大台ケ原>2005年度大台ヶ原現地説明会開催
情報提供者 : 大台ケ原・大峰の自然を守る会
提供日付 : 2005/08/26 23:54
登録経由地 : prweb情報受付 02 #00239
注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した
情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向
けにのみ提供された情報が含まれています。
また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ
のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている
場合があります。
2005年度大台ヶ原現地説明会開催
2005年6月28日に大台ヶ原ビジターセンターにおいて、「平成17年度大台ヶ原周
回線歩道・標識整備、筏場大台ヶ原歩道整備の現地説明会」という課題を並べた長
い表題の現地説明会が開かれ、地元自治体、自然保護団体、山岳会などから多数参
加した。
【1】「平成17年度大台ヶ原公共標識整備事業」
2003年12月と2004年2月に、「大台ヶ原地区サイン計画懇話会」で論議した標識
が、「一体的な整理(不要標識の撤去・統一デザイン)、利用者の安全確保、利用
マナー啓発」を目的として、いよいよ本年度に設置されることになった。本会は懇
話会で、不要標識の撤去・統一デザインに賛同するが、数をもう少し減らせるので
はないかと提案したが受け入れられなかった。
記載の中に「ペットの持ち込みはご遠慮ください」となっているが、禁止にでき
ないのか提案したが、「環境省の管理計画が禁止ではなく指導になっているから」
という説明であった。自然公園法に明確な禁止規定がなく、ペット愛好団体の働き
かけ、外来動物とのからみもあって、環境省は強い姿勢を出せずにいるが、野生動
物保護の観点から善処を望みたい。
本会は7月11日、下記の要望書を環境省へ提出した。
◆大台ヶ原のペット持ち込みについて
先般、平成17年6月28日の大台ヶ原現地説明会で、貴省から、公園計画では
ペット持ち込みは禁止ではなく指導であるとの説明を得ました。因みに日光国立公
園・尾瀬では禁止されていて各自然保護事務所で対応が異なっていることは承知致
しております。
一方、西大台の「大台ヶ原における利用適正化計画に向けた骨格的考え方(案)」
では、「生きた動植物の持ち込み」は「禁止行為」と規定されています。勿論まだ
案の段階ですが、利用調整地区にとっては必須条件でありましょう。その利用調整
地区と東大台を単純に同一視することは難しいとは思いますが、将来を見通した環
境省の姿勢の整合性の視点から、ご検討を改めて要望致します。 以上
「キャンプ禁止・たき火禁止」は記載されているが、「コンロの使用禁止」は削
除された。「大台ヶ原自然再生推進計画」にはキャンプ指定地を設置することが予
定されているが、そのときにはこの記載は当然訂正されなければならない。
標識は地元木材を防腐剤を使用せず焼き付け磨き処理したものを使用し、設置に
セメントを使用せず、地中で十字クロスにして簡易に維持補修できる設計にしてい
る。
しかし、今回残された標識も多く、その中には間違っているものがある。懇話会
で先送りされた「解説標識」の内容の検討を環境省は「今年度早期に開始する」と
のことである。本会は何度も要望書を提出し、『自然保護ニュース』に詳述してき
ただけに期待したい。
【2】「大台ヶ原周回線歩道整備事業」
(1)区間I(アイ) にロープ柵設置
2002年に大蛇クラ一帯の民有地がようやく買い上げになり、大蛇グラ分岐から大
蛇グラまでを「区間I」として歩道脇にロープ柵を設置することになった。路面は
現状のまま。
説明会参加者全員で現地に行き、意見を述べた。当初の計画では、4区間に設置
することになっていたが、ロープ柵がない個所は逆に歩道外に出ても良いと思わせ
る可能性があるので、全面的に連続して設置することになった。
複線化されている歩道は原則として本道1本に戻す。中揚谷側の絶壁上部に、危
険性を知らないままトイレルートが何本も出来ているのでロープで規制する。
昨年設置された区間C・G・Dのロープ柵用の丸太杭を固定したコンクリートが
地面の露出しているので、I区間ではコンクリートを使わずに、現地砂積め、付き
固めとする。杭もロープも細くする。
(2) 区間E-2の水路工補修
本会HP、要望書などで何度も指摘したように、昨年の豪雨で崩れた水路では小
さな石を並べただけであったが、ようやく大きな石を縦方向に土中に埋め込むこと
になった。昨年工区Cで実施された技法である。
水路の傾斜を歩道の石段に平行に作り、そこで水勢を削いで段差で落とすという
工夫は、工区Cにはない長い水路だけに理解できるが、図面の留め石の下の水叩き
石が小さいのが気になる。小さい石は落下する水勢に負ける。むしろ留め石並みの
大きさが必要ではないか。
工事説明に、水路の中の「留めとなっている大きな石が現状で流失しているため、
新たに設置する。」とあるが、「大きな石」であれば流失しなかったはずで、小さ
かったから流失したのである。簡単にいえば、傾斜水路に小さな石を並べただけで
あったから当然のこととして流失したのである。したがって、工区Cのように大き
な石を縦に埋め込めば、豪雨に耐えるであろうと期待したい。また、水路を歩道の
階段から20cm下げるのは、階段が雨水に洗われることが減って有効であろう。
ただ、長い水路の途中に排水溝が2本あるが細くて落ち葉が詰まって機能してい
ない。この排水溝を大きくして排水すれば長い水路の負担が減るのではないか、と
提案したが、県は何故か関心を示さなかった。
この水路工補修工事が成功すれば、周回線歩道整備はほぼ満点に近い出来上がり
になる。
【3】 「平成17年度筏場・大台ヶ原線歩道整備事業」---本年度工事中止
昨年春、銀嶺水のすぐ上の桟道が落ちた(『「通行禁止」の筏場道を入之波まで
歩く』)。そして、昨年の豪雨でその三つ上の橋が落ちて視界から消えた(『通行
止めの筏場道を登る』)。更に、大台辻の下の、以前から傾いていた橋も落ちたよ
うだ。それらの復旧工事の現場写真、設計図が配布されたが、やや確認に欠ける内
容であった。
現地説明会の翌日、環境省・県は現地調査を行った。その結果大台辻のすぐ下の
1号個所とその下の2号個所は架橋の基礎としての岩盤が得られず、本年度は工事
を中止することが環境省によって決定された。18年度以降に改めて検討すること
になった。
それを受けて、本会は7月11日に下記の要望書を環境省へ提出した。
◆大台ヶ原筏場線歩道整備について
平成17年7月5日付事務連絡拝受致しました。ご主旨了解致しましたが、貴連
絡文書の若干の誤りの指摘と本会の要望を申し上げます。
貴連絡文書の「1」.2行目に「鋼製吊橋」とありますが、「鋼製吊橋」は2号
個所であって、ここ1号個所は「H桁鋼橋」ではないでしょうか。
従いまして、「鋼鉄吊橋の鉄柱の基礎として想定していた岩盤が想定以上に深い
ことが判明した」とあるのは貴連絡文書「2」の、2号個所の説明ではないでしょ
うか。
1、1号個所で落橋した桟橋は相当以前に谷川に傾いて通行不能になり、以来、登
山者は橋と山側の隙間を通っていました。その山側の岩盤に鎖を設置し、足場を整
理すれば、新たに橋を設置しなくても充分通過出来るのではないかと考えます。
2、2号個所については、落橋後の2005年5月22日に現場を登った本会会員
の体験によれば、谷の下部は極めて急峻であるが、上部は浅くて傾斜も緩やかで、
問題なく渡ることができましたので、この捲き道開設のご検討を要望致します。
貴省の添付資料の「2号個所の谷の上部」(手前に測量用の赤白ポールが写ってい
る)の写真からも谷の上部の様子がうかがえますが、捲き道開設は充分可能である
と考えます。吊橋のための岩盤を求めて、結果として長大な吊橋になることは古道
の雰囲気を損ねることになります。
3、銀嶺水上部の落橋跡は、現在、山側斜面のトラバースルートを安全に通過でき
るので新たな整備
を考えていないとする貴省・奈良県のご判断を支持致します。
以上
現在、安心橋の架け替え工事は完成した。歴史的古道・筏場道が、大台ヶ原では
避け難い雨の日でも登れるようになることを期待したい。
西大台が利用調整地区に指定されて、定員予約制有料地域になり、キャンプ指定
地が作られ、大台ヶ原が再び山として復権することを祈りたい。
【4】 大峰山系整備説明会の出欠について
すでに、本HPに何度も書いたように、昨年「大峰山系環境共生推進計画」が策
定された。 本年度は、イ.洞川自然研究路整備、ロ.弥山山頂公衆トイレ整備、ハ.
前鬼橡ノ鼻線歩道、ニ.金峰神社前公衆トイレの整備が行われるが、環境省から、
「個々の整備事業について現地説明会をしたいが出席できるか、もし不可能な場合
は山麓でスライドを使って説明をしたい」と参加者に問いかけられた。
本会は、「環境省が現場で市民の意見を徴する積極的姿勢を多とするので、可能
な限り参加したい」と答えた。行政に対して情報公開、市民の意見の反映を求めて
おきながら現地に行かないというのは無責任である。役人に汗を流せと要求するの
であれば、市民は汗も血も流さなければならない。
とりあえず、洞川自然研究路整備については2005年7月7日(木)午後1時から、
天川村・洞川エコミユージアムで開催される。行きやすい場所でもあるので、たく
さんの市民が参加されるように期待したい。弥山、前鬼は未定である。
2005年7月7日 田村 義彦
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