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GEN>黄土358>風砂
情報提供者 : 緑の地球ネットワーク 提供日付  : 2006/04/25 23:55 登録経由地 : prweb情報受付 02 #00975 注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した    情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向    けにのみ提供された情報が含まれています。    また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ    のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている    場合があります。

  中国山西省大同市の黄土高原の農村での緑化協力活動のなかでの体験を
 書きつづっています。不定期の発行です。
 バックナンバーを緑の地球ネットワークのWebページにおいています。

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   黄土高原だより(NO.358)
     (2006.04.25)
            高見 邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)

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 風砂

 大同では、雨らしい雨は、もう半年もふらず、
 カラカラに、乾ききっています。
 そのうえ、風が強く、土が舞い上がります。
 ブワーッと、土ぼこりが迫ってくると、
 あわてて、背をむけ、しゃがみこんで、目をつぶります。
 それでも、口や鼻のなかは、ジャリジャリ。
 こういう地元産のものは、感覚的には激しいんですけど、
 じつは、かわいいもの。

 本格タイプは、もっと西の、砂漠地帯の土が、
 偏西風に乗って、東へ、東へと、上空を飛んでいくもの。
 大同は、その通過点です。
 晴れているのに、薄暗くなり、
 白く濁ったような、大気を通して、
 ときおり、青白い太陽が、顔をみせます。
 そして、すぐに、消えていく。
 ひどいときは、視界は1キロもききません。
 ことしは、そのどちらのタイプも、やたら多いのです。
 太陽をみない日が、何日も、つづいたくらい。

 日本でも、黄砂の到来が、今年は多いようですね。
 大同を、風砂がおそうと、その翌日に北京でニュースになり、
 さらに2日後くらいに、日本で、黄砂になります。
 こんなふうに、気軽に私は、「風砂」を使いますけど、
 まだ、日本語に、なっていないようですね。
 いくつかの、辞書をひいても、でていません。
 「黄砂」では弱いし、「砂嵐」では強すぎるし……。
 中国語では、「風沙」をよく使いますけど、
 手元の中日辞書では、「風と砂ぼこり」となっています。
 ほかにいい言葉がないので、とりあえず、
 「風砂」を使うことにしましょう。

 いまも、強烈な風砂が、恐ろしいほどの、うなり声をたてるので、
 ちょっと窓をあけてみたら、
 とたんに、土ぼこりが顔にぶつかり、目にはいりました。
 じつは昨日(4月24日)、テレビ朝日中国総局の、
 取材がありました。
 私たちが、地元と協力して、木を植えているところを、撮影しました。
 あわせて、強風が、土を巻き上げるところを、撮りたかったんですね。
 それなのに、あれほど強烈だった風砂が、その日にかぎって、ピタリとやみ、
 おだやかな天気で、植樹のためには、絶好だったのです。
 地元の村人や、子供たちも参加して、熱心に植えましたので、
 いい場面が、撮れたでしょう。

 しかし、風砂のほうは、まるで撮影できなかった。
 取材陣は、「このあと、風が吹くでしょうか?」ときくんですけど、
 私としては、そんなことに、なってほしくない。
 ここは、言霊の世界で、口にすると、それが現実になりますから、
 いいことだけを、話したい。
 「3日くらいは、この天気がもつでしょう」なんて、答えました。
 ご苦労なことに、取材クルーは、風砂を求めて、
 内蒙古のほうに、足を延ばしました。
 きょうも、午前中は、風はなかったんです。
 でも、午後になって、このように強烈な、風砂がやってきました。
 皮肉なものです。
 あの人たちも、どこかで、であっていることでしょう。
 今週のうちに、「報道ステーション」で、放映されるそう。

 撮影の横で、地元の農民に、話をききました。
 いま、カササギの森の、植えつけ作業にきています。
 「ほんとうは、こんなことをしていたくない」といいます。
 どういうことでしょう?
 「トウモロコシの種まきは、
 4月18日から25日までのあいだに、しないといけないけど、
 雨がまったく降らないから、それができない。
 種まきが、それより遅れると、
 成熟するまでの、日数がたりなくなる」というのです。

 トウモロコシには、種まきから収穫までが、110日くらいの早生(わせ)種から
 125日くらいかかる、晩生(おくて)種まで、何種類もあるそうです。
 晩生のほうが、収穫量が多いので、できれば、それを植えたい。
 種子は、もう購入してあるわけですね。
 ところが、種まきの、最終の期限が、迫ってきたのに、
 雨が、降ってくれない。
 いまの種子は、一代雑種で、外から購入したものです。
 以前のものにくらべ、収穫は期待できるけど、値段が高い。
 1斤(500g)が3.5元で、35斤ほど買ってあるそう。
 種子代だけでも、120元ほどが、ムダになります。

 トウモロコシが、まにあわなければ、
 アワ、キビ、ジャガイモ、などに、切り換えます。
 そのばあいの、収穫高は、ずっと少なくなる。
 かなり、深刻な状況にある、と思うんですよ。

 ひとごとでは、ありません。
 私たちが植えた、樹木の苗も、雨を待っています。
 あと何日も、降らなかったら、活着率は、ガクッと落ちるでしょう。

 おもしろいことが、ありました。
 昨晩まで、大同にいた、自治労大阪府本部の人たちの通訳として、
 私の友人の、李建華さんが、きていました。
 私の本の、翻訳をしてくれた人です。
 テレビ朝日の、若い中国人スタッフに、声をかけられたそうです。
 「あの李建華さんですか?」といって。
 なんと、前の職場の同僚の、息子さんで、
 彼が小さなときに会って、それ以来だそうです。
 中国は、国が小さくて、人が少ないので、
 こういうことが、しょっちゅう、おこります。

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