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GEN>黄土332>呉城村のアンズ(3)
情報提供者 : 緑の地球ネットワーク 提供日付  : 2005/10/17 18:56 登録経由地 : prweb情報受付 02 #00377 注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した    情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向    けにのみ提供された情報が含まれています。    また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ    のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている    場合があります。

  中国山西省大同市の黄土高原の農村での緑化協力活動のなかでの体験を
 書きつづっています。不定期の発行です。
 バックナンバーを緑の地球ネットワークのWebページにおいています。

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  黄土高原だより(NO.332)
     (2005.10.17)
            高見 邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)

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  呉城村のアンズ(3)

 渾源県呉城郷呉城村の<アンズについて、
 ことし4月に、2回、書きました(NO.302、303)。
 じつは、JICAと北京林業管理幹部学院とですすめる
 日中林業生態研修センターから求められ、
 私たちの緑化協力事業の経験をまとめたなかの、
 一節におさめたものです。
 現在、中国語に翻訳中で、ウエブページにおかれるほか、
 紙の報告書にも、なるそうです。
 今回は、そのつづき。
 呉城村のアンズが、みごとに成功していることを、紹介したあと、
 NO.302の末尾に、私は、つぎのように書きました。

 残っている最大の問題は、開花・結果後の
 遅霜と凍害である。
 この村での開花時期は4月15日から10日間ほどだが、
 その後に気温が氷点下に下がると、
 幼果はみな落ち、収穫はゼロになる。
 最初の収穫を期待された1997年にそのような状況に陥ったし、
 最近では2002年がそうだった。
 ホルモン処理によって、開花時期を遅らせる研究がなされているようだが、
 この村では実施していない。

 豊作の年のアンズ収入は、
 その他の作物の豊作年の3年分以上に匹敵する。
 最近では2003年、2004年が豊作だった。
 3年以上連続して落果する可能性は低いので、
 アンズ栽培の優越性は揺るがない。
 (引用ここまで)

 ここに書いたのは、呉城村の当支部書記、
 王迎才からの、聞き取りをもとにしたものです。
 4月初めに聞いて、書きました。
 その後、じつは、最悪の事態を、迎えてしまいました。
 いま引用したレポートでは、開花し、結果したあと、
 気温が氷点下に下がると、被害がでる、としていますが、
 開花まえであっても、ツボミがふくらんだあと、
 きびしい寒さがやってくると、
 雌しべが影響を受け、結実に、影響するようです。
 4月中旬に、そのような被害が、まずでました。

 そのあと、5月3日になって、
 氷点下3度まで、気温が下がりました。
 幼果がついて、いちばん敏感な時期です。
 人間でいえば、妊娠初期にでも、たとえられるでしょうか。
 すべての実が落ち、収穫は、基本的に、ゼロになりました。
 
 王迎才書記も、ことしの春の段階では、まだ余裕があったんですよ。
 豊作の年の、アンズによる収入は、
 その他の作物の、豊作年の収入の、3年分に相当するし、
 アンズが、3年つづけて落果することはないし、
 その他の作物も、しょっちゅう旱魃で減収になるから、
 アンズ栽培の優位は、揺るがない、ということでした。

 客観的、かつ冷静にみれば、それは、そうなんですね。
 そして、豊作の年のアンズ収入を、しっかり蓄えておけば、
 凶作の年にも、うろたえることはない、ということでしょう。

 理屈としては、そのとおりなんですけど、
 実際は、そうはいかないわけです。
 王迎才本人も、問題をかかえていました。
 彼のむすこは、成都の、西南交通大学に、進学しています。
 アンズによる、収入の向上がなかったら、
 考えもしなかったことでしょう。
 都会の大学に、こどもを進学させようと思ったら、
 毎年1万元前後も、費用がかかりますから、
 貧困地域の、農家にとっては、たいへんな負担です。
 でも、貧乏の味は、自分たちが、いちばんよく知っているから、
 条件があれば、なんとしてでも、こどもは、そこから脱出させたい。
 王迎才も、そのようにしたんですね。
 昨年は、アンズの収入があったから、
 学費その他の送金に、問題はなかった。

 ところが、ことしは、アンズがまったくだめで、
 収入が、ガクッと減ってしまった。
 ほんとに、困りきった顔をしていました。
 これまでとは、一転して、元気がなかったのです。
 アンズ栽培にかぎっても、これまでも、なんどもなんども、
 試練にあい、それを乗り越えてきてるんですよ。
 でも、今回の問題は、
 これまでとは、ちょっと性格が変わってきているように、
 私には、感じられました。

 そして、私に、たのむんですね。
 日本に、アンズの、開花時期を遅らせる、
 方法がないだろうか、と。
 中国でも、そのような研究がすすめられ、
 ホルモン剤が、あるのだそうです。
 以前に、それを試したことがあるけど、
 アンズにたいしては、期待しただけの効果は、なかったそう。

 アンズは、バラ科の植物で、サクラとも近縁です。
 これらの植物の、開花時期を決めるのは、
 冬からの、積算温度のようです。
 一定の気温になったら、パッと咲く、というのではなく、
 毎日の気温を加算したものが、
 ある数値にたっしたら、開花するようですね。
 となると、いまのように、温暖化がすすみ、
 暖冬がつづくようになると、
 開花時期は、当然、早まります。

 そのまま、一直線に、暖かくなれば、問題はないんですけど、
 ことしのように、5月にはいってからも、
 氷点下になる可能性が、あるわけです。
 そうすると、大きな被害を、受けることになる。
 今後も、このような問題はつづきますから、
 なにかいい方法を、ご存じのかたは、
 ぜひ、教えてください。
 少しでも、可能性のあることなら、なんでもけっこうです。
 いろいろ、試してみたいのです。
 試してみる方法があるうちは、
 前向きの気持ちを、失わないですみます。
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