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大台ケ原>西大台利用調整地区制度の導入にむけて論議進む
情報提供者 : 大台ケ原・大峰の自然を守る会 提供日付  : 2006/04/03 23:20 登録経由地 : prweb情報受付 02 #00907 注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した    情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向    けにのみ提供された情報が含まれています。    また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ    のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている    場合があります。

       西大台利用調整地区制度の導入にむけて論議進む

  ― 平成17年度大台ヶ原自然再生推進計画評価委員会
           第2回利用対策部会・森林生態系部会合同部会 ―

 2005年12月16日に奈良市において標記合同部会が開催された。
 この合同部会に先立ち11月25日に、両部会の委員から成る第1回利用適正化計画
検討ワーキンググループ(非公開)が開催され、「利用調整地区(案)の区域」「
東大台の利用に関する考え方」「西大台での利用調整地区設定の考え方」「大台ヶ
原全体の利用対策」「利用調整地区の導入と地域との関係」などについて率直な議
論が行われ、西大台で利用調整地区の指定を目指すことについて共通の理解を得た。

 「本合同部会で議論すべき主要論点」は大台ヶ原自然再生推進計画(2005.1)第
6章3.(3)2)の「基本方針」を踏まえ、西大台地区を対象として検討された。な
お、本検討は、「マイカー規制」「総合的な利用メニューの充実」と連携して具体
化されることによって効果が発揮されるため、これらと一体的に推進するものとさ
れた。

(1) 利用適正化を図るための基本方針について
 議論のほとんどはこの問題に費やされたが、その中で、利用調整地区制度を過剰
利用対策に使おうとする誤解、対象地域の生態系の価値比較論などの論議に時間が
費やされることがなくて良かった。
 利用調整地区設定の要件は、あくまでも「核心的な自然景観を有し、原生的な雰
囲気が保たれている地区で、利用者圧が高まり、現状のままでは自然景観や生物の
多様性の維持に支障を生じ、原生的な雰囲気や優れた自然景観の享受ができなくな
る恐れがある地区」を対象にしている。
 その「利用者圧の高まり」について、委員から「根拠を明確にせよ。<継続的利
用の結果>と<利用圧の高まり>には若干の齟齬がある。利用者制限をする日本最
初のモデルだけに、社会的影響は大きい。」との発言があった。

 正に論理的には鋭く正しい指摘である。しかし、大台ヶ原の森林衰退の根拠を示
す明確な数字がないのと同様に、西大台についても明確な根拠を示す確かに数字は
ない。その科学性の欠如が大台ヶ原自然再生推進計画の弱点でもある。中央環境審
議会の委員諸侯は、本邦初演の決定を下す前にぜひ西大台に足を運んで戴いて、危
機的雰囲気を感得して戴きたいと願う。

 また、他の委員から「国立公園には70年の歴史がある。利用規制をドラスティッ
クに行うな。」との発言があったが、私は「70年の歴史のなかで、自然公園法第1
条の保護と利用を残したまま利用調整地区制度を導入したのは正にドラスティック
なことで、だからこそ一気にやるべきだ。」と発言した。他の複数の委員からも「
理想は高く掲げるべきだ。モニタリングをしっかりやって順応的管理をやろう。」
「予防的措置として利用調整地区指定は必要だ。」との発言があった。

(2) 区域の設定
 環境省案では、県有地で第2種特別地域である集団施設地区を含めて「概ね特別
保護地区(一部2種特別地域)」となっているが、法の要件は「特別保護地区ある
いは第1種特別地域」であるから、要件を満たすべく第2種特別地域の集団施設地
区をはずしては如何、と提言した。環境省は検討するとのことであった。

(3) 利用調整を実施する期間等
(4) 利用者数の設定
(5) その他・・・注意事項・モニタリング事項・立入認定の手続きに関する事
    項など

 各委員から利用形態が重要であるとの発言があったが、時間切れで、上記具体的
項目は協議会にゆだねられることになった。協議会では原案に数字がなければ無用
の混乱に陥る危険性があるので、出来ればこの合同部会で概略的な数字を出したい
と考えていただけに残念であった。環境省が協議会に提出する原案には、あらかじ
め具体的数字を提示することを望みたい。

 最後に上北山村からは、「若い人達がウオークなどの新しい試みをはじめて、気
運は盛り上がっている。村として、どう組織立てていくか、前向きに模索している。
」奈良県からは、「区域設定に異論はない。県が管理運営について体制を組むのは
無理であるが、地元の雇用を考慮した体制を考えてほしい。木和田道の歩道は県が
管理しているが、入口は国立公園区域外であるから考慮してもらいたい。」と、そ
れぞれ前向きの発言があったので、正直なところほっとした。村と県の協力なくし
てはこの制度の実現は不可能である。

 また、上北山村は西大台をアマゴの禁猟区に指定しているが村の監視員の目が届
かないので魚類も規制の対象にしてほしい、との要望があった。利用調整地区の「
禁止事項」に入る要件であろう。
 議題から反れたが、奈良県タクシー協会からマイカー規制の際、乗合タクシーを
認めてほしいとの要望があった。上高地などの例をみても実現可能であろう。

 傍聴席から、先程のある委員の発言「両生類の調査では河川の形態を変えないと
できない」を受けて、「調査研究の名目で研究者みずからが原生的自然の破壊をす
ることは許されない」と苦言が呈された。併せて、協議会に参加したい、マイカー
規制を実施せよ、などの発言があった。

 思えば、2回目の上北山村住民説明会が河合で開催されてから、早くも一年が経
った。その間、環境省は努力を続けてきたが、その経緯を知らされない村民が不安
に思うのは当然である。最近、環境省が村の理解、協力を求める努力をはじめ、理
解が得られるようになったと聞くが、喜ばしい限りである。
 日本で初めてのパイオニヤーワークである。多くの試行錯誤を繰り返しながら軌
道に乗るまで恐らく数十年はかかるであろうが、パイオニヤーの誇りをもって粘り
強く努力して戴きたいと願う。
                   2005年12月20日      田村 義彦



  

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