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情報提供者 : 緑の地球ネットワーク
提供日付 : 2005/07/12 22:37
登録経由地 : prweb情報受付 02 #00114
注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した
情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向
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また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ
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場合があります。
中国山西省大同市の黄土高原の農村での緑化協力活動のなかでの体験を
書きつづっています。不定期の発行です。
バックナンバーを緑の地球ネットワークのWebページにおいています。
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黄土高原だより(NO.318)
(2005.07.12)
高見 邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)
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雨期整地
むずかしい条件下での植林ですから、
中国の乾燥地には、いろいろな技術が、蓄積されています。
「雨期整地」も、そのひとつ。
大同の年間降水量は、平均400mmですが、
その3分の2が、6〜9月に降ります。
その他の季節は、ほとんど降りません。
雨期と乾期が、はっきりしています。
樹木の苗を、植栽するのは、
3月末から、4月にかけてです。
11月から2月までは、月平均気温が氷点下で、
土壌も、凍結します。
カチンカチンに凍っていて、スコップの刃も立たない。
3月になると、徐々に気温が上がり、
地表から、だんだんと、凍結が融けていきます。
深さ30〜40cmの、植え穴が掘れるようになるのは、3月末からです。
中国では、3月12日が植樹節ですが、
北緯40度で、海抜が最低で1000mという大同では、
1か月遅れです。
4月も後半になりますと、気温が上昇し、
苗木の芽が、動きはじめます。
芽が動きはじめてから、苗を動かしたのでは、
活着率が、下がります。
休眠しているあいだに、植えるのが、鉄則です。
4月後半になると、農作業も忙しくなりますから、
そうなる前に、植栽をすますのが、いいわけです。
植栽の適期は、短いのです。
植えるための整地作業は、前年のうちにすませます。
いまみたように、植栽の適期は短いのに、
植林の面積は大きいので、
効率よく植えるためには、事前に整地しておく必要があります。
大同でよくみかける整地の方式は、3つあります。
1つは水平溝方式。
黄土丘陵の斜面に、等高線に沿って、
幅40cm×深さ20cmほどの、溝を掘ります。
溝のなかの土は、さらに深さ20cmほど、
耕起して、やわらげておきます。
そうすることで、植栽作業がスムーズに、はかどります。
そして掘った土で、溝の下手に、
幅40cm×高さ20cmほどの、土手を盛りあげます。
そうすると、溝と土手とで、高さ40cmほどの、
土の壁ができますね。
マツの苗は、この壁に沿わせて、植えるわけです。
溝と溝との間隔は、だいたい3mです。
そこに1m間隔で、マツの小苗を植えます。
すると、1haあたり3300本になります。
日本でいうところの、「坪植え」です。
この水平溝方式は、傾斜が比較的ゆるやかで、
表土に厚さがあり、
労働力も、それなりに確保できるところで、実施します。
第2の方式は、魚鱗坑。
こちらは、傾斜が比較的きつく、表土が薄くて、
労働力の確保もむずかしい、といった条件で、採用します。
斜面に直径40〜80cmほどの穴を掘り、
穴の下手に、土を盛りあげて、
水を蓄えるようにするわけです。
山地で、石が多く出てくるばあいは、
その石も、穴の下手に積み上げます。
ときには、その石を、石灰で、白く塗ったりする。
そのかたちが、魚のウロコのようにみえるので、
魚鱗坑というわけですね。
第3の方式は、比較的平らな土地に、
果樹や、ポプラなどを植えるときに、採用します。
幅20cm、高さ20cmくらいの、小さな土手で、
2m四方くらいに、土地を区切り、
そのなかに、苗木を植えていきます。
名前は、なんといったかな?
地形その他に応じて、異なる方式をとりますが、
基本の考えは、いっしょです。
林野庁OBの、棟方鋼男さんからきいたのですが、
日本の林業の世界でも、
「水を止めるな、走らすな」というのだそうです。
大雨が降ったときの水を、
一か所にためないで、ゆっくり流れるように
コントロールするわけです。
黄土高原の夏の雨は、局所集中的な
豪雨になることが、多いのです。
狭い範囲ですけれども、1時間70mmといった雨を、
なんどか私も、体験したことがあります。
しかし、その雨は、長時間にわたることはなく、
総量は、たいしたことはない。
だから、水が止まることは気にしなくていい。
むしろ、水をそこに止めて、地中に浸透させたい。
水を暴走させないことだけを、考えればいいんです。
水が暴走するのは、まとまるからです。
そのさいに、土壌浸食を引き起こします。
それを水土流失といい、黄土高原の沙漠化の原因になります。
小面積ずつ区切って、水を分裂させておけば、
たやすくコントロールできます。
分裂統治といえば、政治の世界にも共通する話ですね。
いろんな整地のやりかたは、そのような目的によるものです。
この作業は、7〜9月の雨期に実施するのが、最良です。
耕す前の黄土は、カチンカチンに固まっていて、
スコップの刃も立たないくらいです。
雨で、湿っていると、その作業がずっとたやすい。
それから、このように整地しておくと、
雨期の雨は、整地されたところで、地中に浸透します。
そして、9月になると、気温が低下し、
蒸発量も、抑えられます。
11月になると、気温は氷点下になり、
土中の水分は、凍結して、蒸発することがありません。
そして、翌春、気温の上昇にしたがって、
徐々に融け、苗木に水分をもたらすわけです。
黄土高原では、春の雨はとくに少なく、
農民は「春の雨は油より貴重だ」というくらい。
しかし、降ったとしても、この時期の降水量はわずかなもので、
苗木を育てるのには、とうてい足りません。
それを補っているのが、この凍結水です。
雨期整地というのは、理に適ったやりかたで、
これをやるか、やらないかで、活着率に大きなちがいがでます。
あすからまた中国です。
ホットな話題を提供できるでしょうが、
気候のほうは、ホットになってほしくありません。
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