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大台ヶ原>頂上展望台再建と周辺整備
情報提供者 : 大台ケ原・大峰の自然を守る会 提供日付  : 2003/08/01 10:08 登録経由地 : 自然環境フォーラム プレスリリース07 #00978 注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した    情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向    けにのみ提供された情報が含まれています。    また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ    のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている    場合があります。


      日出ヶ岳頂上展望台(避難休憩所)再建と周辺整備

● 再建までの経過
 1962年に奈良県が日出ヶ岳頂上に建てたコンクリート造りの展望台が、老朽化
が著しいとして今度は環境省が元の場所に建て直すことになった。本会は環境省
に対して、頂上のすぐ下の鞍部に巨大な展望デッキを造ったのだから、原生的景
観維持のためにも頂上展望台は不要だと要望したが、時すでに遅く、予算がつき
設計もほとんど終わった段階であった。
 どうしても造るのであれば、半地下式の避難小屋にしてほしいとも要望したが、
大台ヶ原の観光開発が始まった30年前の時点で、登山者締め出しのために“コン
ロ使用禁止”を環境省は地元に約束させられていたので「避難小屋」は造れない
という驚くべき返事が返ってきた。ところが「整備基本計画」には「避難休憩所と
して利用者にとって不可欠の施設であり再整備が必要」と書いてある。再整備の
合理化のためには「避難」を強調し、一方では密約があるがために「展望台」だとい
う。この矛盾が結果的には後述するように中途半端な出来上がりになってしまっ
た。

 一応、高さを 4.7mから 3.4mに低くし、床面積を67.3m^2ら45.6m^2に規模を縮
小し、地上部分にはコンクリートを使わず皮むき丸太を使うということであった。
部分的な改善について環境省と何度か話し合いを重ねた結果、地面は石張りの予
定を止め自然なままにする、ベンチの数を減らしテーブルは置かない、などの約
束を得て、整備の結果を待つことにした。しかし従来、歩道のコンクリート舗装、
空中回廊建設など施設整備という名の自然破壊を繰返して来た奈良県が施工する
だけに、心配は大きかった。

● 立派すぎる展望台
 見た感じ、一言でいって立派過ぎる。寺院の塔の心柱を思わせる巨大な丸太柱
が10数本使われているためにその印象を強く受ける。何故、このような立派な円
柱が使用されたのだろうか。展望台を支えるためにしても、このような立派な柱
でなければ理由があったのだろうか。
 思うに、施工は今であったが、計画は4年以上前の2億円の空中回廊計画時点
で設計されたものであろう。頂上で出会った地元の人は「吉野にはこんな立派な
檜はない」と語ったが、空中回廊の檜は岡山から買ったもので、この柱も多分そ
うであろう。空中回廊も展望台も尾鷲辻の休憩所もすべて“総檜造り”であるが、
地元村民が願う地元材を使った工事が何故できないのだろうか。また、4本もの
避雷針が本当にいるのだろうか。落雷注意の看板が、かえって言い訳に読めてく
る。

● 小さくなったのかなぁ・・・
 正木峠からの遠望では、高さで 1.3m、床面積で11.7m^2縮小されたことが意外
に感じられない。環境省の「整備基本計画」には「東、西、北方面から施設は見え
ない」とあるが、北方面の筏場道から霧の日でもはっきり見える。

● 避難施設として機能するのか・・・
 旧展望台の1階部分は、屋上展望台を支えるだけのデッドスペースに過ぎなか
ったが、今度は休憩所と避難スペースが造られた。事前の環境省との協議のなか
で、「山頂は東風が強いので東側が開いているのは避難機能を損なう。風向観測
データを検討して東風を防ぐ配慮をしてほしい」と要望したが設計変更はされな
かった。ところが果たせるかな、先日の悪天候の際、1階部分は東風を受けて使
用できず、外の西側の階段下に風を避けてお茶を沸かすことが出来たと会員から
連絡があった。日よけ雨よけ雷よけにはなっても風よけにはならない。行政は雷
の危険性については認識が高いが、風については意外に低い。風は積雪期には致
命的になる。
 避難スペースの天井の下に、明り取りのためか隙間が造られているが、これで
は、西風のときに雨、雪が吹き込む。この隙間を塞ぎ、避難スペースの東側、休
憩所との間に東風を防ぐ仕切りを工夫しないと、折角の避難休憩所が機能しない。

● 周辺整備
 「流失表土防止間伐材ベンチ」が設計図では2ヶ所7基であったが、8基設置
されていて、たくさんの人が利用していた。「間伐材」とは思えない立派な丸太
であるが、加工された所謂常識的なベンチよりもよほどいい。西端の「方形縁台
ベンチ」6基は約束通り設置されていなかった。また、展望台周辺の地面を奈良
県は石張りにすると固執したが、「石張りをしても豪雨ですぐ壊される。在るが
ままでいい」という本会の要望を環境省が認めて、その約束が守られていたのに
はほっとした。
 設計図では「丸太土留工」が8ヵ所で行なわれることになっていて、かえって
植生破壊にならないかと心配したが、それほど大規模ではなかった。
 登山道の「丸太階段工」は丸太のベンチも同じであるが、豪雨に洗い流される
ことが避けられない以上、人手によるきめ細かい修復作業を繰り返さないと、折
角の工事が無駄になる。丸太が散乱した風景は繰り返さないでほしい。その修復
費用が環境省の函物予算では出ないのであれば、入山料を取ってそれを当てれば
よい。一人 500円として20万人で1億円になり、充分まかなえる。

 今になってあらためて思うが、旧展望台が撤去された時、日出ヶ岳はいちばん
山らしい姿をしていた。
                          (2003年5月25日)




  

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