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情報提供者 : 緑の地球ネットワーク
提供日付 : 2005/07/28 16:47
登録経由地 : prweb情報受付 02 #00161
注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した
情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向
けにのみ提供された情報が含まれています。
また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ
のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている
場合があります。
中国山西省大同市の黄土高原の農村での緑化協力活動のなかでの体験を
書きつづっています。不定期の発行です。
バックナンバーを緑の地球ネットワークのWebページにおいています。
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黄土高原だより(NO.321)
(2005.07.28)
高見 邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)
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自然体
黄土高原での、緑化協力にかかわってから、
私の性格は、ずいぶん変わったと、自分で思います。
ひとことでいえば、力が抜けてきた。
中国語でいえば、「放松(鬆)」といったところでしょう。
加齢による部分もあるでしょうけど、それだけでもない。
ここでの緑化は、ほんとうにむずかしいのです。
この夏も、大同にいますが、
雨の降る時期が、遅れました。
5月の雨には、恵まれたので、
ことしの春、植えた苗の、初期の活着率は、
とてもよかったのです。
大部分のプロジェクトで、80%を超えていました。
ところが、6月になって雨がなく、しかも高温でした。
枯れてしまったものも、少なくなかったのです。
そういう条件のもとで、仕事がいいかげんになったら、
生きる苗も、生きません。
育つ苗も、育ちません。
やるべきことは、ちゃんとやらないといけないので、
そういうときは、私も一生懸命です。
中国側のスタッフ、関係者と、
激しく、ケンカすることもあります。
最近は、少なくなりましたけど。
でも、自然相手のしごとは、天候その他に、左右されます。
天命を待たないと、なにごとも成功しません。
力んでいると、すぐに疲れます。
成功にむけての、願望や努力は、もちろん必要ですが、
あまり強すぎると、よけいな軋轢をつくります。
ここ2年ほどは、すっかりさぼっていますが、
私はずーっと、ビデオカメラを、回していました。
2001年の光景が、忘れられません。
100年に1度といわれる旱魃で、
夏になっても、山は茶色のままでした。
乾燥に強い雑草まで、枯れてしまった。
畑の作物も、壊滅状態です。
雨が降らないので、作付けをあきらめた畑が、
市の耕地の、3分の1以上になりました。
種を蒔いたところも、育ちません。
植えたもののうち、1割も育っていない畑を、
一生懸命、中耕している老人がいました。
私がカメラをむけると、手を休めて、
話をしてくれました。
ことしの雨はどうですか?ときくと、
ニコニコ笑って、両手を振り回しながら、
「いやあ、まったく降らない。
この年になるまで、
こんなことはまったくなかった」と話します。
まるで、孫のジマン話でも、しているよう。
ファインダーを覗きつつ、私は考えます。
「ああ、まただ。
こんな場面を撮っても、作品に使えるわけがない」。
何回も、何回も、ムダを繰り返して、
やっと無口な人をみつけ、
ホッとしたものです。
私は、村を回って、老人たちの話をきくのが、すきです。
老人たちは、みな、ごっつい手をしています。
まるでグローブのように、大きくて、黒い。
野良仕事で、つくりあげた手です。
その人たちが、村のできごとや、家族のことを、
淡々と、話してくれる。
よかったこと、ひどかったこと、
ほんとに、自然に、話してくれます。
そのなかには、私のことを「姓高的日本孩子」
(「高」という姓の日本のこども)なんて、
呼んでくれる、老人もいるんですよ。
大同では、多くの人が、いまでも、
私は、姓が「高」で、下の名は「健」、「建」と
思っていますからね。
「見」と、「健」「建」は、発音が同じです。
まあ、相手は、80歳を超した、村の長老ですから、
60歳前の、私は、たしかにこどもでしょう。
やるべきときは、やらないといけないんですけど、
多くを望んでも、しかたがないし、
悪いことが、あったばあいに、
それを悲しみすぎても、しかたがないんですね。
たんたんと、生きていくしか、ありません。
そういう生きかたが、多少、
私にも、感染してきたのかもしれません。
人とつきあうばあいも、自分をよくみせようという思いは、
なくなるわけではありませんけど、ずいぶんと薄くなった。
どうせなら、長いつきあいを、したいわけです。
メッキをつけたところで、やがては、はげる。
それだったら、いいところも、悪いところも、
最初からみてもらって、それでもかまわないなら、
受け入れてもらえれば、ありがたいです。
実体以上に、評価されたいと考えたら、
緊張したり、あがったりすることも、あるでしょう。
えらい人と会ったり、人前で話したりするときも、
そういうことが、なくなった。
あるがままの自分を、さらけだすことが、
少しずつ、できてきたのかもしれない。
自分が、力を抜くことを覚えると、
それで、みえてくることも、あるようです。
こんなふうにいうと、ずいぶん丸くなったと、
思われるかもしれませんが、
かならずしも、そうではありません。
際限のない議論を、やたらふっかけたり、
幼いころからの、反骨は、どこまでいっても、なおらない。
それで、どれだけ、損をしていることか。
そういう自分の、ややこしい性格を含めて、
「自然体」といったところでしょうか。
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