大台ケ原>利用のあり方メニュー(案)
情報提供者 : 大台ケ原・大峰の自然を守る会
提供日付 : 2004/02/14 16:06
登録経由地 : 自然環境フォーラム プレスリリース08 #00446
注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した
情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向
けにのみ提供された情報が含まれています。
また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ
のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている
場合があります。
刮目に値する
『大台ヶ原における新しい利用のあり方メニュー(案)』
【はじめに】このメニュー(案)は環境省が作成し、2004年1月16日の大台ヶ原
自然再生検討会で公表された。本会はこの案に至る経緯をレポート『保全再生手
法(案)に仮説がない』で報告した。
メニュー〔案〕は、2月の利用対策部会で検討されたうえで、3月末の自然再生
検討会で最終決定されるが、それらの検討に市民の意見を反映するために、ここ
にほぼ全文を紹介する。ご意見をお寄せ戴きたい。地元住民・利用者との懇談会
は2月8日に上北山村河合行われる。
2004年1月22日 大台ヶ原・大峰の自然を守る会
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『大台ヶ原における新しい利用のあり方メニュー(案)』
1.目指すべき「新しい利用のあり方」。
*自然とのふれあいを求めるすべての国民が豊かな自然の中で質の高い自然体
験・環境学習ができること。
*利用による自然環境の影響が自然の回復力の範囲内であり、将来にわたって
持続的な利用ができること。
*だれもが大台ヶ原の自然環境や利用方法についての情報を得られること。
*大台ヶ原の利用を通じて地域が活性化し利用者と地域との連携、協働、交流
が生まれること。
*大台ヶ原における利用対策の取り組みのノウハウやデータが蓄積され、全国
の自然公園等の自然再生モデルとして生かされること。
2.計画の進め方。
*「量の適正化」、「質の改善」を両輪として進める。
*客観的なデータ、科学的な知見を踏まえて行なう。
*地域全体での十分な議論を通じ、地域振興との両立を図る。
*持続的な利用と自然環境の保全・再生のため、適正な利用者負担のあり方に
ついても検討を進める。
*持続的な環境改善を図るため、計画・実行・検証・是正措置サイクルを順応
的に進める。
<進め方のイメージ>
かつて:登山の山 → 現在:観光の山
「量」の適正化---入込人数(台数)の適正化を図る
利用集中時の入込み減少策や区域を限定した利用調整による入込人数の適正化
を図る(人)
マイカーから低公害バスへの乗り換え等により入込車両の環境影響を緩和する
(車)
「質」の改善 新たな利用形態を誘導する
情報の提供や自然とのふれあい体験の中から利用者が自ら利用形態を変えるこ
と を誘導する(自発的)
サインの整備、利用情報の周知等によって利用形態を誘導する(規制的)
・客観的なデータ
・地域全体での議論
・順応的な進め方。
↓
第3の山:新しいワイズユースの山
両者が持続的に行なわれる状態 → 自然環境の保全・再生
質の高い自然体験・環境学習
3.大台ヶ原における新しい利用のあり方メニュー(案)の検討。
(1)マイカー規制(パーク&シャトルバスライド)。
[目 的]ピーク時における車の量の削減と、これに伴う利用の分散化を図り、
自然環境に対する一時的な過剰負荷を軽減する。
[手 法]春・夏・秋の利用の集中がみられる期間限定でドライブウエーへの
マイカー乗り入れの禁止とともにパーク&シャトルバスライドを実
施する。
[効 果]1.排ガス、騒音の軽減(低公害バスの導入促進)。
2.ピークに集中する過剰利用の解消(利用の分散化を促進、自然へ
の一時的な過剰負荷軽減)。
3.快適利用、質の高い自然体験の促進(渋滞・混雑の緩和による体
験の質的向上)。
4.利用者意識の啓発(乗換えによる非日常意識への切替、ビデオな
どによる啓発)。
[留意点]入込量、人の流れの変化は地域経済にも直結するため、規制の内容
や代替交通手段の導入など具体的検討にあたっては、他地区の先進
事例を参考にしながら、地元自治体や地域住民、関係機関と十分協
議・調整を重ねていく。
[検討項目]1.規制期間 当面はピークカットを目的に春・夏・秋の土・日・祝
日などの利用の集中がみられる期間(年間20日程度)を想定。
2.ドライブウエーへの乗り入れ禁止対象。
・マイカーの乗り入れを規制対象とし、代替シャトルバスを運行。
・基本的に低公害バスのみ運行可とするが、低公害車以外の観光バ
スやタクシーの取り扱いについては諸条件を勘案しながら低公害
車化を検討。
3.シャトルバスの運行主体。
低公害バスによるシャトルバスの運行を確保するため関係者間
の協力体制等について検討。
4.規制道路区間、パーク&バスライド駐車場。
規制道路区間およびP&R駐車場は環境保全、地元の理解、利用
者の利便性・コスト等を総合的に検討。
P&R駐車場候補地(案)の検討:いくつかの組み合わせもあり
える。 辻堂山附近造成、和佐又山残土置場、川上村白川渡。
5.管理・運営・料金徴収体制。
・協議会等体制の構築、役割分担について検討。
・諸費用は受益者(利用者)負担を原則として、山上駐車場の通
年有料化、P&R駐車場やシャトルバスの料金徴収について検討。
・関連情報についてリアルタイム情報提供のためのハード面、ソ
フト面での整備を検討。
6.1〜5の項目について、協議会の設立を念頭においた行政連絡会議
を活用して検討。
(2)より良好な森林地域の保全の強化。
[目 的]相対的にみてより良好な森林が存在する地域については、利用調整
のためのエリアを設けることで自然環境への負荷の増大を防ぐとと
もに、より質の高い自然体験を提供する。
[手 法]利用調整地区の導入を図り、利用による自然環境への影響が生じて
いる区域において一定のコントロール(公園利用者の立ち入りを認
定制とする)を行なう。
【参 考】利用調整地区について。
・根拠法:平成14年自然公園法の改正によって創設(第十五条〜二十三条)。
・地区指定:環境大臣。
・地区の基本計画、認定基準等:「利用適正化計画検討協議会(仮称)」を設
立し「利用適正化計画(仮称)」を策定。
・立入りの認定:環境大臣又は都道府県知事(指定認定機関が指定されている
場合は指定認定機関)。
・指定認定機関:認定等事務を効率的に行なうため地元の団体等を環境大臣が
指定できる。
・手数料:認定関係事務にかかる手数料は受益者(利用者)の負担とし、別途
政令によりさだめる(上限1000円/人)。
[効 果]1.区域内における利用の影響の軽減(入込みの調整)。
2.自然との深いふれあい体験(入込みの調整と質の高い自然環境の保
全)。
[留意点]指定地域の利用人数を直接制限する手法のため、制度の導入地区や認
定基準によっては地域経済とも直結。このため、具体的検討にあたっ
ては、地元自治体等関係者と十分な協議調整が必要。
[検討項目]
1.当面の検討範囲。
大台ヶ原全体で検討すべきであるが、以下の理由に当面は西大台での導
入を中心に検討を進める。
(1)東大台への設定は地域や関係者さらには利用者への影響が大きく、調
整に多くの時間を要する。
(2)利用者が少ないが、近年、鹿による植生への影響、団体客の利用など
で今のままでは自然の質が低下する恐れがあり、少なくとも現在の状
態を保全するためには効果的な対策の早期導入が不可欠。
2.区域設定、認定基準(人数、ルートなど)等の具体的検討。
・地区設定、認定基準等の検討のための体制・スケジュール等の検討。
・自然環境の保全と自然体験の両面から適正な公園利用を検討し、関係
者の合意形成を図る。
3.管理・運営体制の構築。
認定等事務の効率的運営のため地元団体等(=指定認定機関)による管
理・運営体制を構築する。
(3)総合的な利用メニューの充実。
1)登山道・自然観察路の充実。
[目 的]自然環境の保全と自然体験の両面から現在の登山道・自然観察路を見
直し、充実を図る。
[手 法]1.区域により対象とする利用者層を分けて、登山道・自然観察路およ
びサイン等の充実を図る。
2.登山道までの移動手段の確保及び登山口への移動手段の確保を検討
する(P&R駐車場を拠点とした周辺地域との連携も視野)。
[効 果]利用者層(技術、体力、知識、経験、目的等)に応じた自然体験の
場を提供。
[検討項目]1.利用者層に応じた整備計画、サイン計画の検討。
2.廃道化されたルートを含めて登山道全体の見直し。
3.登山道までの移動手段の検討。
2)キャンプ指定地の設置。
[目 的]質の高い自然体験・環境教育を提供する一手法として、豊かな自然
を間近に感じながら食事・睡眠をとることのできるキャンプ指定地
を設置する。
[手 法]キャンプ指定地を設定し予約制・有料キャンプとする。
[効 果]自然との深いふれあい体験を提供。
[検討項目]1.運営・管理体制の構築 予約受付、料金徴収、管理運営体制の整
備・充実が課題。
2.指定地の検討 規模、水の供給、ゴミの廃棄、トイレ等の条件整
理や自然公園法との関係等から総合的に検討。
3)山上駐車場の周辺の活用
[目 的]新しい利用を進めるための活動拠点、交流拠点の機能を充実させる。
[手 法]車両の入込みが限られる時など、山上駐車場の一部をイベント広場
やガイドツアーやボランティアの活動拠点として活用する。
[効 果]新しい利用のあり方を促進する拠点機能、交流機能の充実。
[検討項目]1.運営・管理体制の構築 2.活用場所、機関の検討。
4)自然解説・自然体験プログラムの充実。
[目 的]ガイドツアー等の自然解説・自然体験プログラムを充実し、質の高
い自然体験・環境教育を提供する。
[手 法]現在のボランティアガイドに加え有料メニューの導入を含めたプロ
グラムの充実を図るとともに、地域人材の発掘・育成を行う。
[効 果]1.資質の向上
2.地域人材の発掘・育成による新たな観光産業への発展。
3. 自然体験、環境学習の機会の充実。
[検討項目]1.現在のボランティアガイドによる無償プログラムと新たな有料プ
ログラムの位置付けの整理。
2.人材の発掘・育成の仕組みづくり。
5)情報提供・情報発信の充実。
[目 的]多様な情報ツールを活用した情報提供・情報発信の充実により、利
用に係る量の適正化、質の改善に資するとともに、質の高い自然体
験、環境学習の場として充実を図る。
[手 法]1.多様な情報ツールの活用を行う。
啓発手段
《事前》ホームページへの掲載、雑誌・書物への掲載、パンフレ
ット・チラシ等の配布、旅行会社への説明。
《事後》ビジターセンターの展示・掲示、シャトルバスでの解説、
サイン(案内板、解説版、注意標識等)、ガイドツアー・
自然観察会など、パンフレットチラシ等の配布。
2.利用に関して提供する情報の種類。
大台ヶ原の自然・歴史・文化の解説、規制事項などの利用ルール、
自然再生と利用のありかたについて普及啓発、天候・ルート・見
頃など利用に関する現地情報、駐車場のリアルタイム情報、代替
交通やP&R駐車場情報、地元の資源・歴史、宿泊情報等。
[検討項目]1.情報の管理(収集、整理、分析、加工、発信)の主体、手法。
2.利用の枠を越えた情報の収集・発信。
(例)大台ヶ原の自然再生に係る研究・調査データの蓄積、共有
化、発信。
6)ビジターセンターの機能の充実。
[目 的]大台ヶ原の拠点として、博物展示機能、情報提供機能、利用指導機
能、自然観察等によるイベント、教育機能を充実する。
[検討項目]
1.今後、ビジターセンターが担うべき機能の整理。
(例)利用のあり方等に関するレクチャー機能、現地での利用ルール
の徹底
(例)関連する情報の収集、発信機能
(例)利用調整地区、キヤンプ指定地の利用に関する管理拠点機能
2.機能充実のための人材の確保(人材の増員、育成)と関係機関との役割
分担
以上
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