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大台ケ原>真の市民参画・協働を拒否する強権姿勢へ抗議する
情報提供者 : 大台ケ原・大峰の自然を守る会 提供日付  : 2006/03/26 23:59 登録経由地 : prweb情報受付 02 #00868 注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した    情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向    けにのみ提供された情報が含まれています。    また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ    のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている    場合があります。

                              2005年9月20日
環境大臣  小池 百合子殿
                     大台ヶ原・大峰の自然を守る会会長
                                田村 義彦

 環境省近畿地区自然保護事務所の
      真の市民参画・協働を拒否する強権姿勢への逆行に抗議する
 

【協働の歴史】
 2001年7月、新任所長の赴任をもって大台ヶ原にコペルニクス的変革が起きた。
本会は1969年創立以来35年間に亘って環境省(庁)に対して多くの提言を続けてき
たが、その多くは拒絶されてきた。しかし、環境行政に行き詰まった環境省はやむ
なく情報公開、市民参画政策をとらざるを得なくなり、本会との対話・協働が可能
になった。
 爾来4年間、三代に亘る所長の下で、本会は大台ヶ原自然再生推進計画の策定、
大台ヶ原周回線歩道整備基本計画の策定、実施などに誠意をもって臨み、緊張関係
を保ちながら協働に努力し、環境省も忍耐をもって本会の異論に耳を貸し、協働の
成果を積み上げて来た。

【協働を拒否し、強権姿勢に逆行】
 ところが、本年度の人事異動による所長赴任をもって、環境省近畿地区自然保護
事務所(以下、近畿事務所と略す)は豹変して、本会との協働を拒否し、実績を否
定する挙に出た。
 それが霞ヶ関の政策転換であるのか、或いは、大台ヶ原再生推進計画策定までは
本会との協働を装いながら、策定後は本会を排除せよとの基本政策があったのかは
知る由もないが、いずれにしても、この様な逆行は環境省が謳う市民参画・協働が
ウソである証明となり、これ以上の市民に対する欺瞞、愚弄はない。現在、各地で
進められている市民参画による各種の自然再生事業に大きな影響を与えるであろう
。

(1)シンポジュウムからの排除
 本会排除の最も端的な例は9月24日開催の「大台ヶ原と世界遺産大峰奥駈道の利
用を考えるシンポジュウム」からの排除であろう。
 本会は大台ヶ原自然再生検討会利用対策部会委員として参画し、「新しい利用の
あり方推進計画」8項目のうち5項目は本会の提案に基づくものである。その他数
々の提言をしてきた。
 しかし、近畿事務所はその成果を否定すべく、シンポから本会を排除し、意に沿
うイエスマンを掻き集めた。“自然保護団体”と称して突然登場したのは昨年作ら
れたNPOで行政の補完作業をしているが、そのメンバーの奈良県職員が「地域から
見た賢明な利用について」講演するというから呆れる。
「賢明な利用」とは本会が参画した利用対策部会において論議、策定した政策であ
る。勿論演者は検討委員ではなく、この論議には全く参加していない。政策につい
て語るにふさわしい人物とは思えない。異をとなえる自然保護団体を排し、意に沿
うNPOのみを登用することは、真の市民参画、協働の精神に反する愚行である。真
の民主主義とは少数意見の尊重である。そこに、立場の違う多くの市民が参画する
意義がある。

 大台ヶ原自然再生推進計画の目標は、公共交通促進ではなくマイカー規制である。
本会も「レイル&バス」を提唱してきたが、それはマイカー規制が目的なのである。
そのマイカー規制が、いま、奈良県の卑劣な反対によって、頓挫している。その打
開にこそ環境省は努力すべき時に、その怠慢を糊塗するかの如く、恥知らずにも反
対している奈良県の「後援」をもらって“公共交通利用促進キャンペーン”を行う
という。しかも、日頃マイカーを常用して、公共交通を利用したことのない面々が、
高みから公共交通利用を説くというから、その恥知らずに呆れる。ミスキャストの
オンパレードでは真面目にシンポに参加する市民に対する愚弄である。

(2)評価委員会の軽視
 このシンポについては8月30日の大台ヶ原自然再生推進計画評価委員会並びに利
用対策・森林生態系合同部会で厳しい批判が出た。「シンポは公共交通利用促進の
ために開かれるようであるが、マイカー規制に向けて盛り上がっている気運をそぐ
ことにならないか。」「マイカー規制をあきらめて公共交通利用にシフトしたと市
民に誤解されないか。」「公共交通利用促進はマイカー規制への第一段階であると
明記すべきだ。」「マイカー規制が最終目標だ。それを阻害しているのは何か。い
つまでにマイカー規制を実施するのか環境省は明らかにすべきだ。」などの意見が
出た。

 ところが、近畿事務所から送られてきた評価委員宛の「案内」には、この論議を
無視して「マイカー規制」の文言はどこにも入っていない。だいいち、評価委員会
で批判した当の委員宛に平然と「案内」を送ってくる傲慢な神経も普通ではない。
しかも姑息にも評価委員会当日には、既に決決定していたシンポのメンバーを隠し
ていたのである。
 評価委員会はあと1回、来年2月に開かれるだけである。環境省の政策を追認せよ
とばかりの古典的発想を今になって持出してきたのも、評価委員会軽視、強権姿勢
逆行の表れである。

(3)施設整備現地説明会の御用化
 姑息なことではあるが、施設整備現地検討会に突然、近畿事務所の意に沿う植物
担当の教師2名を動員した。登山についてのさしたる理念もなく、施設整備の専門
家でもないご両人に何の助けを求めるというのだ。
 本来現地説明会は、本会の情報公開の要望に基づいてはじめられたもので、現地
でフランクな意見交換ができた。その成果が周回線歩道整備では見事に結実した。
数度の現地説明会、会議、パブコメなどが行われ、市民の意見が95%認められて立
派な基本計画が作成された。所長の英断と聞く。施行段階においても、インターネ
ットによる環境省、業者、本会の協働によって国立公園歩道整備の範足る整備が完
成した。

 しかし、近畿事務所はその協働の実績が気に食わないのであろうか、従来の名称
「現地説明会」を「検討会」に変えた。協働の精神を否定したい姑息な思いつきで
あろう。また、従来使ってきた「自然保護団体」を「民間」に書き換え、上記の官
製NPOを「自然保護団体」と呼ぶのは姑息に過ぎる。
 合意形成を図るべき折角の現地説明会を、事務所案を追認させるために御用化、
形骸化するのは市民参画の精神の否定である。

【吹き始めた新しい風を止めることはできない】
 本会は、数年前から始まった国交・農水・環境各省官僚の「パートナーシップ、
市民参画」の呼びかけがアメリカのエコシステムマネジメントのコピーであって、
決して官僚の本心でないことは充分承知している。しかし、官僚と市民の協働によ
って大台ヶ原の原生的自然が保全されるのであれば良しとして、緊張関係を保ちな
がら可能な限り誠意を尽くして努力してきた。

 しかし、今春の人事異動以後、時代に逆行する強権的発想で、協働を拒否する近
畿事務所に本会は怒りと憐憫の情を催す。本会を排除して、官僚の意のままになる
者のみを侍らせ、大台ヶ原を私物化することは権力欲を満たし、心地よいことは確
かであろう。しかし明治以来続いてきたその古典的手法が破綻したからこそ市民参
画を求めたのではないのか。その歴史的経緯を正確に理解できず、不毛の歴史にピ
リオドを打つどころか、逆に市民排除の強権時代に戻ることを願う官僚は、これか
らの国を担う公僕に値しない。

 世界的に吹き始めた新しい風は最早誰にもとどめることは出来ない。時代は動き
始めて、大台ヶ原ではすでに4年が経った。その4年間の協働の実績を時代に逆行し
て抹殺しようとしても絶対に出来ることではない。必ずや歴史が、環境省近畿自然
保護事務所の時代錯誤的愚行を嘲笑するであろう。

【市民の信頼を裏切った近畿事務所】
 協働の基盤は信頼である。この4年間の協働は国立公園に関わるく全国の方々に
注視されてきた。この度の近畿地区事務所の所業は本会は勿論、それらの方々の信
頼までも裏切った。 
 ここに、環境省近畿地区自然保護事務所に強く抗議する。
 本会は今後更に、大台・大峰山系の生態系が目先の利益のために破壊されない為
に全力を尽くす決意であることを表明する。
                                   以上



  

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