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大台ケ原>世界遺産登録
情報提供者 : 大台ケ原・大峰の自然を守る会 提供日付  : 2004/07/28 22:32 登録経由地 : prweb情報受付 01 #00343 注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した    情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向    けにのみ提供された情報が含まれています。    また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ    のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている    場合があります。

          世 界 遺 産 登 録

                       2004年 7月1日 河内由美子

 熊野古道・大峰の奥駈道を含む紀伊山地が世界遺産に登録された。
地域性もあってマスメディアでもよく取り上げられているが、何故か私はそれら
を見たくない・・敢えて避けたいという感情が起こる。
 先日も何気にニュースを見ていると、和歌山出身のデューク何某が古道の歩き
方を観光客に伝授しているではないか・・。地元出身の時の人を呼んで宣伝、観
光客誘致・・・これが世界遺産登録・ということであるならば、ちょっと待って
よ・・と言いたくなる。

 世界遺産に登録されて様子が変わってしまった・という話は白神や屋久島・白
川郷でもあるようだ。自然遺産を損傷や破壊の脅威から守る・という本来の目的
とは違った地元の経済効果、過剰利用という人の身勝手でしかない行為に堕落し
てしまってはいないか。
 熊野や大峰の遺産登録の話を見聞きする限り、観光客誘致で、地元活性化・ば
かりが目に付く。破壊や損傷から遺産を守るという行為が過剰整備や過剰利用に
なって、信仰の道が破壊の道にならないように見守る責任が利用者にはあるので
はないだろうか。

 2002年辺りから世界遺産登録への動きをよく耳にするようになった。その年の
秋・大峰奥駈道をトンネル西口から弥山・八経ヶ岳へ登った際、弥山直下の登山
道に階段取り付けの工事が行なわれており大変驚いた。それまで何度か登ってい
たが、階段が必要と思える個所は無かった。確かに雨に浸食され水路と化したよ
うな個所があるにはあったが、そんな道も登山の楽しみだと思っている私にとっ
て、味気ない木の階段は許しがたい人工物でしかなかった。そこに階段をつける
必要がどこにあるのか・・怒りながら登る私を見て一緒に登っていた他県の知り
合いは「奈良はお金が有り余っているかね?まあ、そう怒りなさんな」と苦笑し
ていた。
 雨や雪が降れば危険と化する最悪とも云える階段だと思った。同じ大峰の前鬼
から釈迦ヶ岳への深聖の森上部にもこれと同じ階段が急斜面に取り付けられてい
るが、これはもっと身の危険を感じた。雪の載った階段はアイスバーンとなり、
四つん這いでしか下れなかった。

 百名山のお陰か、官民の意識のずれか、過剰な整備と不適切と思われる整備は、
日本の山のあちらこちらで問題になっているという。国立公園と云え同様だ。

 後日、県の担当者に階段のことを尋ねる機会があった。彼は「登山道の整備は
小屋主が苦労している。登山の精神を否定している?それなら、登山者に呼びか
けて貴女がやって下さい」と言った。馬鹿にされている気がしたが、登山をさせ
て貰っている者としてそれ以上言葉を見つけられず、悔しい思いをしたことがあ
った。あのような階段やデッキが更に奥駈道や熊野古道に取り付けられ、年寄り
や中高年でも安全に歩ける歩道として集客に一役買うようなことになれば、愚の
骨頂ではないか。

 奥駈道の主稜線に大普賢岳がある。そこへの和佐又からのルートに石の鼻辺り
からスチール製の梯子が、何箇所あるのか数えるのを忘れるくらい続き、次は小
普賢岳鞍部から大普賢岳への急峻な登りとやせ尾根を巻く二ヶ所このようなスチ
ール製の橋が取り付けられている。転落事故が後を絶たない、元々難所ではあっ
ただろうが、整備をすれば事故防止に繋がる・・・ということではない。世界遺
産に登録され、安易な登山者が増えることは避けられないような気がする。

 修験道の道に登山者や観光客が押し寄せる・・それは、信者にしてみれば許せ
ないことのように思っていたが、そうでもないようで、登録が決まった瞬間僧侶
たちは万歳三唱をしていた。
 私は凡人なので彼らの真意は理解できない。


  

[article_prweb]oodai.htm