prweb_logo sponsor1sponsor2
about sponsorship
list of this NGO's information about this NGO what is prweb?
大深度>大深度地下問題通信 No.2
情報提供者 : 大深度地下利用問題を考える大都市圏連絡会 提供日付  : 2000/03/12 登録経由地 : 自然環境フォーラム プレスリリース04 #518 注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した    情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向    けにのみ提供された情報が含まれています。    また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ    のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている    場合があります。

 「大深度地下利用問題を考える大都市圏連絡会」よりメイルで頂いた情報で
す。なお、現在「これはプレスリリース会議室の方がいいのではないか」とい
うことで相談をしていますので、追って「大深度地下利用問題通信」は移動す
る可能性があります(もしこれを将来プレスリリース会議室でご覧になってい
る方おいでになりましたら、そういう事情で移動しました)。

=====

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
大深度地下利用問題通信 No2             2000.3.6
                       大深度地下利用問題を考える
                             大都市圏連絡会
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1.大深度地下利用の必要性
 もともと地価対策で始まった大深度地下利用は必要性はあるのだろうか。
 1998年5月27日の毎日新聞で長谷川徳之輔・明海大教授は「地価が年々上がり、
土地所有者が手放さない。だから、地下利用を、というのが発端だった。その根
底、前提が変わった。ランニングコスト、メンテナンスを考え、大深度地下利用
が適切か、検討する必要がある」と述べている。現在、地価は下落し続けており、
大幅にあがる要因など全くない。
 建設コストについても臨時大深度地下利用調査会答申の中では試算を行ってい
る。国土庁大深度地下利用研究会編著による「大深度地下利用の課題と展望」と
いう答申の解説(以下「答申解説」)では、5kmのトンネルの試算として、深
くしたことによるコスト増とルート短縮によるコスト減から、浅深度地下より、
コストは0.87〜1.44としている。決して大深度地下によってルートを短縮して
も大幅に費用が安くなるわけではない。また、この費用に環境アセスメントなど
の費用は入っていないと思われる。経済性の面からも大深度地下利用の積極性は
薄いと言わざるを得ない。

2.リニア中央新幹線と大深度地下利用
              
 あまり知られていないことであるが、リニア中央新幹線と大深度地下利用は結
びつきが深い。当連絡会では一度はとん挫した大深度地下利用が復活した背景に
は、リニア中央新幹線計画があるとにらんでいる。
 リニア中央新幹線の東京乗り入れは大深度地下方式が考えられている。大深度
地下が利用できなければ、地権者との調整に膨大な手間がかかるため、事実上不
可能と見られている。
 臨時大深度地下利用調査会設置法は議員立法である。同法を国会に提案したの
は野沢太三議員(自民党)である。野沢議員はリニア中央エクスプレス推進国会
議員連盟の事務局長を務めている。また、第1回の臨時大深度地下利用調査会の
議事概要には「大深度地下利用の制度は必要不可欠であり、これがなければ事実
上リニア中央新幹線は不可能。」という発言がある。(発言者は不明)
 またリニア中央新幹線の推進団体は、リニア中央新幹線の実現のためには「大
深度地下の利用促進を図るなど法的整備の推進」を掲げ、大深度地下の利用のた
めの法律の制定活動を行っている。例えば97年5月17日の朝日新聞の記事によ
ればリニア中央エクスプレス建設促進期成同盟会はリニアの建設促進と並んで、
大深度地下利用の早期法制化の実現に向けて運動することを決議している。
 言うまでも無いことかもしれないが、リニア新幹線には多数の問題点がある。
 まず10兆円にものぼる莫大な費用がかかると言われている。そのうえ、実験段
階であり、技術的にも確立しているわけではない。運転には膨大な電力を使用す
ることや強力な電磁波を伴うという問題もある。
 東海道新幹線の逼迫がリニア中央新幹線の必要性の根拠になっているが、すで
に東海道新幹線の利用も頭打ちのうえ、品川新駅ができれば、更に輸送力の増強
が可能である。
 バブル崩壊後大深度地下利用に対して多くの事業者が積極的でなくなったが、
リニア中央新幹線の推進団体のみが積極的な運動を繰り広げてきたと言っても過
言ではない。リニアのためなら大深度地下利用はいらない。

3.臨時大深度地下利用調査会答申の問題点 その2
 現在、大深度地下利用に関する法律案は日の目を見ていない。答申から問題と
なりそうなところをあげてみる。

 環境対策
 答申では環境影響評価の積極的活用が述べられている。しかし、答申解説では、
大深度地下を利用する事業すべてが対象となっているものではないと述べられて
おり、環境アセスメントが行われない場合があることを示している。
 地下水取水障害や地下水汚染、地盤沈下にも最新のシールドトンネル技術や汚
染の少ない地盤凝固剤を使用することによって防げるとしている。シールド工法
とはシールドを地中に押し込みながら掘り進むトンネル工法である。確かに近年
のトンネル技術の進歩は凄まじく漏水はかなり防げるという。しかし、シールド
と地盤の隙間(テールボイド)による地盤沈下などは完全に防ぐのは難しいよう
である。答申解説では水ガラス系の地盤改良材も汚染が少ないと書かれているが、
地下水との反応により水酸化ナトリウムが発生し、アルカリ汚染が起こる可能性
があることが指摘されている。

 私的利用の制限
 答申では、大深度地下の私的利用について制限する制度の確立にも触れられて
いる。答申の中で唯一評価できる部分が、この私的利用の制限である。大深度の
地下利用は広範囲に影響を及ぼす可能性が高いと考えられるので、私的な利用に
対しても何らかの制限が行われた方が良いと考えられる。但し、私的利用の制限
こそ問題であるとしている法律家も存在している。

 行政庁による使用権の設定
 適正かつ計画的な利用を図るために、公益事業に限って行政庁による使用権の
設定により、大深度地下利用の使用権が取得できることになる。行政庁の認定だ
からと言って安心は出来ない。過去に各省庁がそれぞれ大深度地下を利用した事
業を持ち出し、一度はとん挫した経緯を考えると、行政庁の許可があったとして
も乱開発が防げるとは限られない。答申では、構想段階から「必要に応じ住民か
らの意見聴取等を経て、行政庁が即地的な計画の決定を行うことが適当である」
あるいは、使用権の設定に際し「事業に対して利害関係人の意見書の提出等によ
り意見が述べられることができるような開かれた制度にする必要がある」として
いる。意見の反映の仕方や利害関係人の範囲はどのようになるのであろうか。

 対象地域
 対象とする地域は、当面、大都市圏及びその周辺地域とすることが妥当としな
がらも財産権の内容は全国的に同一であることが望ましいとの意見もあったと両
論併記となっている。大深度地下で多くの問題が発生するのは大都市部であるこ
とを考えるとどちらが適用されても問題である。
 全国的に適用された場合、山岳トンネルがなど主な対象となると思われる。山
岳トンネルでも湧水が涸れるなどの被害を起こした例があり問題である。山岳ト
ンネル以外では地下原発や高レベル処分場への適用という可能性も有り得るので
はないだろうか。1月23日の朝日新聞の報道によれば、大都市圏のみの適用とな
る可能性が高いようであるが安心は出来ない。
 
4.地下原発、高レベル廃棄物処分場への適用可能性
 大深度地下利用がもし全国的に適用となった場合、地下原発や高レベル処分場
に適用される可能も考えられる。地下原発などと言うと荒唐無稽に聞こえるかも
しれない。しかし、電力中央研究所などで真剣に検討されており、自民党にも
「地下原子力発電所研究議員懇談会」が設置されている。高レベル廃棄物処分場
も4万本の高レベル廃棄物ガラス固化体が処分する広さとして4km2の面積が必要
とされているが、地上施設はごくわずかの面積を占めるだけである。
 どちらも立地に対して住民の同意を得ることが難しい状況であるため、国有地
などが確保できなければ、用地の取得に困難を伴うことになる。大深度地下利用
方式であれば、地権者との調整が大幅に軽減できる。
 高レベル廃棄物処分場と大深度地下利用には表面的にはあまり関係がないよう
にみえる。しかし原子力バックエンド対策専門部会(第12回)議事要旨(案)の中に
「{8}大深度地下利用について検討がなされていることについても考慮して欲しい。
」という発言がある(発言者不明)。これはどういう意味なのであろうか。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
                          編集・発行 清水孝彰
                                大上 譲

                                  大深度地下利用問題を考える大都市圏連絡会
                   連絡先 東京都北区栄町38−1 101号
                       TEL/FAX 03−3927−1591
                                 ohue@ma2.justnet.ne.jp
                                                   清水孝彰




  

[article_prweb]daisindo.htm