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大台ケ原>環境省が大台ヶ原の鹿25頭捕殺
情報提供者 : 大台ケ原・大峰の自然を守る会 提供日付  : 2003/05/08 11:41 登録経由地 : 自然環境フォーラム プレスリリース07 #00778 注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した    情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向    けにのみ提供された情報が含まれています。    また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ    のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている    場合があります。

環境省が大台ヶ原の鹿25頭捕殺  しかし、樹皮は食べていなかった!

     < 平成14年度第2回大台ヶ原ニホンジカ保護管理検討会 >

 環境省はワナを使って45頭を捕らえようとしたが、逃げられたり、近寄って来
なくなったので、麻酔銃にきりかえて「見つけ次第」撃ったという。捕獲実績を
上げるために、正木ヶ原・尾鷲辻・中道など観光客に餌付けされて人を見ると寄
ってくるところで半数が撃たれている。鹿捕殺のために環境省が餌付けしている
のではないかと皮肉ってきたが、当ってしまった。洒落にならない。しかも、生
まれて1年にならない当歳子が7頭も撃たれた。全く非科学的、便宜的な“役所
仕事”である。
 捕殺された25頭のうち樹皮を食べていたのは3頭に過ぎず、しかもその量は、
3頭平均で胃内容物の 1.6%に過ぎなかった。残りの圧倒的多数はササ(グラミ
ノイド)と広葉樹の枯葉、草本を含む葉、堅果類であった。環境省は“剥皮によ
る森林枯死”を鹿捕殺の理由にしたが、この結果で捕殺の理由を失ったはずであ
る。しかしその検討は来年に延ばして、今年も計画通り45頭の鹿捕殺を続けると
いう。

 2003年 3月26日、標題の検討会が奈良において開催された。鹿の捕殺計画は一
昨年「ニホンジカ保護管理検討会」で策定され、検討会は一旦解散した。その後
「大台ヶ原自然再生検討会」が設けられ、その中に、利用対策・森林再生手法・
野生動物の三つ作業部会が設けられたが、この検討会は野生動物部会とは別に、
鹿に特化して設置された。

議事(1)報告事項
【1】	大台ヶ原ニホンジカ保護管理計画について
  2001年に策定された「大台ヶ原ニホンジカ保護管理計画」について環境省か
ら説明があった。
  続いて事務局の(財)自然環境研究センターから報告があった。
【2】個体数調整について
 ◆アルパインキャプチャーの構造
 ◆アルパインキャプチャーの改良について
(1)幕を用いての捕獲では、捕獲効率が悪かった
   ・幕に足を引っ掛けて逃げる個体がいる 2頭入っても1頭は逃げる
   ・助走距離が最大20mあり、幕に突進する
(2)幕を網に変更した
   ・突進しても網に絡み動けなくなる
   ・網の上がるスピードが早くなる
(3)オートリガー設置
   ・ワナ設置場所より約150m離れた場所で、モニターで観察していたが、
        繁殖期以降、人のけはいによりワナにシカが近づかなくなった
   ・ワナの作動をシカ自身にやらせる事にした(オートリガーに変更)
      ・捕獲の確認は、発信機により逐次確認
   ・捕獲効率が良くなった

 ◆捕獲実施状況・捕獲努力量
      ワナ設置 2002年8月2日
      第1回捕獲2002年 8月21日〜 8月27日 アルパイン1頭
   第2回捕獲2002年 9月26日〜10月 2日 アルパイン2頭
                            麻酔銃10頭
   第3回捕獲2002年10月26日〜11月 5日 麻酔銃 7頭
   第4回捕獲2002年11月28日〜12月 7日 アルパイン4頭  
                                                      麻酔銃 1頭
   合計 36日間  25頭 (計画 45頭 努力量0.71)

 ◆捕獲状況および個体情報一覧
   幼獣(0歳)  ♀ 3頭  ♂  4頭
    亜成獣(1歳) ♀  1頭  ♂ 3頭
   成獣(2歳以上)♀11頭  ♂ 3頭
   合計       ♀15頭  ♂10頭
【3】捕獲個体分析について
   ・性別・年齢別の体重 ・年齢構成 ・食性分析結果 ・栄養状態
   ・遺伝的分析
 (1)大台ヶ原地域とその周辺地域の個体群間は、単一の個体群と考えられた
       (遺伝的分化が進んでいない)。孤立・分断化していない。
 (2)大台ヶ原およびその周辺地域の個体群は、遺伝的多様性が高い。このた
        め、個体数の減少による遺伝的劣化の影響は少ないと考えられた。
 (3)遺伝子頻度の度数分布から、過去にボトルネックを経験しておらず、過
        去においても比較的安定した個体群と考えられた。

【4】モニタリング調査について  A1地区15箇所 10m×20m
     自然再生計画調査と連携をとりながら進める。

議事(2)審議事項  2003年度捕獲計画
【1】個体数調整について
   ・来年度の個体数調整頭数は、計画通りの45頭としたい。
   ・計画3年目からは、生息密度調査・捕獲数等を考慮して、計画を見直す
        ことも検討する。
【2】捕獲方法について
   ・来年度捕獲方法は改良型アルパインキャプチャーと麻酔銃の併用で行き
        たい。
【3】生息密度調査
   ・前回の調査地域(13ヶ所)を踏襲する方向で行きたい(自然再生推進事
        業調査と連携を取り進める)
 以上の捕獲計画が承認された。

[委員の発言]
「捕獲を始めるのが遅い。 4月から妊娠時の鹿を捕獲せよ。死んで貰う鹿に失礼
だ。」
環境省は、予算の関係で下請業者(自然環境研究センター)との契約に時間がか
かるが早く捕獲できるよう努力する、と回答した。
「糞粒法を現実に近づける努力をされたい。消失率を出せ。環境省が技術を開発
せよ。」
「捕獲効率を高めるため麻酔銃の薬量を増やせ。」

次回の検討会はある程度の結果が出た時点で開く。

[傍聴者の発言]
大台ヶ原・大峰の自然を守る会田村が質問した。
質問(1)「昨年は捕殺現場を求めて10回入山したが現場を把握できなかった。
          公共事業である捕殺が非公開で行なわれることが納税者として納得で
          きない。来年度も非公開か。」
委員回答 「公開するとカメラマンが殺到する。現場妨害を広言している団体も
          ある。過程は非公開で結果はビデオ・写真で公開する。」
三重県  「三重県のNPOは捕獲後の状態を知りたがっている。」

質問(2)「鹿捕獲に要した費用を教えてほしい。」
環境省回答 「回答できるかどうかわからないが、本省の国立公園課に尋ねて答
           える。」
座長   「費用対効果を考える時代だ。私も知りたい。」
三重県  「方法を考えれば非常に安い費用で捕獲できるのではないか。」
 環境省は2002年度に大台ヶ原と尾瀬の鹿について「大型獣との共生推進事業費」
の名目で2500万円の予算を組み、鹿捕殺はこの事業として行なわれた。尾瀬では
捕獲効果が無いとの理由で中止されたと聞いたが、その分が大台ヶ原にもし廻っ
たとして、乱暴な計算をすれば鹿1頭捕殺するのに 100万円かかったことになる。
半額にしても50万円だ。とんでもない浪費であろう。
 大台ヶ原では1986年から15年間に「トウヒ林保全対策事業(後に植生保全対策
事業と改称)」に数億円が浪費されたが、その非効率性の事業評価が自然再生事
業の中で行なわれようとしている。公共事業への批判に抗し難く、官僚・御用学
者・業者の利権、思惑の渦巻く大台ヶ原にも、ようやく正されるときが来たよう
であるが、“内部評価”だけに市民が目をそらしてはならない。
                                          2003年 3月31日   田村 義彦

追記 会議終了後1週間経った4月2日現在、環境省からの返事はない。





  

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