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大台ケ原>H15年度第1回利用対策部会
情報提供者 : 大台ケ原・大峰の自然を守る会 提供日付  : 2003/11/02 17:52 登録経由地 : 自然環境フォーラム プレスリリース08 #00221 注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した    情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向    けにのみ提供された情報が含まれています。    また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ    のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている    場合があります。

      マイカー規制具体案を次回利用対策部会で検討へ
   <平成15年度第1回大台ヶ原自然再生検討会・利用対策部会>

 2003年 9月24日、本年最初の利用対策部会が、前日の「大台ヶ原の新しい利用の
あり方を考えるワークショップ」に続いて、雨の大台ヶ原山上のビジターセンター
で開催された。
  
● ワークショップと利用施策部会との関わりについて
 前夜、上北山村温泉「ふれあいの郷かみきた」で、環境省主催「大台ヶ原の新し
い利用に向けて」と題するワークショップ第2部が、住民60余名が参加して行なわ
れた。
「話題提供者」は田垣内進一大台教会長が「大台ヶ原の歴史から新しい利用を考え
る」、平山孝一上北山村ワーク21会長、中谷守孝同副会長が「上北山村地域振興の
新しい動きから利用を考える」、小梶昌司吉野熊野観光開発株式会社総務課長が
「観光産業から新しい利用を考える」、富室良城上北山村森林組合専務が「やまづ
くりから大台ヶ原の利用を考える」と題してそれぞれ考えを述べた。私は大台ヶ原
・大峰の自然を守る会会長の立場で「山岳利用から大台ヶ原の新しい利用を考える」
と題して、本会の『大台ヶ原の自然保護と利用への提案』(2003年9月1日改訂)に
基づいて説明した。
 このワークショップについての私の考えは、別掲『「話題提供者」にピエロを演
じさせる環境省‥‥上北山村住民に対するワークショップ』に書いたので繰返さな
いが、環境省は上北山村住民が一番聞きたかったマイカー規制について何も説明を
しなかった。

 利用対策部会ではこのワークショップと部会との関係について議論された。
 座長から「ワークショップは利用対策部会が主催すべきであったが、本年度の利
用対策部会の開催が遅れたため、環境省主催という形で開催された。ワークショッ
プは初期の目的を達成し、ひとつの成果があがったと認識している。利用対策部会
が親検討会に出す利用に関わる提案をつくる作業の一つがワークショップである。
議論を始めていくことがワークショップの目的である」との発言があった。委員か
らは「ワークショップとはラフに気楽に聞けるし、いろいろな意見が言える場だと
思う。地元の意見が自由に聞ける場として開くことに意義があり今後も進めるべき
だ」という、地元住民の心情を全く理解しないのんきな意見が出たのには驚いた。
検討会とは所詮こんなものなのか。
 座長から「環境省の案を上から押し付けるのでは従来型の展開になる。住民が主
人公で環境省に何ができるのか、部会や検討会がなにができるのか住民からお聞き
する姿勢が必要で、ワークショップは一種の公聴会という色彩をもったプロセスの
一環であろう。今後、主催は環境省がすべきで、部会は深く関わる。目的は交通規
制などの利用調整のありかたについて、地元からの提案も聞いて大台ヶ原モデルを
つくっていくための手法がワークショップである。今年中にもう1回開催して意見
交換したい。」
 環境省は「利用適正化対策(案)」は今後環境省のできることを明らかにして、
役割分担を検討していくことが必要だ。開催方式はいろいろな形が考えられる。」
との発言があり、基本的にどのような形にするかは環境省に任せて、利用対策部会
は協力することで委員の合意が図られた。
 望ましい「合意形成」は相互の意見交換が前提であり、「公聴会」とか住民のヒ
ヤリングではないはずだ。各委員の認識が違うままで、発言は言葉としては結構な
ことをおっしゃるが、論議にはならないし、結論も用意されたものの域をでない。
ひどい内容に苛立った。

● 利用適正化メニューの作成について
 座長から「未来志向型の環境再生大台モデルを検討していくことによって新しい
地域振興が見えてくる。このためにも交通規制などの利用調整ということを表に出
した調査検討をすることが重要である。早急にしなければならないのは、利用規制
についての不安材料を払拭することが求められる。マイカー規制はプラスだという
ことを利用部会として出す必要がある。」
 環境省から「二回目のワークショップをして、それを受けて利用対策部会を開き
たい」という提案があったが、私は「今日の部会でも何も決まっていないのに何を
もっていくのか。〔合意形成〕のための予定消化のために内容の無いワークショッ
プを重ねても結論はでない」と発言、他の委員からも「環境省は本当にマイカー規
制をやるのか」と発言があり、環境省から「マイカー規制のための具体案を次の部
会に出して、部会としての考え方を整理したうえでワークショップに提案する形に
たい。」と逆提案があり、そのようになった。
 
 環境省は「無理やり来年2月までに結論を出さなければならないとは考えていな
い。資料には、16年度以降に実験的な試みをすると表現している。しかし、むやみ
に結論を先送りすることも避けたい。すぐにも関係機関と協議をはじめたい。」
 私は「委員全員が昨年マイカー規制に合意したが、環境省は方針としてマイカー
規制を決めたのか」と糺したが、「マイカー規制を検討するということだと考えて
いる。次回の部会に検討するための具体案を準備したい。」と答えた。
 取材していたNHK,毎日新聞は「交通規制具体案を次回から検討」と報道した。
及び腰の環境省も後が無いところに立った。

● アンケート調査速報
 環境省は2003年 8月16〜17日に利用実態調査を行い、そのアンケート集計速報が
部会で報告された。その内容は興味深いものなので、環境省の承諾を得て、前夜の
ワークショップで上北山住民に披露した。
・例えば、利用者の70%がマイカーで来ているのも拘わらず「マイカー規制・シャ
トルバスに賛成する」人が41%、「路線バスの運行便数を増やし、バス利用を誘導
する」という意見が28%、合わせると7割の人がマイカー規制に賛成している。マ
イカー規制はすでに世論だといえる。
・そして、そのようなマイカー規制を行なっても47%の人は予定通り来ると答えて
いる。更に、予定通りには来ないと答えた残り半数の人の9割が、予定を延期して
規制のない日、即ち混雑を避けて来ると答えている。これは計らずも尾瀬などでい
われている「利用の分散」である。自然公園の望ましい利用のありかたを国民自身
がすでに先取りしているといえる。むしろ今まで入山規制を尻込みしてきた環境省
の方がはるかに遅れているといえる。
・年1回以上来る利用者リピーター、即ち大台フアンが4割もいる。しかし、リピー
ターは原生的自然が破壊されていく過程を鋭く見ていて、アンケートにも厳しい記
述が見られる。自然を良い状態で維持しないとリピーターに見放される危険性があ
る。

● コンロ使用禁止について
 このアンケートの中で、「焚き火・コンロの使用」が禁止項目として一括りにな
っている。「ゴミの投棄、バーナーの使用」もくくられている。焚き火は自然公園
法で禁じられているがコンロは禁じられていない。山岳自然公園の利用の中で同列
に扱うのはおかしい、と糺したが環境省は「かつて駐車場でバーベキユゥーをする
人が多かったので禁じたと聞いている。その時から時間も経っており、コンロでお
茶沸かす程度であれば容認すべきという意見もある。議論していけばよい。」と答
えた。議論の余地のない問題であろう。速やかに「解禁」すべきだ。
 
● 御留山について
 資料「大台ヶ原および周辺地区の利用の推移」に、1984年に奈良弁護士会が書い
た『大台ヶ原 その保全のために』の中にある「大台ヶ原が長く天領で御留山であ
った」という記述を加えるべきだ、と提案した。
                        2003年10月28日  田村 義彦



  

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