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GEN>黄土362>シャオグォ(郭宝青)
情報提供者 : 緑の地球ネットワーク 提供日付  : 2006/05/22 23:05 登録経由地 : prweb情報受付 02 #01049 注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した    情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向    けにのみ提供された情報が含まれています。    また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ    のもので、前後にフォーラム会員宛の説明や挨拶が付け加えられている    場合があります。

  中国山西省大同市の黄土高原の農村での緑化協力活動のなかでの体験を
 書きつづっています。不定期の発行です。
 バックナンバーを緑の地球ネットワークのWebページにおいています。

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   黄土高原だより(NO.362)
     (2006.05.22)
            高見 邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)

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 シャオグォ(郭宝青)

 私たちのカウンターパート、
 緑色地球網絡大同事務所の、現在の運転手は、
 郭宝青です。
 シャオグォ(小郭)と、呼んでいます。
 事務所にきたのは、2000年春ですから、
 もう6年になります。

 それまでの運転手の、シャオチャン(張徳)は
 イタズラ好きの、おどけものでした。
 立花先生にまで、ちょっかいを出してましたよ。
 それにくらべると、小郭は、ずっとおとなしく、
 ハンサムです。

 事務所にくるまでは、大型トラックに乗って、
 石炭を、運んでいました。
 故郷の山陰県から、雁門、応県、繁峙、霊丘、唐県などを経由して、
 河北省の、石家荘まで、往復したそう。
 地図ではかった、直線距離は、230kmほどですが、
 ルートの大部分は、太行山脈の、山中ですので、
 実際の走行距離は、ずっと多いでしょう。
  最大積載量10tほどのトラックに、
  その3倍から5倍の、石炭を、積み上げていました。
  夜中も走り、疲れて、眠くなると、
  ハンドルにもたれて、数時間、眠ったそうです。

  当時は、道路も、いまより、ずっと悪く、
  渋滞も、しょっちゅうでした。
  道路を走れなくなると、谷底を走りました。
  そこも渋滞になり、2〜3日、動けなくなることもしばしば。
  川の水を飲み、6日6晩、方便麺(インスタントラーメン)だけで、
  すごしたことも、あったそうです。
  「とても愉快でした!」といって、
  小郭は、すばらしい笑顔をみせます。

 そのころの稼ぎは、いまの何倍も、あったようです。
 ただ、荒っぽいしごとだし、からだにもきついから、
 こちらにきたそう。
 大型車に乗っていた、運転手は、技術がたしかです。
 彼の運転する、車に乗っていて、私はなんども、
 「ああ、自分が運転していたら、いまの瞬間、
 完全に、事故っていたな!」と思いました。
 武春珍も、つねづね、
  「小郭の技術はたいしたもので、
  接触事故の、ひとつもありません」といって、ほめます。

 人、自転車、バイク、三輪車、乗用車、バス、トラック、ときには馬車、
 ありとあらゆる、交通手段が、
 ゴッチャ、ゴッチャになって、動いているのが、
 いまの大同です。
 交通マナーも、めちゃくちゃ。
 急な飛び出しなんて、めずらしくもない。
 北京からきた運転手が、おびえるくらい。
 大同で、運転資格のある日本人は、大阪人だけだと思いますが、
 大阪からきたプロの運転手も、「ここでは運転したくない」

 小郭の運転は、ひじょうに慎重です。
 それは、安全のため、だけではありません。
 ものすごく、車をだいじにしていて、
 すこしでも、キズをつけたりしたくないのです。
 悪路を走るときは、シャーシーをこすることがないか、
 車をおりて、何度も、何度も、車体の下をのぞきこんで、確認します。
 遠田先生が、ちょっとイライラして、
 「だいじょうぶだよ。
 ちょっとぐらい、こすったとしても、べつに影響ない」といっても、
 そんな声に、耳を貸そうとしません。

 2年前までは、小張が乗っていた、お古の、
 北京ジープ製、チェロキーを、運転していました。
 ひまさえあれば、ぞうきんをかけて、
 車体に書かれた、車名の文字が、やせ細ったほど。
 その後、ホンダの、オデッセイに替えると、
 彼の、くるま愛護心は、いっそう強まって、
 私が、バタンと、ドアを閉めると、
 「もっと、ていねいに、ドアを閉めてください」
 というくらいです。

 新しいくるまは、1年間で65000kmも、走りました。
 私たちのプロジェクトは、面積1万4千平方km余りの、
 大同市の最南部から、最北部までに、散らばっていますので、
 どうしても、走行距離が伸びる。
 そのうえ、北京までの、日帰りも、しょっちょうです。
 そうとうに、疲れるはずなのに、チラッとでも、
 いやそうな顔を、みせたことがない。
 北京から、通訳にくる人たちも、
 「小郭は、ほんとに、いい性格をしていますよ」とほめます。

 これまでの大同では、運転手は、技術者でした。
 機械いじりが、好きで、得意な人間が、運転手になったのです。
 そして、ときには、道路わきで、
  エンジン分解の、大修理まで、やってのけました。
  そうでなければ、以前のくるまは、走らせることが、できなかったのです。
  トラブルが、とても多かった。

  具体的にいうと、私たちが、大同で、最初に入手したくるまは、
  大同の、地元産の、「雲岡」マークの、バンでした。
  エンジンその他の、基幹部品は、他から購入して、
  組み立てを、地元の、零細企業が、やっていたものです。
  私たちは、ずいぶんと、お世話になりましたけど、
  運転手は、ずいぶんと、お世話をしていました。
  走行中、ラジエターのホースに、穴があいたときは、
  穴のあいた部分を、切りつめ、短くして、つないでましたよ。
  もとから、それぐらいの余裕が、あったんですね。
  小郭も、そういう一時期を通過した、技術者としての運転手です。
  
  私たちの感覚からすれば、運転だけさせておくのは、
  ほんとに、もったいないですよ。
  張家口市張北県の、地震被災地をみまったとき、
  外国人の私は、写真撮影を禁止されました。
  そのとき、以前の運転手の、小張が、
  何枚か、写真を撮っていました。
  (なんと、その写真は、岩波書店の『科学』に掲載されました)
  それ以来、ビデオとスティルの、カメラを使えるのが、
  大同事務所の、運転手の、伝統になりました。
  
  それだけではありません。
  緑化や環境についての、知識と関心を、運転手がもってくれると、
  私たちが入手できる、情報の量は、ぐっとふえます。
  なんといっても、彼らは、広い範囲を、走りまわっていますし、
  私たちのように、居眠りする、なんてことがない。
 そして、運転手なかまの、きずなは深くて、
 情報交換の、ルートが、できあがっているわけです。
  小郭も、どこになにがある、といった情報を、
  たくさん、もたらしてくれます。
  
  いま、小郭は、29歳です。
  3歳半の、息子がいます。
  つれあいは、23歳だといいます。
  結婚したのは、6年前。
  ということは、そのとき、彼女は、17歳。
  いまの23歳も、おらそく数えでしょうから、
  結婚したときの満年齢は、16歳か、15歳ということでしょう。
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GEN会員総会記念講演『植物とのうれしいつきあい方』
○講師:前中久行さん(大阪府立大学大学院教授)
○日時:6月17日(土)15時〜16時20分
○場所:大阪市立総合生涯学習センター第1研修室
○参加費:700円(GEN会員無料)
○問合せ・申込み:下記GEN事務所まで

 ★税制上の優遇措置をうける認定NPO法人です★
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