直行便
小笠原を取りまく海が滑走路となり、飛行場建設による自然破壊もなく、
観光の目玉としても小笠原に相応しい。
対応機 ベリエフBE200(68席) US−1改良機
この航路であれば約2時間で上京可能。
(2)東京ー硫黄島ー小笠原、硫黄島乗り換えコミューター便
東京からのグァム、サイパン便が1日に1、2回硫黄島に寄港。父島の洲
崎に飛行場を開設し、硫黄島ー父島間をコミューター航空路で結ぶ。
対応機 N24ノーマッド(16席、滑走路700m)
ティルトローター民間機
ドルニエDo228(19席、滑走路600m)(21
世紀初めに就航予想)
この航路であれば約4時間で上京可能。
(3)東京ー八丈島ー小笠原 八丈島乗り換えコミューター便
東京ー八丈島間は定期便。八丈空港からコミューター便に乗り換えて父島
洲崎へ。
対応機 ドルニエDo328(30席、滑走路800m)
ボンバルディエDASH8−100B(37席、
滑走路500m)
サーブ2000など
この航路であれば約3時間で上京可能。
洲崎案のメリット
1、兄島案では工事のための港湾施設、島内道路の開設、発電施設、工事関
係者、資材、水などの運搬に関する経費がかさみ膨大な工事費となる。一
方水陸両用機案や洲崎案ではこれらの経費を節約でき、工事予算は大幅に
軽減されると予想される。
2、海洋の島では標高の高い部分は冠雲で覆われ、低い部分は晴れている場
合が多い(いわゆるトップ・クラウディング)ので、兄島案のように標高
の高いところに飛行場をつくれば飛行機の就航率は悪くなる(神津島の
例)。一方洲崎案でなら立地条件に恵まれている。
3、兄島ロープウェイ案では大型の工作車量や大量の資材をすべて運ぶこと
は困難であり、兄島に港湾施設を造らざるを得ない。また、海上ロープウ
ェイは潮風への防銹対策などメンテナンス費用がばく大である。
4、洲崎案は、洲崎に近い扇浦新集落への開発効果が大きい
5、水陸両用機案と洲崎案でなら、運輸省の求める膨大なインフラ整備費を
大幅に削減できる。
私たちは、中型ジェット機による航空路開設に伴う小笠原の急激な開発に
対し強い危惧をいだいております。水陸両用機航空路を開設するか、八丈島
または硫黄島とのコミューター航空路を開設するか、いずれにしても、無理
な需要確保を求めることなく、毎日、郵便物や新聞が届き、病弱な人や急用
のある人が心配なく本土へ行ける生活路線を開設していただきたい。小笠原
のゆるやかな発展を私たちは強く希望します。
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