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情報提供者 : 緑の地球ネットワーク
提供日付 : 2006/07/03 23:44
登録経由地 : prweb情報受付 02 #01150
注意:自然環境フォーラム及びネイチャー&バードフォーラム経由で掲載した
情報には、一部に当該団体の公式なリリースではなく、ネットワーク向
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また、掲載形式は、原則として上記フォーラムに掲載されたテキストそ
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場合があります。
中国山西省大同市の黄土高原の農村での緑化協力活動のなかでの体験を
書きつづっています。不定期の発行です。
バックナンバーを緑の地球ネットワークのWebページにおいています。
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黄土高原だより(NO.368)
(2006.07.03)
高見 邦雄(緑の地球ネットワーク事務局長)
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農村の野菜事情
前号で、季節を問わずに、野菜を食べられるようになった、
と書きました。
しかし、それはあくまで、大同市内や、県城(県政府所在地)で、
お金をだせれば、のこと。
農村の事情は、まるでちがいます。
農村といっても、私たちが知っているのは、
大同の農村のなかでも、条件が悪く、貧しい村です。
私たちの協力は、緑化とあわせて、
貧困な農村への支援を、目標の1つにかかげましたので、
どうしても、そのような農村が中心になります。
山地や、黄土丘陵では、農家も、野菜は、ほとんどつくりません。
つくれないのです。
栽培するのは、おもに穀物です。
水と土の条件のいい畑では、トウモロコシ。
といっても、山地や丘陵の村では、そのような畑は、多くはありません。
一般的なのは、アワ、キビ、ジャガイモ、といったところ。
ジャガイモは、穀物ではありませんが、
前号で触れたように、ジャガイモ5kgを、穀物1kgに換算して、
糧食に含めます。
そのほかに、マメ、ソバ、エンバクなどをつくります。
大同は、冬の気温は、低いのですが、
夏の気温は、けっこう上がります。
気温の面からいうと、野菜づくりに、問題はありません。
緯度が高く(北緯40度前後)、夏の日照時間が長くて、
日中の温度は上がっても、夜間はグッと冷えるので、
野菜は、たいへん、おいしいのです。
日中に、しっかり光合成し、
夜間は、低温のおかげで、呼吸による、消耗が少ないからです。
野菜がつくれないのは、もっぱら、水不足のためです。
雨は、少ないうえに、まったく気ままです。
ときには、40日も降らない、といったことがあります。
先にあげたような、旱魃に強い穀物でも、
いまにも、枯れそうになるくらい。
いえ、枯れることも、少なくありません。
そういうわけで、灌漑が可能な、低いところの、農村でしか、
野菜をつくることは、できません。
いつか、大同県倍加造鎮の農村で、
悲しい光景に、であったことがあります。
ここは、比較的低いところにある村で、
畑に、スイカが、植えられていました。
ひでりがつづいて、枯れそうになったんです。
農家の親父さんが、天秤棒で、水を運んできて、
わずかな水を、ひしゃくで、かけていました。
まさに、焼け石に水、ですね。
それで、どうなるわけでも、ないでしょうけど、
運んでいける水があれば、そうしないわけにはいかない。
丘陵や、山の上の多くの村は、飲む水に困るくらいです。
そういう村では、葉物も、果菜も、最初から、つくりません。
ほかの村から、野菜を、売りにくるんですね。
バタバタの三輪農用車や、トラックに積んで。
ハクサイ、キャベツ、トマト、ナス、スイカ、
といったところが、定番です。
河北省から、自転車で、ニンニクを売りにきているのに、
であったこともあります。
農家には、現金がないことが、多かったので、
以前は、物々交換もやっていました。
一定の交換比率によって、
アワ、キビなどの穀物が、お金のかわりをします。
多少でも、水に余裕があれば、
土塀で囲まれた、家の前庭で、野菜を、栽培します。
広霊県苑西庄村では、私たちが、井戸掘りに協力したあと、
そのような、野菜づくりをはじめました。
1軒1軒で、それぞれが好きな野菜を、つくるわけです。
ほんの数坪で、わが家の家庭菜園と、同じくらいの面積です。
自家消費と、せいぜい近所と交換するくらいのもので、
販売するだけの量は、望めません。
土地よりも、水の量の、制約によるものです。
夏に、自分の家でとれるものは、それなりに食べるでしょうけど、
買って食べる、野菜の量は、わずかなものです。
村に売りにくる、野菜の種類も、かぎられています。
とくに、冬は、値段もあがりますし、売りにもきませんから、
食べる量は、ずっと少なくなるでしょう。
そのような農村にいけば、いまでも、洗面器に植えている、
タマネギをみることもあります。
もちろん、家のなかです。
葉を伸ばさせて、それを食べます。
天鎮県は、大同の農村県のなかでも、
もっとも貧しい県です。
私たちは、以前、県の南部の、
賈家屯郷李二烟村、谷大屯郷韓小屯村といったところで、
協力事業を、実施しました。
しかし、ここの地域は、土壌浸食が激しく、
自然の条件が、たいへん厳しいうえに、
むずかしい問題が、たくさんあって、
失敗が多く、成果は乏しかったのです。
ところが数年前、北京の友人から、
「家の近くで、“天鎮の野菜”を売っています。
緑色食品を、売り物にして、ほかのものより、ずっと高いのですが、
それでも、よく売れます」と、聞かされました。
大同できくと、天鎮県の中央部が、産地のようです。
ここは盆地で、土壌の条件がいいのです。
しかも、南洋河と、その支流があって、
水にも、比較的、恵まれています。
海抜は、1000m以上あり、冬が寒いかわりに、夏は涼しいのです。
そして、大同市のもっとも東にあり、北京へ、近いのです。
そのような条件を生かし、
いわば、高原野菜として、産地形成したんでしょうね。
この夏にでも、見学してきたいと、思っています。
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『ぼくらの村にアンズが実った
〜中国植林プロジェクトの10年』
高見邦雄著・日本経済新聞社・四六判280頁・1600円+税
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