WWFJapan>panda アンテロープの毛織物
情報提供者 : 世界自然保護基金日本委員会
提供日付 : 2001/07/12
登録経由地 : 自然環境フォーラム プレスリリース05 #822
注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した
情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向
けにのみ提供された情報が含まれています。
また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ
のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている
場合があります。
世界自然保護基金日本委員会WWFJapanからの情報です。
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【野生生物/TOPIC】チベットアンテロープ:毛織物が招く絶滅
ペットとして、革製品として、また、彫刻や織物として・・・
さまざまな形で行われている、野生生物の貿易や取引が、種の
絶滅を招く例は多々あります。
今回は、その一例として、チルー(チベットアンテロープ)の
問題に注目してみましょう。
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■「シャトゥーシュ」が呼んだチルーの悲劇
「シャトゥーシュ」それは、チルー(チベットアンテロープ)
という動物の毛で織られた高級毛織物で、そのキメの細かさに
より、古くから珍重されてきました。大きなショールでも、指
輪の穴を楽に通り抜けるほど滑らかなことから「リングショー
ル」とも呼ばれ、今でも人気を集めています。
しかし、この「シャトゥーシュ」をつくるため、年間2万頭も
のチルーが、密猟の犠牲になっているといわれています。
チルーは、中国の青海高原とインドのラダック地方の標高40
00メートル前後の高原地帯に生息する、ウシ科の動物。
インドでは、捕獲と取引を厳しく規制していますが、20世紀初
頭には約100万頭いたといわれたチルーは、現在75,000頭以下に
なっていると推定されています。
IUCNの「絶滅のおそれのある野生生物のリスト(通称レッド
リスト)」(2000年版)では、絶滅危惧種(EN)にランクされ
ており、1975年からはワシントン条約でも、国際取引が禁止され
ていました。
しかし、シャトゥーシュにまだまだ人気があって高く売れること
から、密猟が跡を絶たず、このままでは絶滅してしまう可能性が
高くなっています。
■日本で売られていた「シャトゥーシュ」
このシャトゥーシュのショール、実は日本にも密輸されていたこ
とがわかりました。
今年二月、WWFジャパンの野生生物取引調査部門として活動し
ている「トラフィックジャパン」の調査によって、東京都内のブ
ティックで販売されていたことが、確認されたのです。
チルーの毛で作られた製品は、日本でも「外国為替及び外国貿易
法」によって輸入が禁止されています。また、特別に輸入を行う
場合も、特別な許可が必要になります。
警視庁は今回、店の捜査を行なった結果「外国為替及び外国貿易
法」違反および「絶滅のおそれのある動植物の種の保存に関する
法律」(種の保存法)違反の容疑で、婦人服製造販売会社役員を逮
捕しました。
シャトゥーシュの販売については、過去にも東京都内の老舗洋品
店が販売していたとして、問題となったことがありましたが、そ
れが本当にチベットアンテロープの毛であるかどうかの識別が難
しかったため、環境省の指導で販売停止を求めるだけで終わった
例があります。
また、「シャトゥーシュ」だけでなく、ヒマラヤヤギの毛で作ら
れる「パシュミナ」に、品質を向上させるため、チルーの毛をわ
ざと混ぜて織物を作る場合もあると言われ(これももちろん違法
です)、摘発はこれまでは非常に困難でした。
今回、警視庁は経済産業省・環境省と協力して、国内の専門機関
に依頼して顕微鏡分析による、チルーの毛の識別を可能にしまし
た。これは、これからのシャトゥーシュの違法取引取締りに、画
期的な役割を果たすものとして期待されます。
■チルーを絶滅から守るために
今回、日本でのシャトゥーシュ違法取引摘発は、国際的に見ても
チルーの保護に貢献する、大きな意味を持つものでした。
しかし、売られている毛織物がシャトゥーシュなのか、また、チ
ルーの毛が混ざったものなのかどうかは、一般的にはなかなか判
断しにくいものです。
トラフィックジャパンでは、消費者に対して、シャトゥーシュを
購入しないよう、また何で作られたか疑わしいショールは買わな
いよう、呼びかけています。
自然からの恵みの一つとして、私たちは野生動物を利用していま
すが、その事自体は罪ではありません。しかし、一つの種を絶滅
に追い込むほどに、一方的で過剰な利用をすることは、果たして
私たち人間に許されていることなのでしょうか。
「種」とは、地球という大きな図柄のピースの一つです。これを
失わせ、環境を少しずつ壊していくことは、自分たち自身の未来
を壊すことに他なりません。
レッドリストに掲載され、絶滅のおそれが高い、とされている動
物種は、世界に5400種を数えます。この数字が、日本で暮ら
している私たちの生活と、決して無関係ではないことを、私たち
はもっと強く意識するべきなのではないでしょうか。
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この件に関する記者発表資料は、WWFジャパンのホームページ
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★トラフィックジャパン
http://www.twics.com/‾trafficj/
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