大台ケ原>大峰山系整備計画の公開・合意形成を
情報提供者 : 大台ケ原・大峰の自然を守る会
提供日付 : 2005/06/14 19:25
登録経由地 : prweb情報受付 02 #00038
注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した
情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向
けにのみ提供された情報が含まれています。
また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ
のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている
場合があります。
環境省「大峰山系の整備計画を公開し、
可能な限り現地説明会を開いて合意形成を図りたい」
<大峰山系環境共生推進計画 第3回懇話会>
2005年3月25日、表題の懇話会が奈良で開催された。
前回に続いて、行者還トンネル西口の「登山基地」について賛否両論が出た。村の
希望ではあるが、村にしっかりした管理方針があるわけでもない。環境省が、「ハー
ド(施設)だけではなく管理を含めて検討すべきだ」と締めくくった。環境省の判断
に期待したい。
このたびの計画は、この場所だけではなく、整備個所の一つ一つについて整備を必
要とする具体的な事情が提示されていない。第1回の懇話会で環境省から、委員の共
通認識のために映像が必要だ、と提案されたが、総論の資料に写真が入っているだけ
で、各論については実行されなかった。したがって、多くの整備個所が、行ったこと
も見たこともない委員によって計画が承認されることになった。それは無責任ではな
いかと、第2回懇話会のHPレポートにも書いたし、この日も傍聴席から発言した。
環境省は「大台ヶ原の周回線歩道整備が現地説明会(3回)を開いてうまくいった
ので、大峰においても情報を公開し、可能な限り現地説明会を開いて合意形成を図り
たい。」としめくくった。期待したい。ただ、施行委任を受ける県の登山に対する認
識に疑念があるので、注視する必要がある。
山上ヶ岳のトイレを、県は「整備必要個所」と位置づけて先送りしたが、懇話会と
して早期施行を希望することになり、県も努力すると発言した。
登山基地は仏生と栃尾辻が「今後検討が必要と考えられる個所(条件がそろえば検
討)」にランクダウンした。仏生については上北山村の代表を懇話会に呼んで意見、
事情をきくべきであった。天川村から委員が2名出ているだけではバランスに欠ける。
村の考えも現地の事情も知らない懇話会委員に計画の可否を委ねること自体無理であ
る。
★大峰山系の秘境七面山に登山道整備も「登山基地」もいらない!
県の当初の計画に、奥駈道から七面山までの1km余りの登山道を整備するとあっ
たので、前回、HPに下記のように書いた。
「奥駈道から七面山まで短いアプローチルートを整備するというが、整備の目的・
意味がわからない。近年の“マイカー登山”ブームで舟ノ川、宇無ノ川の林道に車を
置いて七面山を往復する登山者が出てきたが、その登山者にはこのアプローチルート
は要らない。七面山は大峰山系最奥の地味なピークであり、山馴れた登山者の山域で
ある。また、修験道の修行のためにも必要ないであろう。もし、登山者のために、奥
駈道からの「七面山往復ルート」を新たに開発するつもりであるとすれば、奥駈道の
自然性、神聖性を保全するために余計なことをする必要はないと言わざるを得ない。
」と。
ところが、県はそれを読んで「大台ヶ原・大峰の自然を守る会のHPに、七面山往
復ルートと書いているので、登山道を林道(篠原線)まで延ばした」とわけのわから
ないことを言った。図面も書き直した。
どういうことなのか! 私はこのルートの整備は要らないと言っているのだ!
私が所属する日本山岳会でも林道篠原線から七面山に登る例会を組んでいる。踏跡
があるので迷うことはない。七面山往復だから奥駈道までは行かない。
県は登山者が増えていると言うが、山上ケ岳の登山者「横ばい」を「増加」と偽っ
て平然としている県のことだ、ウソだろう。データがあるなら出してもらいたい。ほ
とんどの登山者は舟ノ川、宇無ノ川の林道に車を置いた「マイカー登山者」であろう。
奥駈道から七面山を通って下山しても林道に待っているのは長いアプローチなので、
いまどき、そのような行程を組む登山者はまずいない。いずれにしてもこの山域を歩
く登山者はある程度山馴れした者であろうし、「登山道の整備」など全く必要ない。
第1回、第2回懇話会の図面に七面山までしかルートの記載がなければ「往復ルー
ト」と受け止めるのはごく当然のことではないのか。それを、私がHPに「往復ルー
トと書いたので林道まで延長した」とはどういうことなのか! 私のせいにして、登
山道を延長したいのか。想像を絶する卑劣さだ。繰り返すが、私は延ばせと言ってい
るのではなく、整備は要らないと言っているのだ!
県は登山道を「核心ルート・重点配慮ルート」、「主要アプローチルート・重点配
慮ルート」、「アプローチルート」の5分類をして「整備の考え方」を決めている。
この七面山ルートは「アプローチルート」に規定されて「基本的に新たな整備を行わ
ない。」となっているのも拘わらず、第3回懇話会で公表した「平成18年度以降に整
備を検討する事業」のリストには「七面山歩道」として歩道を整備し、標識を設置し、
「駐車場・休憩所・公衆トイレ」を建設すると立派に記載されている。これでは「登
山基地」ではないか!しかし、図面には記載されていないので委員は気付かず、論議
にもならなかった。
上述の5分類にしても、一応定義づけはあるが、全て最後に「補修等に努める」と
なっている。要するに「補修」名目でどこでも整備をするということで、何の歯止め
にもなっていない。奥駈道にしても「基本的には現状保存」とあるのが白々しい。「
配慮」というのも自然に対する配慮ではなく、既設の施設に対する配慮であることに
驚く。一言でいえば整備をしたいのである。
県は第1回懇話会で業者の絡みで整備計画の公開をかたくなに拒んだが、そのあと、
環境省が直轄事業として行うことになったので、掌を返したように18年以降の整備計
画までも開示した。環境省に対する県の希望の開陳である。みっともない。しかもそ
れを見透かされているにも拘わらず、開示の理由を本会常任委員の「谷委員が尋ねた
から」と他人のせいにした。録音テープをチェックしたが、事業費を尋ねたことはあ
るが事業内容などを尋ねたことはない。責任回避は役人の本性であろうが、すべてを
自然保護団体のせいにする姑息なやりかたには哀れをもよおす。
しかし、今となれば県の思惑などどうでもよい。環境省の冷静な調査、判断を期待
したい。大峰山系で最も登山者の少ないこのエリアに「登山基地」は勿論、登山道の
整備など全く必要ない。かつては、大峰山系の秘境と言われた最奥の地を、王子製紙
の皆伐で荒らされたとはいえこのままそっとして置いてほしいと願う。
懇話会の最後に、委員の提案によって、「懇話会として過剰整備を望まない」こと
が全員一致で確認されたことがせめてもの救いである。
2005年3月26日 田村 義彦
【追記】 事実に反する奈良県の説明
平成17年3月28日奈良県農林部森林保全課発表のHPで下記のように説明している。
「本懇話会は国立公園内の計画であるため、前回までの資料では、歩道自体が麓の
車道や林道に繋がっていても、国立公園の範囲内の歩道のみを資料に表現していた。
しかし、それでは歩道自体が途中で切れてしまっているという誤解を生じることから、
麓の登山口まで歩道の表現を延長しただけのことで、延長したところに整備を実施す
る意図はない。」
(1)ところが、弥山への弥山川ルート・陣ノ峯ルート、釈迦ヶ岳への旭川ルートは
「前回までの資料」に「国立公園の範囲」外まで「表現」されていて、上記説明は事
実に反する。
(2)しかも、問題の七面山ルートは登山口まで全ルート「国立公園の範囲内」であ
り、上記説明は完全に事実に反する。
(3)更に、第3回懇話会で配布した「大峰山系環境共生推進計画(案)」の「事業
実施計画」「平成18年度以降に整備を検討する事業」の中で、「No.14 七面山歩道
・・・歩道・標識」、「No.15七面山歩道・・・駐車場・休憩所・公衆トイレ」と登
山基地の建設計画を自ら明記しているではないか。上記説明はウソである。それとも
「検討」はするが「整備」はしないとでも言うつもりか。
県は「延長しただけのこと」という捨て台詞でしてやったりと思っているのかもし
れないが、全くのウソでは逆効果である。世間では、このような言い訳を“盗人猛々
しい”という。
因みに3月29日に当会常任委員会で久しぶりに現地を見てきたが、林道殿野篠原線
、林道篠原線(王子製紙林道)の荒れた不安定な状況をみれば、マイカー登山者が急
増するとは到底考えられない。歩道の整備も「登山基地」の建設も全く不必要である。
環境省はこの計画を却下してもらいたい。
マイカーを利用した“インスタント登山時代”に、白川又谷をのぼり、舟ノ川をく
だる大峰山系横断の3日間の山行を残しておいてもらいたい。七面山はそのような登
山の根源的喜びに触れることのできる、ひなびた名山であることを忘れないでほしい。
2005年4月1日 田村 義彦
|