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情報提供者 : 緑の地球ネットワーク
提供日付 : 2005/10/11 23:12
登録経由地 : prweb情報受付 02 #00359
注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した
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また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ
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中国山西省大同市の黄土高原の農村での緑化協力活動のなかでの体験を
書きつづっています。不定期の発行です。
バックナンバーを緑の地球ネットワークのWebページにおいています。
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黄土高原だより(NO.331)
(2005.10.11)
高見 邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)
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ニンジンボクのふしぎ
いまから6年ほどまえ、北京の西北の郊外、妙峰山にある
北京林業大学の、教学実験林場を訪れたとき、
さかんに花を咲かせている、灌木がありました。
名前を尋ねると、「荊条」とのこと。
図鑑で調べると、荊条は
Vitex negundo L.var.heterophylla(Franch.)Rehd.です。
その母種に
Vitex negundo L.var.cannabifolia(Sieb.et Zucc.)Hand.-Mazz.があり、
中国名は、牡荊。
和名は、「ニンジンボク」だそうです。
分布域をみると、牡荊は、中国でも比較的南のほうが多く、
日本にも、あるそう。
荊条のほうは、中国の南方にもありますが、
北のほうが、分布の中心で、
北京のものは、やはり荊条でしょう。
でも、ここでは、ニンジンボクのなかま、
横着して、ニンジンボクとしておきます。
日本の分類では、クマツヅラ科ハマゴウ属に、属します。
植物というのは、自分で名前を調べると、
急に、親しみがわきます。
どれほど目にしても、それまで、意識にかからなかったのに、
とたんに、目を引くようになります。
北京−大同を、昼間の列車で走ると、
この灌木が、万里の長城の、八達嶺あたりに
たくさんあることが、わかりました。
自然に生えているだけでなく、
人工的にも、植えられたようです。
なんのことはない、それから、私たちの
霊丘自然植物園にも、たくさん生えていました。
ここのものは、みな自生です。
しばらく前までは、ヒツジやヤギの放牧がありましたが、
それらの家畜も、このニンジンボクは食べなかった。
地元の技術者は、「毒がある」といいます。
駆虫剤、つまり、お腹のなかの寄生虫を下すのに、
つかっていた、というのです。
立花先生によると、これをいぶすと、蚊遣(かやり)になるそう。
道草になりますが、私の自宅は宝塚市山本にあり、
植木屋さんに囲まれています。
つい先日、園芸ショップのなかに、
「斑入り(ふいり)ニンジンボク」の鉢が、出品され、
けっこうな値段が、ついていました。
関心をもつと、そんなものにも、
目を引きつけられるようになります。
話を戻します。
毒がある、というのは、意味があります。
ニンジンボクをふやすことによって、
ほかの樹木に、虫がつくのを、
減らすことが、できるかもしれません。
植物図鑑によると、そのほかに、
芳香油をとったり、鎮静鎮痛薬としても、使えるそう。
しかも、寒さと乾燥につよくて、痩せ地に耐えます。
なかなか魅力的な、樹種に思えてきました。
この地方の緑化では、喬木が可能なところは喬木、
灌木が適するところは灌木、
草が適するところは草、というふうに、
柔軟に考える必要があります。
その組み合わせが、重要でしょう。
ところが、灌木だって、この地方に自生するものは、
そう多くはありません。
私たちは、最初、ヤナギハグミ(沙棘)に注目し、
たくさん苗を育てて、植えてきました。
これについては、以前に書きましたね。
ところが、1999年、2001年の大旱魃時に、
かなり弱ってしまいました。
そこに、毛虫が大発生し、葉を食べつくしました。
しかも、春と、秋の、2回。
枯れるものも、でてきてしまったのです。
それに比して、強いのが、マメ科の、ムレスズメ(檸条)です。
ほかの灌木や雑草が、旱魃のために、枯れてしまっても、
まったくダメージが、感じられません。
たくさんの実をつけ、しかもよく充実しています。
その結果、いまでは、どのプロジェクトでも、
ムレスズメ一辺倒です。
こうなると、これがまた心配なんですね。
ところで、あのニンジンボク。
北京あたりでは、重視されてきたようなのに、
大同では、つかわれているようすがない。
そして、霊丘県には、あれほどたくさんあるのに、
大同の北部の県では、まったくみかけません。
霊丘県のすぐ北の、広霊県でも、
私は行くたびに、さがしているんですけど、みつかりません。
私たちの拠点の、環境林センターの見本園に、
何本か、植えてみました。
ここは大同の北部ですけど、問題なく育ちました。
ちゃんと、越冬もします。
昨年から、ことしにかけて、
環境林センターと、新しく建設中の白登苗圃で、
育苗にとりくみました。
種を蒔くだけで、そのあとは、事実上、放置してますけど、
よく育っています。
ことしの夏になって、
北部の陽高県の、大泉山村で、
このニンジンボクを、何本か、みつけました。
村の党支部書記によると、
「多くはない。
しかし、少なくもない」とのこと。
もともと、村にはなかったものを、
外から、導入したのだそうです。
この村は、毛沢東によって、
水土流失防止と、緑化のモデルにされたところで、
こういうことも、試みられたのでしょう。
それらの周囲に、小苗が生えていないか、
さがしてみたんですけど、みつかりませんでした。
それにしても、植物の分布の境界って、
どうなってるんでしょう。
霊丘南部には、あれほどたくさん生えているニンジンボクが、
すぐ北の広霊県で、まったくみつからない。
ピタッと、なくなる。
なんとか、これを、北部の県にも、広げてみたいのです。
ことし、育てた苗を、来春には、
実験林場「カササギの森」に、植えてみることにします。
種の直播きも、試みます。
広がっていってくれると、うれしいんですけど。
こういうことを書くと、結果がでてから書けばいい、
といわれるかもしれませんけど、
天然更新まで、確認できるのは、どんなに早くても、
5年や10年は、かかるでしょう。
1種類でも、根付かせるというのは、そういうことでしょう。
こうやって、はっきり言明しておかないことには、
途中で、気持ちが、くじけるかもしれません。
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