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GEN>黄土316>塩害地
情報提供者 : 緑の地球ネットワーク 提供日付  : 2005/06/29 23:27 登録経由地 : prweb情報受付 02 #00076 注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した    情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向    けにのみ提供された情報が含まれています。    また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ    のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている    場合があります。

 中国山西省大同市の黄土高原の農村での緑化協力活動のなかでの体験を
 書きつづっています。不定期の発行です。
 バックナンバーを緑の地球ネットワークのWebページにおいています。

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  黄土高原だより(NO.316)
     (2005.06.29)
            高見 邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)

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 塩害地

 大同を出発し、途中で桑干河を渡り、
 渾源にいたる道です。
 1992年1月に、はじめて車で走って、
 その後、何度となく、通ってきました。
 ことしの春は、ちょっと驚きました。

 桑干河のすこし北側が、
 この一帯では、いちばん低いところです。
 大同県に属します。
 海抜が、1000mを、わずかに切ります。
 なんとなく、湿った感じで、
 ところどころに、水たまりがある。
 考古学者によると、10万年前、
 大同盆地は、1つの大きな湖だったそうです。
 「大同湖」。
 その後、だんだん乾燥して、湖は、干上がってしまった。
 そのいちばん深いところが、このあたりだったのでしょう。

 そこがいま、塩害地なのです。
 乾燥する、春の季節は、土の表面が、白くなります。
 雨が降ると、溶けて、目にはみえなくなる。
 ことしの春は、ことのほか、それが白かったんです。
 まるで、雪が、薄く積もったよう。
 といっても、純白ではありませんで、
 なんとなく、茶色がかっている。
 車を止めて、写真に撮ることにしました。
 土の表面に、厚さ5mmくらいの、白い層ができています。

 塩といっても、塩化ナトリウムではありません。
 カルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどの
 炭酸塩が主体です。
 なめてみると、塩辛くはなく、
 渋いような、いやな感じが、口に残ります。
 アルカリが、きついんです。
 以前に、土のペーハーをはかると、
 10を、超えていました。

 そのような物質が、一帯の土には、
 もともと、たくさん含まれています。
 それが溶け込んだ水が、地形の低い、ここに集り、
 水は蒸発し、塩が地表に残ります。
 蒸発皿の、底のようなものです。
 
 塩害が、ここまでひどいと、
 作物はおろか、たいていの植物が育ちません。
 道路わきには、ヤナギが植えられます。
 ポプラより、塩害につよいということで。
 しかし、何度植えても、活着し、育つことはありません。
 塩害につよいといって、ギョリュウ(タマリスク)が、
 植えられたこともあります。
 いつのまにか、これも、なくなってしまった。

 それでも、芽生えてくる草は、あります。
 強いものが、あるんですね。
 ところが、ここはウシやウマ、その他の家畜の
 放牧地になっていて、伸びるまもなく、食べられてしまう。
 放牧がなかったら、それなりに草地になる可能性も、
 捨てきれないと、思うのですけど。

 何年かまえ、さる大学の一行を、案内しました。
 すると、若い先生が、学生たちに、
 「土地利用に、問題がある」と、解説しました。
 そのときは、夏の雨のあとで、
 塩の堆積が、みえなかったんですね。
 広々とした、平坦な土地で、
 水の条件も、よさそうに、みえますからね。
 黄土丘陵の痩せ地に、ムリをして段々畑をつくりながら、
 こんないい土地を、なぜ遊ばせている! というわけです。
 そーっと、耳打ちしました。
 「ここは塩害地ですよ」と。

 大同の塩害地は、たいていは、自然の地形が、
 つくりだすようです。
 私たちの拠点の、環境林センターでも、
 南東のコーナーの、いちばん低いところは、
 最初から、塩害がひどかったのです。
 ことしの春は、ここも、とくに白くなりました。
 なんとか、したいんですけど、
 でも、ここがいちばん低くて、
 敷地の外に、水を出すこともできない。
 
 灌漑農業によって、農地に水をまくと、
 毛細管現象によって、地中の塩分を誘い出し、
 地表に、堆積させるようです。
 人工的な、塩害ですね。
 中国でも、華北平原などで、広く問題になっています。
 こうなると、作物栽培に、深刻に影響します。
 古代の文明の多くが、その後、崩壊した原因に、
 この塩害があったといわれます。
 土地の塩化も、沙漠化の、大きな原因なんですね。

 大同周辺の塩害地、広大な面積ですから、
 なにか使い道はないものでしょうか?
 そうだ、墓地を造成して、売り出したらいい!
 高速道路開通で、北京から3時間です。
 塩漬けで、来世での再生にもつごうがいい!
 それを、売り文句にしたらいいじゃないかと、私がいうと、
 友人に、笑われましたよ。
 いつまでも、腐らなかったら、キョンシになるというのが、
 中国の考え方です、といって。
 お金にからむことは、私には不向きなようです。
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 くわしくはGEN事務所までお問い合わせください。

 ★税制上の優遇をうける認定NPO法人になりました★
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