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大台ケ原>再生推進計画評価委員会の初会合
情報提供者 : 大台ケ原・大峰の自然を守る会 提供日付  : 2006/03/24 21:54 登録経由地 : prweb情報受付 02 #00862 注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した    情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向    けにのみ提供された情報が含まれています。    また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ    のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている    場合があります。

     大台ヶ原自然再生推進計画評価委員会の初会合開かれる

 2005年1月、大台ヶ原自然再生推進計画が策定されて検討会はその任を終わった。
今年度から再生推進計画は実施段階に入ったが、そのフォローアップ組織として三
部会で構成される「大台ヶ原自然再生推進計画評価委員会」が設置された。
 2005年8月30日午前10時から、三部会委員19名(内2名欠席)、関係機関(オブザ
ーバー)15名、事務局10名が出席して初会合が奈良において開催された。

【議事】
(1) 大台ヶ原自然再生推進計画評価委員会の設置について
 三つの部会、森林生態系部会・ニホンジカ保護管理部会・利用対策部会で構成さ
れる「大台ヶ原自然再生推進計画評価委員会」(略称評価委員会)は、全体的な進
捗状況を確認するとともに(1)推進計画の実施に必要な調査に関する事項、(2)
推進計画の実施状況を踏まえた評価に関する事項、(3)その他、大台ヶ原の自然
再生の推進に必要な事項、について検討、掌握することになった。各部会及び合同
部会の決定をもって評価委員会の決定とすることができる、とされた。

(2)平成17年度調査及び事業内容について
・森林生態系部会
  ○ 植生調査工程表及び調査内容   ○ 野生動物調査工程表及び調査内容
・ニホンジカ保護管理部会
  ○ ニホンジカ調査工程表及び調査内容   ○ ニホンジカ保護管理対策
・利用対策部会
  ○ 利用対策調査内容及び事業概要   ○ GIS整備
 全体を通して大きな議論にはならず、二三の質問にとどまった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     
               『あくまでもマイカー規制を最終目標にすべし』
      ―― 利用対策部会及び森林生態系部会合同部会 ――

 午前中の評価委員会に引き続き、午後12時30分から「平成17年度大台ヶ原自然再
生推進計画評価委員会利用対策部会及び森林生態系部会合同部会」が委員16名(内
2名欠席)、関係機関(オブザーバー)15名、事務局10名が出席して開催された。

【議事】
◆ 平成17年度大台ヶ原利用対策調査について
【これまでの経緯と平成17年度の調査の目的】
 自然環境への負荷を軽減するため、自動車利用適正化、利用調整地区の導入、総
合的利用メニューの充実によって、自然環境の保全と質の高い自然体験の両立を目
指すことを目標とする。
 平成17年度調査では、上記の目標を実現するため、公共交通利用促進の検討、自
動車利用に伴う自然影響調査、利用調整地区の導入検討、総合的な利用メニューの
充実検討を行うとともに、自然再生の取り組みに係る普及啓発を行うことを目的と
する。

【調査項目】
1.公共交通利用促進の検討
  1−1 公共交通利用促進のための広報
  1−2 混雑緩和のための緊急対策の検討
  1−3 公共交通利用促進事業の効果に関する調査
 委員から重要な発言があった。「公共交通利用促進キャンペーンは、折角盛り上
がったマイカー規制の気運を削ぐことにならないか」と。 座長はじめ委員からも
同様主旨の発言が続いた。環境省が作成した車内吊広告、ポスター、チラシなどに
もマイカー規制を目指す文言はない。
 環境省は「マイカー規制をあきらめたわけではない。第一段階である。今後も関
係機関と調整を進めていく。」と答えた。

 会議の最後に、傍聴していたニホンジカ保護管理部会委員が発言を求めて「パー
ク&ライド(マイカー規制)を最終目標にすべきだ。それを阻害している要因は何
か。環境省はいつまでに実現するのか、はっきり答えてもらいたい」と質問したが
環境省は確答を避けた。環境省の「期間と手順」では5年以上の「中期」になって
いるので、もっと早くすべきだ、と利用対策部会で何度も論議したが短くならなか
った。

 近鉄、奈良交通を利用する「レイル&バス」のキャンペーンは本会も主張してき
たことで賛同するが、マイカー規制の大目標がこれにすり替わってしまったのでは
意味がない。
 9月24日に予定されている「大台ヶ原と世界遺産大峰奥駈道の利用を考えるシン
ポジュウム」のテーマは公共交通利用促進のようであるが、事情の異なる大台、大
峰を一括りに論じるには無理があるのではないかと発言した。

 再生推進計画の検討段階から地元関係機関には多くの思惑、誤解、理解不足が交
錯して協力的とは言えない状況が続いたが、本年1月の計画策定の最終会議で、奈
良県は「再生計画に賛成する。進めてほしい。」と明言するのを聞いて驚いた。そ
れが、いよいよ実施段階に入って、再び非協力的姿勢に戻るとは全く理解し難い。
環境省の粘り強い努力を期待したい。場合によっては、部会で地元関係機関と直接
論議する機会を設定してもいいのではないか。

2. 自動車利用に伴う自然環境影響調査
  2−1 自動車排気ガス調
  2−2 自動車利用に伴う自然環境への負荷調査
 この調査については6月30日に大阪で開催された、筆者も参加したワーキンググ
ループの突っ込んだ論議において、これから費用と時間をかけて調査をしても期待
する結果が出るか疑わしい、従来のデータのシミレーションの方が適切ではないか、
との意見が大勢を占めたにも拘わらず、何故調査をするのか質問したが、「シミレ
ーションは行う。調査データは初期値にする。」というのが環境省の返事であった。
 樹上性の蘚苔類の調査について、森林生態系部会委員から「単なるコケの調査で、
自動車利用に伴う環境負荷について評価できるデータが得られるか疑問だ」との発
言があった。

3. 利用調整地区の導入検討
  3−1 現況把握調査
  3−2 利用適正化計画の検討・立案調査
 環境省はこれを本年度最大の課題としている。スケジュールによれば、10月に「
利用適正化計画検討協議会」設立の予定になっている。今年度中に素案を作り、ヒ
ヤリング、パブコメを経て来年度から実施にもっていきたいと意気込んでいること
を多としたい。
 そのためには、自然環境情報等の整理、自然環境への影響の把握、自然体験の質
に係る現況把握、整備水準の把握、管理水準の把握、入込みの実態把握など膨大な
調査が残されていて心配ではあるが、事務局の努力に期待したい。
 環境省は部会の意見を協議会に反映したいとしているが、次回利用対策部会は来
年2月に予定されているだけなので、それで反映できるのか質問したが、必要があ
れば適時開催するとの返事であった。

 最近、各地の国立公園、例えば尾瀬などでもオーバーユース対策として利用調整
地区導入が検討されていると聞く。大台ヶ原でも西大台より東大台が先だ、という
意見がある。しかし、それらは、利用調整地区創設の目的を正しく理解していない
発想である。
 2003年に自然公園法を改正して利用調整地区制度が創設された目的は、「近年、
国民の自然志向の増大等によって、従来ほとんど利用者が立ち入ることのなかった
原生的な自然を有する地域を訪れる利用者が増加しつつあり、当該地の原生的な雰
囲気が失われるとともに、風致景観、生物多様性の保全上の支障が生じている事例
がみられる。」その地域は「より深い自然とのふれあいと体験が得られる場として
重要であり、一定のルールとコントロールの下で持続的な利用を図ることが有効だ
と考えられる」としている。西大台は正にその目的にふさわしい地域である。

 田垣内委員は「大台ヶ原全域が利用調整地区である」と発言した。30年前に22億
円で買い上げられた理由は、原生的自然が人間の活動によって影響を受けない様に
するというのが国有化の理念であったのだ。その意味で田垣内委員の指摘は鋭い。
 国有化後30年の観光政策で東大台はすでに観光地化されたが、西大台が奇跡的に
残されている。しかし、観光バスツアーの増加でいまや危機的状況にある。早く利
用調整地区に指定して保護しなければ、東大台のようになることは目に見えている
。森林生態系部会委員から「まず、規制である」と発言があった。

 利用調整地区の指定を受けるためには、原生的な自然環境であることの立証に止
まらず、指定認定機関をはじめ実務的な体制、計画を作り上げる必要があり、今後
、短期間に仕上げる作業は大変であろうが、事務局の努力に期待したい。そして、
この課題の実現は、難航しているマイカー規制の実現に必ずや大きな影響を与える
であろう。

4.総合的な利用メニューの充実検討
  4−1 キャンプ指定地似ついての検討
  4−2 登山道の現況把握調査
  4−3 自然体験プログラムの立案および実施
 森林生態系部会委員からキャンプ指定地設置について反対意見がでた。ゴミの散
らかったキャンプ場をイメージする大方の意見であろうが、計画しているのは予約
制の有料指定地で、集団施設地区の駐車場南側の台地に5〜10張り程度のサイト、
給水設備を設置するので、この実態を説明すれば賛同が得られると確信している。
かつて大台ヶ原に登山者はテントを担いで登ったが、ドライブウエーが造られて山
小屋が建てられるとキャンプが禁じられた。第三セクターの営業政策でしかなく、
キャンプ禁止の正当性がないままで40年が経ち、「キャンプ禁止の山」のイメージ
が人々に定着したのは、自然と深く触れ合う意味を考えれば、実は由々しきことで
ある。間違っている。

 再生計画によって観光地を脱し、「新しいワイズユースの山」を目指して「利用
の質の改善を図る」とすれば、自然の深い体験のために予約制有料キヤンプ指定地
を設けることは当然であり、必要不可欠の条件である。尾瀬にすらキャンプ指定地
はある。「テントを担いで、電車・バスで大台ヶ原へ登ろう」というのが次世代の
キャッチフレーズになるようにしたい。そのために、評価委員の迷妄から解いてい
かねばならないのは大変ではあるが、必ず理解してくれると希望を持っている。

5. 普及啓発
  5−1 大台ヶ原ビジターセンター展示及び開設標識の充実
  5−2 大台ヶ原と世界遺産大峰奥駈道の利用を考えるシンポジュウムの開催
  5−3 ホームページ情報の充実と利用者参加型企画立案・実施
                       2005年8月31日  田村 義彦



  

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