大台ケ原>奈良県へ登山道整備事業について
情報提供者 : 大台ケ原・大峰の自然を守る会
提供日付 : 2004/10/04 14:10
登録経由地 : prweb情報受付 01 #00520
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2004年9月29日
奈良県知事
柿本 善也 殿
大台ヶ原・大峰の自然を守る会
会長 田村 義彦
奈良市紀寺地蔵町1001-1 谷幸三方
吉野熊野国立公園内で奈良県が行う登山道・施設整備事業についての要望書
記
要望事項
【I】吉野熊野国立公園において、補助事業として奈良県が行う登山道等の施設
整備事業について、事業計画を事前に公開していただきたい。
【II】 それらの施設整備事業を公開で審議する検討会を設置していただきたい。
理由
(1)奈良県は1979年に、和佐又山から大普賢岳に至る1000m足らずの岩稜に26基
の鉄梯子と4箇所の板橋を設置した。本会はそれらが不必要かつ危険であるとして
奥田良三知事に申入書を提出し、知事室において寫眞を提示した。奥田知事は「こ
のような鉄梯子を設置してまで観光客を呼ぶ必要はない。調査して危険なものは撤
去するよう指示する。」と答えた。
本会はそれ以後も、稲村ヶ岳、山上ヶ岳、国見岳、七曜岳の過剰整備を指摘した。
ところが近年、世界遺産登録をあてにしたのか、奥駈道周辺の登山道の過剰整備
が急速に進められた。曰く、聖宝の宿跡から彌山まで、釈迦ヶ岳から前鬼まで、和
佐又山から大普賢岳まで、大峰大橋からレンゲ辻を経て山上ヶ岳まで、行者還岳避
難小屋の新築などであるが、これらの整備事業を奈良県は県民に知らせることなく
行った。
(2)一方、環境省は2003年2月、『山岳地域における歩道のあり方』を明らかに
して「推進すべき利用、整備方針の明確化と合意形成の推進」を謳った。
環境省の大台ヶ原周回線歩道整備の施工委任を受けた奈良県は計画見直しのため
に、環境省の指導に基づいて自然保護団体、山岳団体、地元住民を現地に集めて説
明会を開催して意見を聴取した。勿論環境省の指示があってのことではあるが、環
境省の直轄事業について奈良県が事前に計画を公開して県民の意見を聴取した例は
我々の知る限り初めてのことである。
奈良県・環境省は更にアンケートによる利用者の意識調査、動態調査などを行っ
たが、基本計画見直しの原因になった1999・2000年施工の所謂空中回廊への反省が
全く見られないため、見直された基本計画を住民は拒否した。
そこで再度現地説明会が開催され、その結果、「住民の要望を95%取り入れた基
本計画」が策定され、今夏、その工事は地元業者の努力によって見事に完成した。
全国の国立公園行政にとって他に例を見ない画期的なことであろう。
更に、本年度(平成16年度)の整備計画についても先般三度目の現地説明会が開
催され民意が徴された。
また、「大台ヶ原地区サイン計画懇話会」が2回に亘って開催されて、サインの
撤去・整理統合・新設について論議された。
このように、環境省は「合意形成の推進」についてコペルニクス的政策転換を行
ない、その政策実現のための誠意、努力を本会は高く評価し、その指導の下に協同
歩調を取った奈良県の努力を評価する。
(3)翻って奈良県政を見るに、本会が2003年5月に「奈良県自然環境審議会への
市民参画を求める要望書」を柿本知事宛に提出し、回答を督促したにも拘わらず未
だに何の回答もない。他にも署名簿を添えた県民の要望書が窓口担当者の机の中で
1年間眠っていた実例も聞く。
いまや、中央官庁ですら各種審議会・検討会が公開で開催され、委員名・議事要
旨・議事録などが公開されるのが常識化している時に、形骸化した審議会の非公開
が常識化している奈良県政は時代錯誤の密室県政としか言い様がない。いかにも情
報公開条例を最後に作った県らしい由々しき実態である。
新しい風が吹き始めたいま、上記の様に環境省直轄事業において環境省の指導の
下に行った情報公開の経験努力を生かして、奈良県の補助事業においても県民に顔
を向けた姿勢への転換を強く期待したい。
以上
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