GEN>黄土342>衛星画像のなかの大同
情報提供者 : 緑の地球ネットワーク
提供日付 : 2006/01/05 16:02
登録経由地 : prweb情報受付 02 #00625
注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した
情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向
けにのみ提供された情報が含まれています。
また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ
のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている
場合があります。
中国山西省大同市の黄土高原の農村での緑化協力活動のなかでの体験を
書きつづっています。不定期の発行です。
バックナンバーを緑の地球ネットワークのWebページにおいています。
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黄土高原だより(NO.342)
(2006.01.05)
高見 邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)
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衛星画像のなかの大同
昨年の10月、パソコンに、Google Earthを
ダウンロードしました。
大阪府立大学の、前中久行さんに、教えてもらいました。
人工衛星からの、画像ソフトです。
北京などの、人口密集地、政治、経済、その他の、重要地点は、
解像度が、かなり高くて、
天安門広場や、故宮のあたりは、
自動車はもちろん、人影も、わかるくらい。
中国共産党中央と、中国国務院の所在地、中南海は、
北京市の地図でも、空白みたいなものなのに、
建物の1つ1つまで、くっきりとみえる。
とても失礼なことかもしれませんけど……。
年末年始の休みで、時間に余裕がありましたから、
手元の地図を、対照しながら、
大同のあたりを、じっくり観察しました。
このクラスの地方都市や、農村になると、
解像度は、グーッと落ちて、
市街地でも、大きな公園なんかが、
ああ、あそこだなと、判別できる程度。
それでも、鉄道や道路をたどったり、緯度・経度をたよりにして、
大同市傘下の、7つの県の、県城(県政府所在地)を
特定することはできますし、
山脈や、河川、ダムなどのようすを、知ることもできます。
画像ですから、縮尺に、意味はありませんけど、
私のノートパソコンの、13.3インチのディスプレーで表示して、
5万分の1くらいまでは、鮮明です。
これくらいの精度の地図は、これまで、入手できませんでした。
私のようなシロウトには、地形のようすが、
地図以上に、感覚的にわかって、おもしろい。
いちばんの印象は、以前から、よく私が話してきた、
「お皿の構造」が、くっきりとわかることです。
大同は、とにかく、山が多いんです。
それから黄土の丘陵と、盆地、
その3つの要素で、成り立っています。
盆地が、お皿の底で、山や丘陵が、お皿のふちです。
現場では、それほど感じませんでしたが、
衛星画像でみると、山で浸食された、土や砂礫が、
谷筋を通って、流れだし、
盆地にむかって、扇状に広がっているようすが、よくわかります。
そして、浸食の範囲の広さに、驚かされます。
現場でみえるのは、あたりまえのことながら、目にみえる範囲です。
ところが、衛星画像でみると、山という山、
丘陵という丘陵に、浸食が及んでいます。
現場でみる以上に、生々しい。
その結果、山や丘陵は、だんだん土が失われ、
水も、そこに、とどまりません。
絶対的に、貧しくなるわけです。
それにたいして、盆地は、流れてきた土が、堆積します。
水も、地表水が、集まるだけでなく、
地下水も、盆地の地下に、集まります。
土と水とが、人間活動のキャパシティを決めますから、
盆地は、相対的に、豊かになるわけです。
山の中腹や、丘陵まで、人手で耕され、
段々畑になっていることも、みてとれます。
黄土高原の上空を、飛行機で飛ぶと、
山という山、丘陵という丘陵に、等高線が、はいっています。
段々畑の畦が、等高線のように、みえるんですね。
人工衛星からの、画像でも、それが、くっくりとみえます。
山のずっと奥まで、人の活動のあとがあることに、
改めて、驚かされます。
最初にみたとき、もう1つ、印象的だったのは、
標高の低いところが、茶色っぽいのに、
山の高いところの、緑が濃いことです。
草木の緑だろうと、考えました。
けっこう緑が回復してきてるんだなと、うれしくなったんです。
今回の通信の主題を、そこに置こうと、最初は考えました。
正月に、ふさわしい話題でしょ。
きっかけは、大同から東北に、20kmあまりのところが、
ほかの場所とは、色が、変わっていたからです。
遇駕山のあたり。
ここは1985年に、大規模な植林が、なされたところです。
面積は、930haほどで、主体となっているのはアブラマツ(油松)。
一部に、モンゴリマツ(樟子松)が、混じっています。
いまの標準は、1ha3300本ですが、当時はもっと密植ですから、
300万本は、超えているでしょう。
大同事務所の技術顧問、侯喜さんが、若いころ、
このプロジェクトの建設に、タッチしました。
平均で3〜4m、大きなものは、5m以上に育っています。
その緑が、人工衛星からも、みえるんですね。
ついでにいいますと、この遇駕山から、東南の方向に、
いくつもの、火山があります。
大同火山群といって、専門家のあいだでは、
世界的に、有名なのだそうです。
私たちの、ワーキングツアーに、参加した人のなかには、
そのなかの1つ、金山寺の麓で、植樹した人がいるはずです。
現場でみると、赤黒い、溶岩の固まりでしかありませんが、
衛星画像でみると、火口のかたちが、はっきりみえます。
ものごとを正確に知るには、すぐそばでみるだけでなく、
距離をおいてみることも、必要なようです。
ところが、山が緑にみえるのは、必ずしも、草木ではないよう。
というのは、この地方の山で、草が茂り、木が育つのは、
ふつうは、北がわの日陰斜面(陰坡)です。
南むきの、日向斜面(陽坡)は、乾燥がひどい、
その他の理由で、植物は、育ちにくいのです。
ところが、この衛星画像をみると、
全体的な傾向として、南斜面のほうが、緑が濃く、みえます。
でも、しつこく画像をみているうちに、
谷のはずのところが、尾根に、
尾根のはずのところが、谷に、ひっくりかえって、みえてきました。
困ったな。
もう、このくらいでやめておきましょう。
山が緑にみえるのは、どういう理由があるのでしょう?
理由をご存じのかたは、教えてください。
なお、Google Earth は、簡単にダウンロードできます。
私が、使ったのは、無料のもの。
いまのところ、サービスがあるのは、Windows版だけで、
Macintosh版も準備中だと、ありました。
古い機種だと、使えないものもあるそう。
大同市の範囲は、北緯39度02分〜40度43分、
東経112度34分〜114度34分です。
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GEN自然と親しむ会 樹形と冬芽の観察会
2006年1月29日(日)10時30分〜14時30分
大阪府立花の文化園(河内長野市高向)
講師は前中久行さん(大阪府立大学教授・緑地植物学)
参加費は一般500円、中学生以下200円
研修室を借りていますので、寒くても大丈夫です。
申込み締め切りは1月25日。くわしくはGENまで。
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