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GEN>黄土346>采涼山のマツ
情報提供者 : 緑の地球ネットワーク 提供日付  : 2006/02/03 23:26 登録経由地 : prweb情報受付 02 #00714 注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した    情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向    けにのみ提供された情報が含まれています。    また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ    のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている    場合があります。

  中国山西省大同市の黄土高原の農村での緑化協力活動のなかでの体験を
 書きつづっています。不定期の発行です。
 バックナンバーを緑の地球ネットワークのWebページにおいています。

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  黄土高原だより(NO.346)
     (2006.02.03)
            高見 邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)

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  采涼山のマツ

 采涼山は、大同市北部の山で、
 新栄区、大同県、陽高県の、区県境いになっています。
 最高峰は、2145m。
 日本にもってくれば、高山ですが、大同は、盆地の底でも1000mですので、
 そう高くは、感じません。

 北側の斜面は、50年代から、植林が取り組まれ、
 カラマツの、りっぱな林場になっています。
 なんども触れているように、このような乾燥地では、
 北側の、日陰斜面(中国語で陰坡)で、植物はよく育ち、
 日向斜面(陽坡)は、むずかしいのです。
 北側の植林は、すでに終わっており、
 このところの課題は、より困難な、南面の植林です。

 私たちが、采涼山プロジェクトと呼んでいるのは、
 この山の、南がわのふもとに建設中の、マツの造林地です。
 大同の市街地から、東北東に25kmほどのところで、
 大同−張家口の道路と、京包線の鉄道に接しています。
 私たちの実験林場「カササギの森」の入り口、といえば、
 ツアーに参加されたみなさんは、すぐおわかりでしょう。
 2000年春に植えたマツを、みてもらっています。

 ここのマツは、等高線に沿って、3mおきに、水平溝と土手をつくり、
 溝の底に、1m間隔で、植えました。
 ですから、1haに、3300本の計算になります。
 日本ふうにいえば、1坪に1本の、坪植えです。
 植えた苗木は、2〜3年生の、小苗です。
 地上部は、せいぜい15cmほどで、草のように頼りなく、
 ツアー参加者からは、
 「こんな苗で、ほんとにだいじょうぶですか?」と
 何度も、念を押されます。
 
 2005年8月、大同事務所のメンバーといっしょに、
 ここで生育調査をしました。
 遠田宏顧問が、その結果を整理してくださったので、
 それにもとづいて、報告いたします。

 隣りあった2列を選び、それぞれ100本、合計200本の、
 過去5年間の、主幹の伸長量を測りました。
 ごぞんじのように、マツは、1年に1節ずつ伸びます。
 過去の年の伸長量も、簡単に測れるわけです。

 200本のうち、枯れて、なくなっていたのは36本で、全体の18.0%。
 それから、生育障害樹が10本、5.0%あります。
 その大部分は、幹の先端が枯れてしまったもので、
 枝の1本が幹に替わって、復活する可能性があります。
 しかし、生育は、ずっと遅れるでしょう。

 残りの154本をみると、
 樹高の平均は94.6cmで、
 最大のものは150cm台。
 最小のものは40cm台でした。
 小さいもののなかには、最初に植えたものが枯れ、
 補植されたものも、含まれているでしょうが、
 そこまで細かくは、調査していません。

 比較のために、2004年のものをみると、
 樹高の平均は、65.8cm。
 最大のものは100cm台。
 最小のものは20cm台。
 マツが、縦に大きくなるのは、大同では4月下旬から、
 7月初めにかけてです。
 ですから、2005年春の、ツアー参加者がみたのは、この数字のものです。

 そのあとの数か月で、平均で28.8cmも伸び、
 もっとも伸びのいいものは、50cmも伸びたことになります。
 遠田先生は、私たちの会報「緑の地球」1月号に、
 年々の伸長量が、急速に増え、
 加速度的に、大きくなるようすを、グラフで示されています。
 でも、文字では、なかなか表現しにくい。
 平均の伸長量だけ、書いておきましょう。
 00年5.1cm、01年6.9cm、02年11.3cm、03年16.7cm、04年21.3cm、05年28.8cm。

 現場での印象は、もっと強烈です。
 樹木は、主幹だけでなく、枝も伸びます。
 現場で、私が、それを具体的に示しながら、
 「いまは、みなさんが、みているとおりですが、
 ことしの春までは、こんなにちっちゃかった。
 来年の夏にきてもらうと、これくらいに育っているでしょう」といって、
 ひとまわり大きな姿を、空に手で描きます。
 そうすると、東北電力総連の、1人の参加者が、
 「風船がふくらむようすを、イメージすればいいんですね」といいました。
 まさに、そのとおり。
 倍々で、緑は濃くなります。

 この采涼山プロジェクトは、大同県聚楽郷と協力して、実施しました。
 数年をかけて、およそ250haに植えました。
 マツだけでなく、ヤナギハグミ(沙棘)や、
 ムレスズメ(檸条)と、混植しました。

 このプロジェクトがうまくいったのは、人の要素が大きかったと思います。
 とくに、リーダーです。
 プロジェクトの2年目に、張春が、郷の党書記に就任しました。
 ものすごく、緑化に、熱心な男です。
 いつも外にでて、陣頭指揮をとり、まっ黒に、日焼けしていました。
 県政府での、デスクワークに戻るよういわれて、それを断ったことがあります。
 緑化の模範として、全国規模の表彰を、受けたことがあります。
 中国には、「緑化3分管理7分」という言い方がありますが、
 彼はいつも、「緑化1分管理9分」といっていました。
 でも、去年から彼は、県の水務局長になりました。

 大同は、北京の水源であり、風砂の吹き出し口です。
 ここの緑化は、中国にとって、戦略的な重要性があります。
 緑化関係の、全国や、全省の会議が、毎年のように、大同で開催されます。
 采涼山の緑化プロジェクトでは、そのたびに現場見学会が開かれます。
 カササギの森までの道路が、いつも整備されているのは、そのおかげです。
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 2006 春の黄土高原ワーキングツアー参加者募集!
 日程:2006年3月25日−4月1日 訪問先:中国山西省大同市
 費用:一般175,000円、学生165,000円(関西空港発着の場合)
 定員:30名 申込み締め切り:2006年2月15日
 詳しくは緑の地球ネットワークまでお問い合わせください。

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