SK基金>諫早湾『自然の権利』訴訟 現地検証 11/15
情報提供者 : 「自然の権利」基金
提供日付 : 2005/10/14 12:54
登録経由地 : prweb情報受付 02 #00369
注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した
情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向
けにのみ提供された情報が含まれています。
また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ
のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている
場合があります。
{1}呼びかけ文
諫早湾「自然の権利」訴訟
1997年4月14日、3,550ヘクタールにも及ぶ広大は干潟が、一瞬のうちに締め
切られ破壊されました。
私たちは、長崎県諫早湾の干潟干拓事業に反対し、事業への県の負担金の返
還・支出差し止めなどを求め、住民訴訟を2000年10月に起こしました。県民の
ほかに、諫早湾のムツゴロウ・ハマシギ・ズグロカモメなども原告となってい
ます。
広大な干潟には、高度な水質浄化作用があり、多くの生き物がくらしていま
した。それを餌とする渡り鳥の世界的にも重要な中継地でもあります。そして、
湾岸一帯の人々の生活文化の支えでもありました。
国や県は、この干潟全域を干拓すべく工事を進めています。彼らが主張する
防災効果や農地利用計画には科学的根拠がありません。国民の税金を投入し進
める事業は、費用に対する効果が最大限になるように努力をするのは当然です。
しかし、そうなされているとは言い難いのが現状です。裁判では自然破壊が違
法である、税金の無駄使いである公共工事は違法であるとも主張しています。
私たちは、5年にわたる裁判を通して、裁判官に公正な判断を求めて来まし
た。そして今回の現地検証が最大で最後のヤマ場となります。現地検証は丸一
日をかけて行われます。検証は、裁判官が諫早の現場までやってきて深刻な自
然破壊の実態や著しい無駄遣いの実態を明らかにする手続きです。
現地検証には、裁判官に現地を説明する学者や弁護士の交通費など多額の費
用がかかります。諫早弁護団は10人の弁護士で構成されています。当日は弁護
士たちが手分けして裁判所に説明を行います。また、当日ばかりでなく事前の
準備も必要です。現在「自然の権利」基金では100万円を目標にカンパを募っ
ています。ぜひみなさまのご支援をお願いいたします。
「自然の権利」基金
事務局長 弁護士 籠橋隆明
〒451-0031 名古屋市西区城西1-12-12
パークサイドビル3階
TEL 052-528-1562 FAX 052-528-1561
shizennokenri@green-justice.com
http://homepage3.nifty.com/sizennokenri/
【郵便振替】 01070−6−31179 「自然の権利」基金
{2}記者会見説明文
記者会見用
諫早湾「自然の権利」訴訟 検証
検証 11月15日
1. 諫早湾「自然の権利」訴訟
諫早湾「自然の権利」訴訟は諫早湾やムツゴロウを原告とした訴訟です。す
でに第1訴訟の判決が出て、請求が棄却されて確定しています。今回は第2訴訟
ということになります。
第1訴訟は環境権を基本にした民事差し止め訴訟ですが、第2訴訟は地方自治
法上の住民訴訟です。いずれも諫早湾、ムツゴロウなど自然物を原告としてい
ること、「自然の権利」という考え方を展開している点で共通しています。
2. 住民訴訟
1) 住民訴訟というのは地方自治法242条の2に基づく裁判で、地方自治体の財
務会計上の行為に違法がある場合には、その自治体住民なら誰でも裁判によっ
て是正できるという制度です。この場合の財務会計上の行為は長崎県による干
拓事業のための支出行為です。
2) 本件では長崎県知事が被告となっています。
これは長崎県知事が県を代表して干拓事業費負担金を支出する行為するた
め、裁判所が知事に対して支出を禁止する命令を出すよう裁判で求めることに
なるからです。ですから、将来の支出については長崎県知事を被告として差し
止めを求めることになります。
3) 本件では長崎県知事個人も被告となっています。
これは、過去の支出分については違法な支出ですから誰かが賠償しなけれ
ば成りません。その場合に知事が違法な支出の責任者ですから個人的に賠償の
責めを受けるわけです。そこで、過去の支出分については知事個人に対して長
崎県に返還するよう求めています。
4) 本件では国も被告になっています。
国営諫早干拓事業は国の事業です。違法な事業計画のために長崎県は強制
的に支出をさせられたわけですから、長崎県は国に対して支出分だけ損害賠償
請求権を持ちます。そこで、国に対しては長崎県に県支出分賠償するよう求め
ています。
3. 土地改良法上の違法について
1) 土地改良法*
土地改良法は「当該土地改良事業のすべての効用がそのすべての費用をつ
ぐなうこと。」を事業実施の要件としています。つまり、費用便益のバランス
が崩れて、便益の割に著しく費用がかか
る場合を土地改良法は違法としています。
2) 本件違法性
{1} 本件では作物生産効果、災害防止効果、国土造成効果の3点を争ってい
ます。
{2} 作物生産効果については、長崎県の生産実績をもとに生産量を推定すべ
きであると主張しています。
{3} 災害防止効果についてについては、次の問題点を指摘しています。
本件では諫早大水害級の洪水と伊勢湾台風級の高潮が同時に襲来しても
耐えられる施設であるとして、設計されています。災害防止効果は伊勢
湾台風級の高潮が襲来した場合に生じるであろう被害を予想し、その被
害が防止された場合の効果を算出しています。すなわち、潮受け堤防に
よって高潮被害を防止できるため、災害被害相当額が災害防止効果とし
ています。
しかし、この災害防止効果にはいくつかの問題点があります。
(ア) 高潮によって全ての堤防がくずれるとしていますが、海岸法によっ
て整備された堤防が高潮によって崩れることは過去例がありません。
(イ) 高潮によって、背後地の全ての施設、建物、道路、田畑、などが破
壊されるとしていますが、そのようなことはありません。
(ウ) 河川堤防についても全部が崩れるという前提ですが、そのようなこ
とはありません。
4. 自然破壊について
裁判では自然破壊の違法も主張しています。諫早干潟の浄化能力を下水道
建設費で換算して、その費用を費用対効果の中で換算するべきであるという主
張しています。
5. 今回の検証について
今回の検証は干拓現場、干拓背後地を検証します。本件では干拓事業による
自然破壊の規模を裁判所にアピールします。
また、背後地をまわり、高潮によって全壊することはないことを明らかにし
ます。コース予定は別紙(9/15付裁判所提出の「意見書」)の通りです。
★{3}現地検証でのコース*裁判所提出の書面
平成12年(行ウ)第7号
原告 原田敬一郎 外21名
被告 国・長崎県知事
意見書
長崎地方裁判所 御中
2005年(平成17年)9月15日
原告ら代理人
弁護士 籠橋隆明
同 原 章夫
同 塩塚節夫
同 梅本國和
同 関口佳織
同 高橋邦明
同 久連山陽子
同 望月晶子
同 塩谷久仁子
同 福田寿男
記
原告が求める検証場所は以下の通りである。
1. 諫早市肥前長田駅周辺(JR長崎本線)
1) 本地点は被告の主張によると伊勢湾台風級の高潮により、被告が被害量
100%であると想定する箇所を区域である。国道、駅その他の公共施設、
住宅地の様子など全壊するというのは非現実的であり、相応の被害率を
計算するべきである。本件地域を検証することにより、被害率100%とい
うのが非現実的であることを明らかにする。
2) 検分の対象
{1} 国道207号線
{2} JR長田駅
{3} 老人保健施設ケアクローバー(諫早市長田町2547)
{4} 諫早農協たまねぎ出荷場(諫早市長田2441)
{5} JR長田駅周辺住宅
2. 諫早市小野町地区
1) 被告は住家なども全壊箇所があるという。そこで、被告が被害量100%
であると想定する箇所を検証することにより被告の算出が非現実的で合
理性のないものであることを立証する。なお、本件区域には駅や小学校、
線路が存在する。
2) 検分の対象
{1} 島原鉄道小野本町駅及びその線路
{2} 小野小学校(諫早市宗方町365)
{3} 粕谷製網株式会社(諫早市川内町485)
{4} 九州松下電器長崎工場(諫早市宗方町)
{5} 正法寺(諫早市小野島町)
3. 長崎県立諫早東高校付近(森山町森山杉谷名317)
1) 被告が100%の被害量であるとする公共施設である。被告の算定がいか
に非現実的であるかを明らかにする。
2) 検分の対象
{1} 長崎県立諫早東高校付近
{2} 高校周辺の住宅
4. 中央干拓地背後地大開排水樋門(被告共通)
1) 趣旨
本件区域は干拓地域全体を見渡すことができ、本件事業の規模の大きさ
を理解することができる。自然破壊の深刻さを明らかにする。また、農
地、クリークなどが100%被害を被ることの非現実性を明らかにする。
また、旧堤防は長く改修が放置されてきたものであるが、海岸法に基づ
いて整備された堤防であるため、高潮で100%破壊されることはない。
2) 検分の対象
{1} 干拓地
{2} 背後地の農地、クリークなど
{3} 旧堤防
5. 白原公民館前(諫早市白原町1754-1)
1) 趣旨
本地点は高台にあり、諫早湾が一望できる。本件干拓事業の規模の大き
さ、大規模な自然破壊、著しい浪費の程度を明らかにする。
2) 検分の対象
本件地点に立ち、諫早湾を一望すると共に、本明川などの流れなどにつ
いても説明する。
6. 中央干拓試験ほ場
被告申出の場所。原告らは不要と考えている。
7. 長崎県諫早干拓堤防管理事務所;北部排水門
管理棟(被告共通)
1) 趣旨
管理事務所入り口付近にて堤防内外の海を検分する。自然破壊の実態、
海洋汚染の実態を明らかにする。
2) 検分の対象
{1} 調整池
{2} 諫早湾
8. 潮受堤防西側外側の干潟周辺(長崎県北高来
郡高来町水ノ浦名周辺)
1) 趣旨
本地点は潮受堤防の外側にあり、残された干潟にはかつて諫早干潟に生
息していた生物を見ることができ、干潟の浄化能力の片鱗を伺うことが
できる。また、被告の主張によると潮受け堤防の外側にあるにもかかわ
らずこの地点が災害防止効果のある地点とされているという問題がある。
2) 検分の対象
{1} 長崎県北高来郡高来町水ノ浦先干潟
{2} 水ノ浦公民館
以上
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