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大台ケ原>歩道整備についての要望書と回答
情報提供者 : 大台ケ原・大峰の自然を守る会 提供日付  : 2004/07/28 22:32 登録経由地 : prweb情報受付 01 #00344 注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した    情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向    けにのみ提供された情報が含まれています。    また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ    のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている    場合があります。

                               2004年7月5日
環境省自然環境局 近畿地区自然保護事務所
 所長 亀 澤 玲 治 様
                       大台ヶ原・大峰の自然を守る会
                       会長  田 村 義 彦


       大台ヶ原周回線歩道「区間C」についての要望書


【はじめに】
 本会は大台ヶ原周回線歩道整備について1975年以来たびたび要望書等を提出して
きました。
 貴省は2003年2月の自然環境部会自然公園のあり方懇談会(第2回)において「山
岳地域における歩道のあり方」を提示しました。
 そして貴事務所に於いては、1999・2000両年に木道「空中回廊」を設置した時点
に策定していた周回線歩道整備計画の見直しを2002年から始め、利用者動向調査、
意識調査、アンケート調査、2回にわたる現地説明会などを積み重ねて2003年に大
台ヶ原周回線歩道整備基本計画が策定され、同年10月8日貴事務所に於いて「市民
の要望を95%みとめ、必要最低限度の整備しか行わない。コンクリート石段は造ら
ない。壊れている部分は大杉谷の石を運んで、セメントを使わない近自然工法を取
り入れた整備を行う。木製デッキ、休憩ベンチ、休憩所は取り止める。今後は補修
予算を使って手仕事で直せる程度の順応的整備をしていきたい。」という概要の説
明を受けました。コンクリート石段は景観、歩きにくさだけでなく、土壌のアルカ
リ化が植物に及ぼす影響が計り知れず、その意味で原生的自然の中で石積み工法が
採用された意味は大きいと言えます。
 本会は画期的な政策と高く評価し、貴省の決断に敬意を表しました。

【評価】
 この画期的な基本計画に基いて今春から整備工事が始められ、7月2日、区間C
(尾鷲辻〜正木ヶ原)の完工の日に現場を見る機会を得ました。
 個人的なことで恐縮ですが、歩道問題に関わってきた29年間の思いが現場で一気
に甦ってきて、環境省、県の画期的な方針と、それを受けた施工業者の誠実な工夫
努力、自然への配慮に対する感謝の思いから、「私達の夢の実現です」と現場の方
々に心からのお礼を申し上げました。
 しかし、原生的自然には一切手を加えるな、というのが本会の基本的な考え方で
すので、この整備についても自然への配慮に富む工法自体は高く評価する一方で、
「都市公園的整備だ」「石畳道は大台ヶ原にはそぐわない」「少なくとも現段階で
は大台ヶ原に十分相応しいとは言えない」という率直な批判が強く存在することも
事実です。私自身も、この区間はすでに基岩が出ているから整備の必要はないと主
張してきました。

 批判の意味は、区間Cが観光客を対象とした「ゾーン1」の遊歩道と規定されて
いるために歩き易さと安全に重点を置いた整備がされたので、その整備が原生的景
観にそぐわない感じを受けたということです。石畳については「工種1・石階段工」
の「登山道タイプ」ではなく「探勝歩道タイプ」で施工された部分を指します。要
約すれば、もっと普通の登山道のようにしてほしかった、ということであります。

 この度の整備を更に実りあるものにするために下記の諸点を要望します。

【要望】
(1)石材が足らなかったためか、水たたきの石が小さいところがありますが、水
  圧に耐えられる大きな石に取り替えていただきたい。
(2)石を固定するための楔の石が少ないと聞きましたので、折角の石組みを崩さ
  ないためにぜひ十分な楔の石を補強していただきたい。
(3)溝状の両側で崩壊して土が露出している部分に、周辺にある倒木を並べてい
  ただきたい。その木で土が止まり、やがて苔、笹が生えてくるかもしれません。
(4)石畳部分が平坦に過ぎて滑りやすいところは、若干凹凸のある石の配置に替
  えていただきたい。
(5)整備された歩道の最上部の地表部で、近自然工法によって水流を南側斜面
  (林野庁所管地)に流して歩道下部の水量負担の軽減を図っていただきたい。
(6)山を歩いた人は誰もが感じることですが、登りも下りも坂道での階段は疲れ
  やすく、段差のない単純な土や岩の坂道のほうが遥かに歩きやすく、生理学的
  にも膝への負担が少なくてすむことがわかっております。
   この区間だけではなく、区間Aなど他の区間においても極力規則的な階段の
  連続は少なくしていただいて、なるべく岩の配列による自然な段差のみで歩道
  を構成していただきたい。
(7)図らずもこの整備が、台風6号の300ミリの豪雨に耐えたことが立証されまし
た。しかし、この歩道は雨のたびに濁流が流れる水路ですので雨後の監視をおこた
らず、きめ細かい補修を行っていただきたい。
   近自然工法により、基盤に繋がった苔の着いた石が生かされていますが、や
  がて時を経て運び込まれた石にも苔がつき、石畳の間からも草が生え、原生的
  景観に馴染んだ歩道になることを願っております。折角の歴史的整備が壊滅的
  打撃を受けないように維持管理をお願いします。
(8)この整備の成功をもって、今後、大台ヶ原山上の練石コンクリート階段をす
  べてこの工法で作り替えていただきたい。
                                  以上

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                          事  務  連  絡
                          平成16年7月12日

大台ケ原・大峰の自然を守る会
 会長 田村義彦様
                           環境省自然保護局
                         近畿地区自然保護事務所

     大台ケ原周回線歩道区間Cについての要望書について(回答)

 日頃は吉野熊野国立公園の管理運営にご理解とご協力をいただきまして誠にあ
りがとうございます。
 さて、平成16年7月5日付けでいただきましたご意見等につきまして、下記
のとおり回答いたしますのでご理解の程よろしくお願いいたします。

                  記

 大台ケ原周回線歩道につきましては、平成14年度策定の「大台ケ原周回線歩
道整備基本計画」で、優れた自然景観の保全を図るため、必要最小限の整備をす
るとしたところです。
 今年度の工事は、環境省の施行委任工事として奈良県で施行されておりますが、
上記考え方に基づき、近自然工法の考え方も参考とするとともに、貴会等の皆様
のご意見も踏まえて設計を進めてまいりました。
 また、施行に当たりましては奈良県担当者及び業者のご協力によりまして、設
計に沿った工事が出来たものと思っています。
 いただいたご要望も参考とさせていただき、今回整備した部分については、土
が露出している部分に現地の倒木を並べるなどの補強に努めるほか、適切な維持
管理という面からきめ細かい補修を心掛けることはもちろん、今後とも大台ケ原
の優れた自然景観にふさわしい歩道整備を今回の整備の経験も活かして順次進め
ていきたいと思います。


  

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