prweb_logo スポンサー1スポンサー2
スポンサー募集について
この団体の提供情報一覧 この情報の提供団体について prwebについて
GEN>黄土349>土壌の凍結
情報提供者 : 緑の地球ネットワーク 提供日付  : 2006/03/06 22:56 登録経由地 : prweb情報受付 02 #00817 注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した    情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向    けにのみ提供された情報が含まれています。    また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ    のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている    場合があります。

  中国山西省大同市の黄土高原の農村での緑化協力活動のなかでの体験を
 書きつづっています。不定期の発行です。
 バックナンバーを緑の地球ネットワークのWebページにおいています。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

  黄土高原だより(NO.349)
     (2006.03.06)
            高見 邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

 土壌の凍結

 緑の地球ネットワークの派遣する、ワーキングツアーが
 今年も、3月25日に、出発します。
 大同市には、4区7県があるのに、
 このツアーの、たどるコースは、毎年、霊丘県が中心で、
 ほぼ、おなじコース。
 5回、10回のリピーターもおられるのに、
 申しわけないことです。

 やむをえない、事情があります。
 学生のみなさんに、ぜひ、参加してほしいんですね。
 春休み利用となると、早めに、帰ってこないといけない。
 ところが、大同は、冬が寒くて、長く、
 春の訪れが、おそいんです。
 ちょっとぐらい、寒くたって、いいじゃないか、と思われるでしょうが、
 そうはいきません。
 土壌が凍結していると、穴を掘れないんです。

 地表近くは、融けていても、その下はカチンカチン。
 大きな岩にでも、ぶつかったようで、
 スコップばかりか、ツルハシだって、はじき返されます。
 1cm掘るのも、容易じゃないんです。

 一口に、大同市と言いますけど、
 1万4200平方kmあって、けっこう広いんです。
 いちばん南の、霊丘県の端(河北省との境界)から、
 いちばん北の、天鎮県の内モンゴルとの境界までは、
 直線距離で、190kmほどあります。
 その中間に、恒山山脈がありますが、
 中国の地図によると、この山脈から南は、中温帯で、
 北は、寒温帯に属するそう。

 しかも、霊丘の最南部は、標高も低くて、1000mを切ります。
 長く協力を継続している上北泉村は、700mほど。
 北のほうは、最低でも1000mです。
 そのために、南と北では、春の訪れが、2週間ほど、前後します。
 ですから3月末の、最初のツアーは、霊丘県を中心に活動し、
 そのあとからくるツアーは、だんだんと北上するわけです。
 中国では、3月12日が「植樹節」ですけど、
 大同では、本格的な、植樹シーズンは、1か月遅れ。

 冬の最低気温は、零下30度近くまでなります。
 日本のみなさんは、寒いときくと、ほぼ反射的に、
 「雪はどれくらいですか?」というんですけど、
 雪は、ほとんど降りません。
 あれって、雪が降ってくれると、ありがたいんですね。
 雪が50cmも積もれば、
 温かいフトンを、かぶっているようなもの。
 地表の気温は、せいぜい零度前後に、保たれるのだそうです。
 寒いうえに、雪がないと、大地は、遠慮なしに凍ります。
 雪のないほうが、植物にとっては、はるかに厳しい環境です。

 大同では、地表から、最大1.2mくらいまで、凍結します。
 私たちも、2つの村で、井戸を掘るのに協力したんですけど、
 水道管は、1.5mくらいの深さに、埋めてあります。
 そこまで埋めておかないと、凍結してしまいます。

 凍土の、融ける時期は、年によっても、かなりちがいます。
 ここ数年は、遅い年が、多かったんです。
 霊丘自然植物園には、管理棟の近くに、野生のモモの木があります。
 中国では、「山桃」(シャントウ)といいます。
 これを日本語で「ヤマモモ」と呼ぶと、
 日本の「ヤマモモ」と、混乱しますから、ちょっと、やっかいです。
 日本でいう「ヤマモモ」は、中国では「楊梅」(ヤンメイ)ですが、
 常緑の楊梅は、大同では、育ちません。

 よけいなことをいいましたが、
 この野生のモモは、花は鮮やかなピンクで、
 とても美しいのです。
 そして、春、いちばん早く咲きます。
 そのつぎが、アンズです。
 そんなこともあって、私たちは、
 霊丘自然植物園にも、実験林場・カササギの森にも、
 このモモの苗を、たくさん植えています。
 ほかの樹木の育たない、南向きの日向斜面でよく育ちますし、
 アンズで深刻な、ノウサギの食害も、ありません。
 私たちのツアーが、霊丘を訪れたとき、
 あそこのモモが、花を咲かせていれば、
 その年は、春の訪れが早く、土壌の凍結は、融けているはずです。

 ついでにいうと、霊丘で、最初に咲く、野の花は、
 「白頭翁」です。
 文字をみて、見当をつけられたかたもあるはず。
 そう、オキナグサのなかまです。
 日本のものと、種はちがうようで、
 Pulsatilla chinensis
 青紫の花弁に、黄色いおしべで、なかなか、きれいです。
 自然植物園でも、よくみますし、
 上北泉村で、アンズを植えているときにも、
 足もとで、みつかることがあります。

 こういう花が咲くのは、日当たりのいい、南斜面です。
 土壌の凍結が、早く融けるのも、やはり南斜面です。
 そういうわけで、最初のツアーが、作業をするのは、基本的には南斜面。
 以前から、紹介していますように、
 南斜面と、北斜面では、育つ樹種がちがいます。
 植える場所によっても、樹種を選ばないといけないわけですね。

 ところで、日本のツアー参加者が、
 凍土を相手に、悪戦苦闘している横に、
 地元の人たちが、植え穴を、事前に準備しています。
 どうやって、掘ったんでしょう?
 力のつよさが、まるでちがう! それも事実。
 掘るのに、コツがある。 それもピンポーン。

 じつは、こうやって、掘ります。
 太陽に照らされて、地表付近の凍結は、融けています。
 ラクに掘れるところを、まず掘って、
 凍結層にたっしたら、となりに移ります。
 つぎつぎにそれをやって、しばらくたって、最初の穴にもどると、
 太陽の熱で、少し、融けてきています。
 掘れるだけを掘って、また、となりに移ります。
 これを、くりかえすんですね。

 日本人は、どうも、
 1つずつ、完全にやりきりたいようです。
 カチン、カチンに凍っていても、すぐにはあきらめないで、
 なんとか、そこで、がんばろうとする。
 どちらかというと、私も、そういう性格です。

 この黄土高原だより、しばらく、あいだがあきました。
 「届かないけど、どうかしたの?」という
 問い合わせを、いただきました。
 すみません。
 東京、仙台などへの、出張がつづきました。
 そのうえに、風邪ぎみだったのです。
 いつもなら、カーッと熱が出て、そのぶん、なおりが早いのに、
 このたびは、発熱しないかわりに、2週間以上もグズグズ。
 気持ちも、落ち込んでいました。
 
  (社)日中友好協会の機関紙「日本と中国」に高見が連載中の
  「黄土高原レポート」を以下のブログにアップしています。
  http://blog.goo.ne.jp/takamik316
 -- 
******************************************************
『ぼくらの村にアンズが実った
           〜中国植林プロジェクトの10年』
 高見邦雄著・日本経済新聞社・四六判280頁・1600円+税
 書店でお求めください。

 ★税制上の優遇措置をうける認定NPO法人です★
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
 認定特定非営利活動法人 緑の地球ネットワーク(GEN)
 552-0012 大阪市港区市岡1-4-24 住宅情報ビル5F
  TEL.06-6576-6181 FAX.06-6576-6182
 E-mail  gentree@s4.dion.ne.jp
 URL  http://homepage3.nifty.com/gentree/
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞



  

[article_prweb]gen.htm