prweb_logo スポンサー1スポンサー2
スポンサー募集について
この団体の提供情報一覧 この情報の提供団体について prwebについて
たんぽぽ>横須賀への原子力空母配備について
情報提供者 : NO NUKES PLAZA たんぽぽ舎 提供日付  : 2006/02/09 21:13 登録経由地 : prweb情報受付 02 #00736 注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した    情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向    けにのみ提供された情報が含まれています。    また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ    のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている    場合があります。

たんぽぽ舎です。【TMM:No300】

「よせあつめ新聞」(読み合わせ会員限定配付資料)No292の
〔今月の原発〕―山崎久隆さんの解説です。
 
 皆様のご参考になれば幸いです。      転送歓迎です。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

□□□■■■□□□■■■□□□■■■□□□■■■
 東京湾に原子炉常駐
 横須賀に空母ジョージ・ワシントン母港化の動き
□□□■■■□□□■■■□□□■■■□□□■■■

 米国は2005年10月28日に米海軍横須賀基地を母港とする通常動力型
空母キティホークの後継として、2008会計年度より横須賀基地にニミッツ
級の原子力空母を配備すると発表した。それもJ・トーマス・シーファー駐日
米国大使の声明としてである。
 何年も前からキティホークの後継艦は原子力空母になる可能性が高いとして、
横須賀基地を監視している市民団体はもちろんのこと、地元の横須賀市や神奈
川県も原子力空母の母港化は反対と明確な姿勢を取ってきたにもかかわらず、
その前日まで日米両国政府は「決定したわけではない」と、何の情報も開示せ
ず、突如として「決定した」との声明となって既成事実化しようとしたのであ
る。
 この声明では触れていなかったが、後にこの空母はニミッツ級空母の6番艦
「CVN73 ジョージ・ワシントン」であることが明らかとなった。
 配備される艦はニミッツ級と呼ばれる、米国海軍主力空母群の一隻で、この
クラスは9番艦の「ロナルド・レーガン」まで実戦配備され、10番艦の
「ジョージ・H・W・ブッシュ」が建造中である。
 ジョージ・ワシントンを配備することになった経緯については、同じクラス
の空母「ドワイト・D・アイゼンハワーやセオドア・ルーズベルトやハリー・
S・トルーマンでは敗戦の記憶を呼び覚ます」ので避けたなどと、どうでもよ
い理由付けがされているが、もっと重要な、なぜ強い反対のある原子力艦の配
備を避けなかったのか、2008年時で配備可能な通常動力艦「ジョン・F・
ケネディ」があるにもかかわらず、それを選択しなかった理由が説明されてい
ないのだ。
 すでに市民団体や各政党は昨年より「原子力空母の横須賀母港計画反対」の
署名活動を繰り広げ、昨年3月で30万を超える署名を横須賀市長と神奈川県
知事に提出している。(現在では既に50万を超えている)横須賀市長はもち
ろん、周辺自治体も神奈川県知事も反対を表明してきた。それに対するこの決
定である。

       日本政府は何処に向いているのか

 日本に住む市民の権利については、当の日本政府よりも米国の政府・議会の
ほうが正当な認識を持っているようである。
 米国会計検査院は、この原子力空母の極東配備について経済的にも大きな負
担を招く割りにはメリットは小さいとする報告書を出している。98年の報告
書『通常型空母と原子力空母 対費用効果』によれば「原子力空母は通常型空
母に比べて、修理期間が長く、前方展開できる期間がむしろ短い。緊急展開の
スピードは、燃料補給の必要性がないから原子力が速いと言われてきたが、随
伴艦まで原子力ではないから機動部隊全体では同じで、洋上補給能力が向上し
ているので結局大差なし。通常型空母と原子力空母は軍事的に優劣はないが、
原子力空母はコストが高くかつ危険である」などとしている。
 米国の軍事予算上の問題などは、別に日本に住む我々の知ったことではない
が、『海軍航空母艦ジョン・F・ケネディの退役提案 議会の論点と選択肢』
と題する2005年1月14日付で公表された米議会調査局の報告書に極めて
重要な言及部分がある。それによれば「地元の自治体や市民団体などが強く反
対するため、日本政府としても受け入れることは出来ないであろう」という。
 つまり、米国議会調査局のほうが日本政府よりも「住民や自治体の意向」に
敏感だというわけだ。
 実際はどうであったかと言えば、既に水面下で原子力空母配備通告を受けて
いた日本政府は、わざわざ地元自治体の「説得」を買って出て「アジア太平洋
地域の安定のためには、有意義な配備である」との声明さえ出している。懸念
のひと言もないのだ。
 一体どこの国の政府なのか、目を疑うとはこのことであろう。

      「浮かぶチェルノブイリ」または「東京に原子炉」

 ニミッツ級空母が搭載する原子炉は2基で、28万馬力の軸出力を持つ。
 しかし詳細な性能などは軍事機密として一切公表されていない。そのため、
文献によって様々な表現がされているが、2基合わせて概ね熱出力100万キ
ロワット(90〜120万)電気出力換算では約35万キロワット程度と見れ
ば、同34万キロワットの美浜原発1号機に匹敵する。
 この原子炉の構造的な弱点を、一般の原発と比較してみる。
 まず航空母艦という狭い船体の中に設置するため、原子炉そのものが小型に
ならざるを得ず、炉心設計に安全余裕が少ない。そのため一般の原発はウラン
235の濃度が4%程度の燃料を使うが、軍用動力炉の場合は90%を超える。
最近は25%程度の燃料を積んだものがあるようだが、今回のものはどれに当
たるかは全く不明である。さらに、緊急時に放射性物質を封じ込める格納容器
が不十分である。運転中は動く船体と共にあるわけだから、炉心や周辺の安全
保護設備が常に振動や衝撃にさらされる。船である以上、海難事故により原子
炉や安全保護設備が破壊される可能性がある。また、起動したら一年あまり定
格出力で運転するのが通常の原発と異なり、寄港や作戦等の都合で頻繁に出力
調整をしなければならないため、不測の事態を引き起こす確率が上がる。そし
て軍艦である宿命として、核ミサイルや高性能火薬や航空機燃料など爆発・火
災を起こす物質と同居しなければならず、さらに交戦すれば攻撃されることに
よる炉の破壊や安全保護設備の破損も起こる。
 これだけの悪条件を持ちながら、日本の原発であれば必須である法令で定め
られた安全審査や情報開示も日本には一切権限がない。
 この国は日本の近くで事故か戦闘か、いずれにせよ大破し放射能を垂れ流し、
大量の犠牲者を抱えた空母の緊急帰港を、そのときだけ拒否するつもりなのだ
ろうか。そのときには空母乗務員の家族は横須賀基地や池子住宅に何千人も住
んでいることになるのだが。

       過去にされている事故の評価分析

 横須賀基地で原子力艦船の原子炉事故が起きればどうなるか。既に1988
年に、当時米カリフォルニア大学教授だったジャクソン・デイビス氏に日本の
市民団体が分析を依頼している。その結果、約7万7千人が急性放射線障害や
後遺障害で死亡するとの結果が出ている。
 この「日本の港に停泊した軍艦における核事故」(デイビス・リポート)は
原子力艦の原子炉が火災で4時間にわたって燃えた場合を想定している。つま
り全損でさえないのである。
 原発ならばその仕組みや安全保護系などの基本的な部分は公表されているし、
核燃料などの内蔵している放射性物質は計算可能であり、これまで米国、日本
など世界で事故解析を行ってきた歴史もある。しかしニミッツ級空母や原潜の
原子炉事故は情報が不足しているために限定的にならざるを得ない。デービス
レポートも「公的な調査にゆだねるまでは、軍艦推進用原子炉事故の可能性は
計算不可能である」としている。だからこそ「原子力艦の寄港を受け入れるこ
とは、日本の国民にとって計算不可能なリスクを受け入れることに等しい」と
いう結論が出されているのである。
 横須賀基地というのは、東京湾の入り口にあることを、東京圏に住む人々は
どうやら認識さえしていないのではないだろうか。この地域の3000万人に
とって、関東大震災や東京直下地震さえしのぐような未曾有の被害を与える危
機が迫っているのである。

       多発してきた原子力艦の事故

 空母に限らず原子力艦船の事故は世界で起きている。
 特に重大な事故に限っても、次の通り。
1963年大西洋で米原潜スレッシャーが試験中に原子炉停止して沈没。
1968年3月ソ連核ミサイル搭載ホテルI級原潜「K−129」がハワイ沖
の水深5000メートルに沈没。1968年5月米国攻撃型原潜「スコーピオ
ン」がアゾレス諸島沖の水深3000メートルに沈没。1969年1月ハワイ
沖で米原子力空母「エンタープライズ」の艦載機が着艦時に爆弾を落下させ爆
発炎上。1971年グアム島で米原潜「ウッドロー・ウィルソン」が原子炉冷
却系統の故障によりメルトダウン寸前事故。1974年5月米攻撃型原潜「ピ
ンタード」がペトロパブロフスク付近でソ連原潜と潜航中に正面衝突。
1974年11月米攻撃型原潜「マジソン」が北海でソ連原潜と潜航中に衝突。
1981年5月米原子力空母「ニミッツ」で艦載機(EA−6B)が着艦に失
敗炎上。1999年9月ニミッツ級の原子力空母「ジョン・C・ステニス」が
サンディエゴで座礁原子炉冷却水取入口に土砂を詰まらせたため原子炉緊急停
止。2000年8月ロシア・オスカーII級攻撃型原潜「クルスク」が魚雷の暴
発でバレンツ海に沈没。01年 英原潜タイアレスが地中海でメルトダウン寸
前の事故、などなど。
「過去40年間、アメリカの原子力型艦船は日本に寄港してきました。
1200回以上にも及ぶ日本への寄港、そして世界各地でも何千回も寄港して
きましたが、一度として放射性物質の流失による環境への悪影響を与えるよう
なことは起こっていません」というシーファー駐日大使の声明は、悪質なデマ
と情報操作に他ならない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

◇2つの訂正があります。申し訳ありません。

 1.2月2日送信のNo297「4つの研究会」のお知らせで、
   「地震がよくわかる会」は、2月19日(日)です。
                曜日が違っていました。

 2.2月7日送信のNo299「第105回いろりばた会議」の報告で、
  後半の柳田氏の文章について、訂正後の文章をお送りします。
  
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【地震の時、原発は大丈夫か?原発の耐震偽造の数々】
               (新聞記事を元に解説)
 柳田 真さん(たんぽぽ舎)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 原発の耐震設計審査指針は1978年にでき1981年に少し直された。
その後、28年間変わっていない。また、54基ある原発のうち、
34基は1978年以前に建てられており、この基準を守って建てら
れたものではない。残りの20基は1978年以降の建設であり、こ
の基準を守って建てられている。しかし、その基準自体が現在で
は不適当なものとなっている。

 2005年8月の宮城県地震では、女川原発は想定を上回る震動に
襲われた。
 耐震設計審査指針では、マグニチュード6.5の直下型地震ま
でしか想定していないが、これでは現実に見合っていない。
 原発の耐震偽造・改ざんは数々ある。九州電力川内原発は、地
盤調査のボーリングデータねつ造の疑惑がある(1975年)。又、2005
年11月には川内原発で原発の地下に8500トンもの不要な鉄筋を
廃棄・埋設したと内部告発された。
 また、活断層を死断層と見なしている例も少なくない。 

――――――――――――――――――――――――――――――

 たんぽぽ舎では、急ぎの催し物・学習会、重要な情報や大きな
問題への見解などを敏速に多くの人たちへお知らせしたいと考え
ています。
 環境問題と原子力の問題(究極の目標は核の廃止)を追求する
たんぽぽ舎の最新の活動案内・情報・見解等をお送り致しますの
で、ごらんいただくと幸いです。
 今回、初めてお送りする方や団体もありますが、この「お知ら
せメール」送付不用の方は、ご面倒をおかけしますが、ご返信願
います。次回からリストよりはずさせていただきます。

――――――――――――――――――――――――――――――

  たんぽぽ舎    たんぽぽ舎は、月曜〜土曜−
           13:00〜20:00のオープンです。
           日祭日は、お休みです。

   〒101-0061
   東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル5F
    TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797               
   HP http://www.jcan.net/tanpoposya/hyoushi.htm



  

[article_prweb]tanpopo.htm